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ロゴを変えることはブランディングではないというお話

ロゴを変えることは、会社や商品=ブランドに貢献することはできるでしょうか?

答えはNOです。

よくあるブランディングにおける間違えであるために、ここであえて私の記事を読んでくれている人にとっては対して目新しい情報ではないと思われてしまう部分もあるかと思いますが、記しておきたいと思いました。

そのため、デザイナーさんというより、経営の方向けかもしれません。最近はデザイナーに対して世間も柔和になり、任せてくださる方も多くなっています。その度量が悪い方向に行かないように、という。

この考え方は、国内的というより、海外的な考え方とも言えるため、そういう意味では、悪い印象を感じる、刺激がある情報と考える人もいるかもしれません。

せっかくなので感情の話を抜きにすれば、
むしろブランドロゴを変えた場合はに、ブランド力や売上、貢献度は下がる
でしょう。

理由は「新しい」からです。

新しいものは誰も知りません。
そのために、感情移入することも、共感することも選ぶこともできない
のです。

知らないものは買えないだから既知のものには価値がある

インド最大手自動車会社であるTATAは赤字のジャガー買収時にこんなことを言ったとされています。

『人は知らないものを買うことができない』

ジャガーが赤字ブランドであってもいい意味で知られている看板(ブランド)には価値があると言っています。

そして、近年、TATA自身が経営不振に陥りTATAがジャガーブランドを手放すというような記事が出たとき、世界の新聞では、
『TATAがジャガーを手放せば、会社自体の価値が相当薄まる』
というような厳しい批評が一部から
出ていました。

つまり、
ロゴには価値がある→変えるとわからなくなる人が出る→選べなくなる・買えなくなる
という流れ
です。

ロゴを無策に変えれば、プラスでも、そのままでもなく、マイナスが訪れるのです。

そのためロゴを変えるときには必ずと言っていいほど、メディアによる大々的な告知をします。これで下がった知名度も回復、、、、?

でもメディアはロゴを作るお金の何倍も何十倍もかかります。
ロゴを変えるのに1千万円かける会社は、変えたあとの発表やその他の全ての変更(名刺とか、制服とか、サイトとかとか)で、1億円はゆうに使うでしょう。

そこで会社は何を得られるのでしょうか?
戦略なくて得られるものはないと思います。

ロゴを変えないリブランディング

ロゴをそれほど変えずにリブランディングをしている事例をみてみましょう
事例は日本のブランドといえばというところで、ソニーさん公式ページからお借りしました。

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ほぼ変わっていないように見えます。
しかし、ブランドデザイナー、私から見れば大変立派な変化
です。

その意味は、公式ページの文章をお借りして説明します。

『社名変更後の1961年、香港の一等地に日本企業として初めてネオンサインを掲げることになったのだが、それまでのロゴではネオンサインに弱いだろうということから修正することになった。』

つまり、会社の海外進出を重要ととらえ、企業戦略に合わせてロゴを変更することにした。

そして、その後、周年キャンペーンのときには下記のような判断をしています。
ソニーが創立35周年を迎えた1981年、「新しいロゴをつくろう」と世界からデザインを公募したこともあったが、結局、井深と盛田の「今のロゴのほうが明快で良い」の言葉で、1973年にできたデザインがその後も守り続けられている。


これは、
会社の戦略に合わせて、ブランドをリスクに晒しても、伸ばしたいという意志が勝り、ロゴを調整した。
35年周年で変えたいと内部的に思ったが、そこは冷静に変えるのをやめた
ということです。

ロゴが微妙にしか変化していないけど、何が立派だと思うのか?

それは、大きく印象を変えていないが、裏側は時代に合わせて大幅な刷新をしているはずです。

これにより、ブランド変更による落ち込みを最小限に抑えつつ、時代に合わせたブランド発信をできる体制を整えた。
ということが素晴らしいという意味です。

大きく変えたい気持ちがありながら最小限の変化に抑えるのは、デザイナーとしては悔しい、またはもどかしい気持ちもあったのではないでしょうか?
何しろSONY社のロゴに手を入れるチャンスなので。

いまも多くの会社はデジタルにブランドが対応していないところが7割はあるのではないかと私は経験から思っております。

つまり、ロゴの変化よりも、そのロゴがシステムとして時代に合致し、会社や人の成長をリードできるか?ここが大事なのです。

リブランディング、ブランディングには何が大事なのか?

ここまで申し上げた通り、ロゴの変更は重要ではありません。無策の場合は、マイナスとなります。

大事なもの、それは意志やビジネス戦略です。

ロゴの変更はリスクです。それは会社や社員、人のためになるでしょうか?
それを「なる」、「する」と判断できたときに本当にいいロゴ変更ができるでしょう。

なぜならそれは、今まで以上に欲しいものや達成したいものができたときにリスクを受け入れ変える行為であり、上手くブランドデザイナーが汲み取り、作れた結果、その成果物は、事業のためとなり、人のためとなり、レベルの高い共同作品と言える大変な価値があるからです。

今回はこんなところで

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