【よくある落とし穴】ブランディングは始めるより、続ける・運用の方が圧倒的に難しい!というお話
今回は、会社の中の人(主に、インハウスデザイナーさん達)には、
『あー、やっぱりそうなんだ』
『あるある!』
って思ってもらえる人がいるかもしれません。
それは、ブランドを作ることを始めるより、それを解釈して続ける・良い感じに運用するほうがそもそも圧倒的に難しいです。
しかし、
国内においては、それをさらに難しくさせている要因があるなと思ったので、ブランディング成功の一助としていただきたく書いてみます!
なぜブランドの運用は難しいのか?
原因は、簡単!
中の人、インハウスデザイナーがあまり絡まないところでブランドが始めるから
『外注の多用です』
これは、大中小全ての規模の会社によくあります。
誰もが知っているような有名企業ですらこういった課題に当たっていることがあります。
日本から世界的に著名なデザイン会社に発注したとしても起こる問題です。
→超よくある話、なのです。
この時の状況はこんな感じです!
経営層としては、
『一気にブランドをテコ入れ、パワーアップしたい!!』
『有名なあの人にデザインを頼んでみたい!!』
という感じ。
外部のデザイナーは、
『よし、いつも通りロゴや名刺なんかの仕事が来たな』
『ツールキットの納品が仕事の終わりだな』
海外の場合は、
『この仕事は日本からかキャリアにならねえな、まあ金払いはいいかな』
※海外は速攻でキャリアつくらいないとクビなので、悪意はなくてもこうなっちゃいます。
内部のデザイナー(インハウスデザイナー)は、
『いよいよ会社のブランドリニューアル!かと思いきや外に投げるのか、、、』
です。
この時、経営は気合が入り、外部は普通、内部は下がっている状態
流れとしては、
①経営が主導で、外部に依頼。
②外部の下に、中の人がつくような座組みになる
③外部が主体となり、ブランドの初期キットを作るが、事業のあり方や細かい情報は拾いきれない。
④ブランドの初期キットを納品する。外部はここで抜ける。
⑤内部は、初期キットのコンセプトや運用方法を完全には理解できていない。
⑥経営や外部が頑張って作ったものを内部の人は崩しにくい、運用しにくい。
⑦ブランドの生き生きした活用・継続ができない
となります。
このような問題を回避する?
回避方法それは、
→中の人を信頼して、早くプロジェクトに入れる。またはポジションを高めに設定してあげる!です。
(私のように外部として食ってる人間が言ったほうが信頼してもらえるでしょうか)
でもそこで気になるのは、
『内部のデザイナーより外部の方がレベルが高いから使いたいんだ』
『中に任せちゃって大丈夫?』
というご意見かもしれません。
まず、
●小さい会社や事業にはいいデザイナー集まりがち!
スタートアップ、新規事業、小規模事業なら大丈夫です。
規模に対して、優秀な意志ある人材が集まっていることが多いです。
中大規模は、そもそもそういうデザイン部署があまりなかったりする場合もあるかもしれませんので、ケースバイケースが増えます。
※広告部門を別会社(子会社)としてきっている場合などもあるでしょう。
それに、
●国内デザイナーは平均レベルは上がっている!
巷のデザイナーのレベルは、10年前に比べるとかなり全国的に上がっています。
卒展や地方デザインは、特に興味深く、拝見しています。
・紙の使い方
・インクの使い方
・素材の使い方
・折の使い方
・予算の使い方
どれをとっても、極端に東京のど真ん中のブティックに引けを取るものでもないかなという驚きを感じることもとても増えました。
その実力感は、アプリデザインだから、イベントデザインだから極端にしくじることもないような安定感を感じます。
一方で、国内から世界を貫通させるようなデザイン会社は、かなり減ったなと思います。※世界的アワードを受賞する小規模デザイン会社は減少している
つまり、
国内のデザイナーはずば抜けている人は減っているようですが、平均点は上がっているというような感覚です。
それは、外のレベルと中のレベルが狭まっていることも意味しており、
・長期的に考えたら?
・経験を積ませたいのは?
・信頼関係を築きたいのは?
と考えたときに自ずと、中の人に早めにお任せするという選択も、時代に促しているのではないでしょうか?
UIデザインは、最近は中でやることも多くなっていると思います。
理由は、反応を見てすぐ変えたいから、数字・商売につながるから、だと思います。
ブランドもまた生きています。日々、言葉にできない微細な調整が必要です。数字を含めた包括的な価値は、普段から私は語っている通りですが、現代においてブランド力がない製品は厳しいと思います。
理由はまた述べたいのですが、
デジタル時代にコロナが加速をかけ、サービスを使う前からいい印象を持っているぐらいの存在感のある製品が増えました。
正しいものが売れないかもしれない時代です。
経営の方と、中の人(インハウスデザイナー)方へ
私は外様なわけですが、
経営の方は、中の人を信用し、選択肢に挙げてみてください。
最近はとても優秀なデザイン人材が若い層に特に増えました。
ブランドという強力で制御しにくいパワーを、長期的に獲得できる確率は確実に上がる
と思います。
中の人(インハウスデザイナー)は、やりたいなと思ったら、
冷静に伝えてみましょう。
最近の経営者は、デザインに関心を持ち、賭けてくれる、任せてくれる度量をもつ方もとても増えました。
最近、ぶらんでぃんぐにまつわる国内外の論文やメソッドなどを改めて読む時間を増やしました。日本のものづくりパワーやブランド力の潜在能力は、世界一と思ってます!
質問あればいつでも!
今回はここまで
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