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海外と国内の売れっ子デザイナーへの道とその差①

国内外の売れっ子デザイナーのなり方・あり方の差などを比べてみるという唐突な記事です。

デザインとは、主に私の領域で言うと、ブランディング、コミュニケーション、プロモーション(広告)のあたりのことです。
建築、ファッションあたりは本当の門外漢です。

トップデザイナーの定義とは、だいたい下記のようなものです。
・お金をたくさん稼いでいる
・有名な仕事をしている
・テレビや雑誌などによく出ている
・有名なアワードなどを獲得している
・役職が豪華

国内・外での売れっ子デザイナーなり方の差

■海外での売れっ子デザイナーのなり方
海外では、公用語が複数あったり同じ民族が別の(あるいは複数の)国籍を持っていたりすることもよくあるため、世界中どこでもと言うわけではないのですが、生まれた国に文化や言語が近い地域においては、デザイナーたちも頻繁に移動しチャンスを求めるような形になります。

例えば、イギリス生まれの人は欧米圏で、英語を駆使して働く。
または、シンガポール生まれの人が、中国語と英語を駆使して、上海で働く。
などです。

ここまでで、すでにお察しかもしれませんが、海外のデザイナー競争人口は流動的で数が多いため、かなり激しい戦いになるということになります。

いいところでもあるのですが、中国で出世できなくても香港でまた挑戦しよう、シンガポールで挑戦しようとなりますので、例えば、日本でいう東京芸術大学のような最高学府が国の数だけあるわけですから、優秀な学校を出ただけでは、その後のキャリアの安全度は日本国内より低めで、社会人になってからが本番であり、結果がすべてということになります。

よく聞く話では、遠いの地域での実績はノーカン(意味がない)と言われたりすることもあります。これは、文化や言語が変わるほど遠いところで実績があってもそれを再現できないのではないか?
現地にはたくさん若くて優秀な人がいるのだからなぜ現地からの採用ではいけないのか?
となるためです。
他の地域に移る場合は、ある程度若いうちの方が良いのは、アシスタントとして潜り込み、給料が安いのですが、同時に許されることも多少ならできるためです。

しかし、一方で一度や二度の失敗は何の問題もなく、国内の移動や国外への移動でまだまだ戦い続けられるとも言えます。

人間同士ですから、運や外的な要因も絡まり、有名企業をよくない形でやめてしまうこともあると思います。しかし、人員の代謝が凄まじく早い(二週間でチーム全体が入れ替わっていたこともあります笑)ので、変な意味での遺恨は残りにくいです。
上層部もバンバン辞めるというよりクビ
になります。
2年もすればチームどころか、会社全体の原型が残ってないなんてこともよくあります。

そのような環境下だと、自分の仕事への取組に外圧(プレッシャー)がかかります。
簡単に言うと、上は天才、下も天才、頑張らないと就労ビザがなくなって強制退国となる。が、故に、努力して当たり前で技術・語学の向上が目まぐるしいものとなる。

若いうちからこの苦難に置かれることで、3,4か国の言語を話せる、デザイン上手いデザイナーが作られるわけです。

つまりメリット・デメリットを少しまとめると、、、
・何度も挑戦できるが、競争は激しい
=どんどんクビになるけど、同時に募集もしている。国籍を持っていない人、ある程度の貯蓄がない人はかなり厳しいものとなります。
・人間関係がライトだけど、その分移り変わる
=人間関係も重要だけど、結局、結果出せてないときつい
上と下関係なく切られまくる。どちらかと言うと上が切られて、下は違うチャンスを求めて旅立つという感じ
・冒険をせざるを得ない
=みんな天才ばっかだから、自分も頑張んねえといけねえなぁ、という気持ちが湧いてくる

■国内での売れっ子デザイナーのなり方
まずは大学や専門学校を出る前も重要ですが、出た後に大手の広告代理店または、有名な少数精鋭派のデザイン事務所に入れるか?がかなりの分かれ道となりそうです。

しかし、、、問題は、、、、
有名な仕事をするには、有名な実績が必要、、、???
という絵に描いたような『鶏と卵問題』
が出てきます。
つまりどうすればそのサイクルが始められるのか?という、、、

それは、有名な仕事が流れいてるところに若くして入ることで、アシスタントとしてでもまずは有名な仕事に携われると言うものです。

国内のデザイナーさんには、日本は潰しが効かない、失敗したら許されないと感じる人がいるのはこの性であると思います。

そのデザイナーが特に失敗したわけでも、悪いわけではなくとも、最初にルートに乗れていないと、そのルートに後から乗ることができないような感覚です。

つまりメリット・デメリットを少しまとめると、、、
・挑戦の機会が限られているが、競争は規模は限定的
=国外から椅子を奪いにくるケースは稀なので、日本人同士の戦いになります。しかし負けてしまうと結構ガックリくる。
移り変わりが少なく、人間関係がヘビー
=ひとっところに留まる人も多く、有名企業、事務所も限られているので、喧嘩してしまったりすると、遺恨が長く残る可能性がある=不味いことになってしまいそう。一方うまくコネクションが築けている人たちは楽になるところも。
・冒険は厳しい
=ルートから逸れてしまうこと自体は恐ろしいことなので、冒険をするリスクが高め。一方それほど激しいギリギリのアイディアを実行しなくても、組織的には安全である部分もメリットとしてはある。

という感じです。
まとめると、『人の能力の差は、努力で何とかなる。あとは、環境が自分に合っているか?の違いに尽きる』と思います
どちらがいい、わるい。優れている優れていないと言う差はそれほどなく、たまたま生まれた文化や環境に影響されるところが大きいのではないかと言うのが私感です。
どちらが合うか?という自問に合わせて海外的なやり方に挑戦するのもありだとは思います。

続きは、『トップデザイナーの在り方とその後』について書いてみようかと思っております。後編書きました↓
ではまた:)

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大体、国内外のブランドデザインの話/イベントをしてます。