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デザインと心を掴む2つの国家戦略 〜健康経営、デザイン経営を活用すること〜

今日は、マニアックな話です。
心を掴むとは、定性的(感じ方)話で、日系企業はこの領域で魅力アップすることに悩まされることが多いのが事実です。

表題の2つの戦略『健康経営』と『デザイン経営』が登場して少し経ちました。

これらは、もともとはデザイン制作というより、デザインやコミュニケーションを活用した経営戦略です。
しかし、双方ともにデザイナーが一定の役割を果たせるものでもあります。

モノを作ることに加えて、もっと領域を広げたいデザイナーなどに読んでいただくとなにかえてもらえるのかもしれません。
もちろん、上記の具体的な経験がない経営や事業部長などの方々もよろしければ!


お品書き
①二つの戦略の簡易概要
②二つの戦略の実用感
③二つの戦略とデザイナー、経営陣のこれから

①二つの戦略の簡易概要

まず、どちらも経済産業省など政府が主導、発表したものです。
一応まず最初に、二つの簡単な説明を書きます

●健康経営
働き方改革法案に合わせて、注目され始めました。
社員の健康状態を改善することで、生産性をあげると同時に、ポジティブな意味でのメディア露出も狙うというのがビジネスにおいての活かし方でしょう。実際、社員が健康になって生産性が上がっても、健康経営活動費用を賄えねば会社はまずい状態になります。
→人間的で、かつビジネス的利益(マーケティング効果など)を双方得る状態を目指した素晴らしい施策。
資料はこちら
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

●デザイン経営
デザイン的(自由で創造的)発想を経営層が取り入れることで、イノーベーションの加速、とより顧客体験に注力していく考え方

世界では類似するものとして、Design Thinkingなどとして存在をしていました。こちらは、かのappleのデザイン力の原動力的思考と言われることもありますが、実際は不明瞭なところも多いものです。
デザイン経営は、組織体系など具体的形に言及することで、まずは何かしらの取り組みを加速させるものです。
資料はこちら
https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html


②二つの戦略の実用感※著者の実務における

●健康経営の実用感
健康経営には、健康優良法人認定制度という目に見える評価制度があり、応募をすることも、認定されることも、年々厳しくなっています。

そうした中で、大企業だけではなく中小企業、スタートアップもしっかり取組んでいれば評価をしてもらえるまさに国としての横断的力が発揮されている施策と感じます。

経営として、デザイナーとしてこの戦略を活用するならまさに『今が旬か少し遅い』という印象です。

今は、健康優良法人制度もかなり競争も激しくなり、取得するためのコストも上がっています。経営として冷静にリターンを求めるなら、社員のためだけでなく、会社としてメディア露出もしていきたいと思いますが、やっている会社や素晴らしい会社が多くなれば、会社としての利益は得にくくなるという状態です。

とはいえ、この戦略の本質は、会社員の健康と効率のアップだと思いますので、意義は失われることはなさそうです。あくまでも冷静に会社に数字のリターンを求めるなら、早めに調べてみるのが良いでしょうというお話です。

●デザイン経営
デザイン経営は、デザイナーを役員レベルにするなどして、組織的な改変を行うことでスタートする点は、健康経営(健康経営もCHOを創設がスタート)と似ています。
しかし、そこからがデザインの最も難しいところ=十人十色であり、客観的な評価もしにくいため、まだまだこれからの戦略といえます。
または、定義し切れないが故に魅力的であり続ける?とも言えます。

世界的に知られるDesign Thinkingも具体的な成果は何か?効果はあるのか?は、世界で尽きることはありません
とても冷静な意見の中には、『世界の経営者を魅了し続け、投資をさせていることに意義がある』という主張もあります。

私自身としては、デザイン業界は次々に新しい言葉ができるためどれがどれだか、どれが最も実用的か伝わらず、新しい手法が出るということの繰り返しになってしまってると思いますので、まずは、新しいものに囚われず、自分がしっくりくる物を腰を据えて試してみるのが良さそうです。

③二つの戦略とデザイナー、経営陣のこれから

●デザイナー
これら二つの戦略は自分から率先しに行かない限り、デザイナーのスキルや領域になることはなさそうです。
デザインのコンサルティングやデザインの意味の根源、デザインと商売、デザインと経営などを突き詰める中で、活用する糸口が見つかって来そうです。

●経営陣
すぐに挑戦したい場合は、健康経営をブランディングやデザイン活動として取り入れる方が、具体的なアクションは導き出しやすいです。
社員の健康に対してコミットできるということは、経営にとって悪いことは何もなく、経産省の資料は大変良くできていますし、事例も出揃いつつあります。そのため興味がある方は情報を収集しても良いと思います



私としてはこの二つの戦略は、古来の世界水準のブランディングという枠の中で必要に応じで活用をしています。
使い方を誤らなければ、選択としてはありという認識です。

これらを導入するのか、あるいは他の物をするのかしないのか、それは、大きく対象者によって異なります。
まずは、政府公式ページなどから学んでみる。
それが億劫なようなら、また別の施策を模索するのも良い
でしょう。


今回はここまで。

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