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年ともに振り返るデザイナーのキャリア

私が現役学生の時にびっくりした言葉があります

『50歳ぐらいになると、同期でデザイナーやってるやつは1%ぐらいかなぁ』
これは、美術系名門大学である多摩美を卒業し、コンビニにもある超有名菓子のパッケージを手がける先輩デザイナーさんのお言葉
です。

これは、当時は『なんてデザイナーとは厳しい世界なんだ、、、』と思っただけなのですが、今となって振り返ればそういうことか、、と分かるところも出てきたので、
そこからデザイナーのキャリアがなんたるかの気づきをシェアしたいという記事です。

主に、20代の方向けになると思います。

気づきとは大まかに
①学生時代の才能は重要。でも社会に出てから別の才能の重要性も明らかになる。
②デザイナーの年齢と体力とライフステージ
③自分のデザイン(目標)とは何か?の多様性

①学生時代の才能は重要。でも社会に出てから別の才能の重要性も明らかになる。

みなさんがデザイン系学生さんの場合は、自分と他者の才能の差は、手に取るようにわかると思います。色彩構成力、いい形を拾い上げる力、デッサン力、などなど。
どれも超重要で、これらの能力の高い人は私の記憶ではいい会社、いい事務所に採用されていたと思います。

学校生活から考えれば、才能が開花し、安定して作品を作り出せ、好成績を納め、良い会社に就職する。これはとてもいいことで『人材育成の成功』だと思います。

しかし、デザイナーとして生き残る、というより続けるのは全く別の要素も大きく影響していることが年とともにわかりました
なぜならより大きな要素として、
・デザイン自体が結局好きか
・仕事としてのデザインで成功する中で、出世や役割の変更を飲み込めるか

などが才能があるほどに確実に訪れる問いであるからです。

最初のデザイナーとしての生き残りが少ないとは、
純粋にデザインで手を動かして食べてる人が極端に少なくなった
という意味
で、デザイン業界で出世して別の役職についていたりする人はカウントしていなかったのだと思います。

重要になる別の才能とは、デザインを作るために、デザイン以外の作業を許容するのかどうかというところです。
あってもなくても、プラスマイナスという単純なことはないのですが、進路には影響します。
自分の理想デザインがただうまいだけから変化するのです。

②デザイナーの年齢と体力とライフステージ

三十代後半の私がまだ二十代の頃、デザイナーは寝ない職業だったと思います。かなり長く働いていました。
理由は簡単で、それが当たり前でした。

現在のデザイン会社でもそういうところはまだまだあると思いますが、普通に考えればこれからもそういうスタイルは減っていくでしょう。

特別な体力がない限り、30歳を超える頃には、徹夜は減らさざるを得ません。また、結婚なども含めてライフステージによって自分のためだけに時間を使えなくなった時、純度の高いデザイナーとしての戦い方は難しくなる部分が出ます。

この時デザインが好きでも、デザインより大事なものができるという人もたくさんできる段階なのだと思います。それは健康や家族、趣味などです。
つまりデザイナーである前に人。
デザインをしていたことによってより大事なものに出会ったとも考えられるのでこれもプラスとかマイナスではありません。

③自分のデザイン(目標)とは何か?の多様性

最初の言葉に戻れば、学生の頃、新卒の頃のように純度の高いデザイナーを続けている人は50才の頃には、同期の1%程度となりえると思います。
しかし、それは
・求める自分なりのデザインの形が変わる
・自分の大切なものが変わる
などによってもたらされたもの
なので、学生の頃感じたように何も悪いこと・絶望的なことでは決してありませんでした。

現状、私の同期たちは現役の、スペースデザイナー、プロダクトデザイナー、ウェブデザイナー、ゲームデザイナーなどで、学生の頃と変わっていませんが。

まとめ

デザイナーという職は、学生の頃にあった才能だけが全てではなく、体力、ライフステージ、デザインに対する考え方によってある程度広がりを持ってキャリアを選べる素晴らしい職業なのだと思います。

そのため、悩むことも重要ですが、深く悩みすぎるのであれば、好きな方向性やスキルは思うままに伸ばしていけば、その時その時で割と思うように生きていけるのではないかと感じています。

つまり、
心身の健康を大切にして、好きなことを追っていれば、割と歳食ってもハッピーに仕事ができているのではないか、というおじさんの実経験のシェアであります。(まあここから何が起こるかは私にはまだわからないわけですが)

普段と毛色の違う記事ですが、今回はこの辺りで。
では:)

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