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糠漬けの研究:イワシの糠漬け、生命を受け取る食事

2020年9月25日に5kgの米糠を買って糠漬けを始めた。毎日上下を変えながら様々な野菜を入れて食べてきた。

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これはセロリの根、3週間位糠の底にいる。「糠壺の世界を操る黒幕」である。セロリを入れておくと糠自身の香りが変わる。葉の方は溶けてしまうが、一緒に漬け込んでいる糠に味香が移る。リンゴやゴボウの一端、ダイコンの残党、青葉だったらしき筋、糠壺は生命に満ちた世界である。

感じたことなどを、近々書きたいが、今日は「糠に漬けたイワシ」がとても美味しかったので記録しておきたい。

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重石をしておくと上に水が上がる。野菜から出た水では有るがこの中には地球の人口より多くのマイクロバイオームが生きている。この生命が重要だ。


糠床には生命が満ちている。

梅干しを漬けるのに使っていたツボを使って始めたのだ。温度を測ると外部より1度くらい高い。なかなか面白い。

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数日前にめざしが安くなっていたのでタッパにならべて、さっき取り出した「生命の水」と「糠の大地」で新たな生命を与える。セロリの香りが素晴らしい糠である。

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この糠メザシは2−3日後から食べ始める。保存は冷蔵庫でもいい。

イワシが面白い。丸ごと食えるのが素晴らしい。

糠イワシは時折スーパーで安くなっている時に買うことがあった。ぬかもたべたほうがいいのだろうとおもい、洗わないで食べた。まあ、可もなく不可もない味であった。こんなものかという感じである。

自分で生命に溢れた糠壺の糠を使い始めて気がついた。糠壺で発酵を続けている糠を使ってイワシを漬け込むと全く違うのである。香りも焼いたあとの風味も、内臓の苦味さえも美味いのだ。糠自身もイワシの油と合わさって素晴らしい。頭も骨もみんな美味しい。味に深みが出るのだ。

市販の糠イワシはうまくない。ただ糠をまぶしただけとしか思えない。ホンモノを食べなければ、この違いはわからない。商品化された食事はノークレームでなければならないから、危ない橋は渡れない。生命の抜け殻(ミイラ)しかお店には売っていない。

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先日安くなっていた「生のイワシ」を丸のまま買ってきて糠に漬けた。セロリの残骸と、タップリの生命の入った「糠の大地」ごとである。内臓が傷んでいないか心配であった。

糠漬けを始めてから、様々なものを入れた。リンゴ、柿、きゅうりに、ズッキーニ、カブ、山芋、ダイコン、人参、セロリその他諸々。米麹を入れたり、様々なものを入れていく内に香りが変わってきた。驚きであった。

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バットに乗せて側線に沿って切れ目を入れた。こう入れておくと腹が破裂しにくいのでいい。バットで焼くのは2回目くらいである。メザシは耐熱器やアルミホイルに乗せることもあった。

今日は数日前に漬け込んでいたイワシをバットで焼くことにしたのだ。イワシをバットで焼くのは友人のインスタで銀紙に乗せて小魚を丸のまま焼いていたのを見たからである。

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魚は5分おきに見ては返す。15分で焼き上がる。

先日のメザシ体験がチャレンジさせてくれた

糠に漬けたメザシをそうやって焼いた。内臓が苦くなくて、美味しかったのでバットで焼くのもありだなと思ったのだ。

このときは耐熱皿でめざしを焼いた。チーズを載せてグラタンにした。

内臓を抜いていない魚の内臓が食べれるのが嬉しいかなと思った。とは言っても今回は生のイワシである。内臓も多いから苦味もあるだろう。どんな風になるか心配であった。

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糠とイワシの油が実に美味しくなっている。セロリの香りが凄い。バッドが受け止めた油が沸騰して糠を焦がすが、炭にはならない。セロリの葉も油に浮かぶ、美味しそうである。隣の生サバの糠漬けにも味が入っっている。サバは塩サバのほうが味が強くていいかも知れない。

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バットに残った油も香りが素晴らしい。勿論食べる。魚に上からかけると最高のソースになる。味も漬け込んだ時に軽く塩していたのがグーである。

朝食に盛り付けた

昨日のオカズ、妻が作ってくれた目玉焼きと味噌汁、僕が作った八宝菜風、玄米に自家製梅干し、こういう朝食が好きだ。

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僕が半分食べる。内臓と頭が僕の担当。妻は背の方を申し訳程度つまむ。残った魚は夜食べる。全然油臭くない。

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魚はイワシと生サバ、菊のおひたし、糠漬け、ポテサラ、目玉焼き、牛肉とブロッコリーの炒め、玄米と去年お梅干し、味噌汁と目玉焼きは妻が作った。

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イワシは、頭と内臓が油で揚がっている。ばらして食べると美味しい。何一つ残らない。サバは単独で焼いたほうが美味いかも知れない。

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さっき上げた糠漬け、キュウリは浸かりすぎたかと思ったが、美味い。山芋は皮ごといける。今日は、カットしない山芋を丸ごと入れた。人参も小ぶりの規格外を丸ごと入れた。根が出てくればいいのに(笑)。農協で買った採れたての品である。土の中のマイクロバイオーム(生命)が集まっている。

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食事とは、生命を受け取るものである。

食事などは満腹になればいい、自動車の給油のようなものだ。忙しいから時間がない。アンタ暇だね。デブのくせによく言うよ(涙)。500円で満腹になる。医者や栄養士が太鼓判押すトクホも有るし何も心配することはない。ヒトの身体で作れない必須栄養素が入っているから大丈夫。オリーブオイルなめてりゃ元気になる。お前は化け猫か?

そういう方々は、医者や栄養士のいう事聞いていればいいのだ。食事は大事だから素人が勝手に作って食べちゃいけない。時折言われる。そう思いたければそういう食事をするがいい。ご自由である。

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僕は食事とは進化の過程で、生命が様々な代謝系を他の生命共有した結果なのだと考えている。だから全ての生命(動物・植物)は食べるものを選ぶ。というよりも、「特定の環境での食物連鎖の流れ」こそが生命なのかも知れない。砂漠に咲く一輪の花はそこに生命の流れがあることを示している。

マクロビオテックの身土不二という思想はまさにこれである。問題はどの範囲が自分自身尚可ということである。これも権威が決めることは出来ない。食事哲学は権威と成った瞬間から個人を離れる。


ヒトのDNAは45000種類程度のタンパク質しかコード化していない。ヒトゲノムが解析された時に驚かれたのはあまりに少ないということである。しかし、「私という細胞(受精卵)」が通り抜けてきた発生の過程では、最もシンプルな生命たちの形態から始まり徐々に複雑な形態を通り抜けて進んできた。

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生命というのは維持にコストがかかる。何らかの機能を持つためには、環境から手に入れられる機能は持たないで別な機能に使うことで環境に適応できるのである。同様にいらない機能は捨て去る事でより良き適応の形になる。

そのために、代謝系を委託した生命を「食べること」が出来ない場合に欠乏症が起こった。大航海時代に壊血病が、先の大戦で脚気が、そして今生活習慣病が私達を苦しめている。

残念ながら、今私達を苦しめている欠乏症は医者や学者に分かるような、単純な因果関係を見つけられない。

マニュアルを学んで来た「いい子たち」にはこの病は治せない。そもそも薬やサプリでは治らない。治るという概念が間違えている。先生の言うことを丸覚えして唱えていれば大学教授の席は安泰だ。医者はマニュアル以外の治療をしたら「傷害罪」だ。自分で自分の人生に向き合う他ない。

ライナスボーリング博士という人がいる。僕は大好きだ。自分の発見したビタミンCこそが万能薬だと信じて医学界を敵に回し消えていった。ノーベル賞を2回受賞している。権威の権現のような人だ。しかし、世界を変えようとしたのだ。


調理というのは実に巧みに「食物連鎖を維持する装置」なのだ。沢山のノウハウが詰まっている。私たちの名もなき先人が見つけてきたものなのだ。医学はその劣悪なコピーに過ぎない。

なぜそうなのかは分からなくとも続けられた作法は多い。「お茶に塩」「スイカに塩」で「ナトリュウム<ー>カリウム」のバランスを取ることなど面白い。

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糠漬けは面倒で大変だが、野菜を土にもぐして生命を蘇らせる巧みな知恵だったのだ。新鮮(採れたて)な野菜を食べれない環境での知恵である。タクワンが糠漬けであることに気がつけば分かる(注)。

「グローバリズム」は食事という商品を使って金を稼ぐ。家族という食事を作るノウハウを維持する装置を失った私達は、当たり前のように

冷蔵技術は土から野菜を切り離した。実際は野菜は土の中にいるマイクロバイオームを運ぶ水筒なのだ。

この考え方に「(医者の大好きな)エビデンス」はない。分子生物学的な機序の証明も、プラセボと実薬の対照群も、食事調査から疾病の発生率も比較できるわけがない。サンプル数を多くしてランダムに抜き出すことで個体差を無視できるっと言うが、そもそも全く違うものをいくら沢山集めても抽象化などできるわけがない。

自分の身体である。自分の人生である。商売人の言葉に騙されてもいいことはない。ヒトの言葉を信じていると(統計的に)私達はとてもつらい死に方をする。

医師や栄養士の言いなりになって、売っている食事を食べながら、検査値に一喜一憂して、沢山の種類の薬やサプリで健康に生きて、やがて年取ったら「輸液・経管栄養・胃瘻」で「管だらけのケンコウ」な人生の終わりを迎えればいい。

僕は自分がぴんぴんころりと死にたいから食事を探す。

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実質的にこの話の続きです。

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ボールに肉を入れてその香り高い小糠を入れることを始めた。

鳥の手羽先、豚モツ、サワラ、塩サバ、生サバ、イワシ、めざし、鮭、その他諸々である。ぬか漬けしたモツ煮は最高である。この話はまた今度。

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今日はキュウリと青梗菜と赤大根、3日目くらいの山芋(カットして漬けた)を出した。入れ替わりに規格外の人参と山芋(農協で購入)を入れた。

注)タクワンが糠漬けであることに気がつけば分かる

市販のタクワンはまずい。自分で干して漬け込む事でしかそれには気がつけない。この既設は僕の動画ではタクワンお結び方が一番人気である。なんとか頑張ろうとしている人がまだいるのである。僕は嬉しい。

今日僕も干し始めた。まだ干し柿が残っておる。今年のタクワンは美味いだろうか。

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厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。