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幸運な病のレシピ 2021年11月21日〜30日

アンティパスト ( 前菜 )

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世の中のレシピ情報は呆れ返る。「猿でもできる」だの「5分で美味しい」とか料理作りが簡単にできる秘訣を売ろうとしている。商売は客の望むものを売る。決して客を否定しない。自己啓発系の商品は、その真逆を張るが根底は同じである。依存させることがビジネスの鉄則である。巷のレシピ情報は、「政治的に正しい栄養学」に依存させるし、それを信じることの出来ない患者は「民間療法」に依存させる。

僕は「糖尿病」である。「糖質制限(当時は異端として否定されていた)」で色々なことを知った。当時、「分子栄養学」の教科書に書かれている47種類(毎日その数は増えている)の必須栄養素との組み合わせを専門家のご信託で買えば「健康」になれ得ると信じていた。

レシピ情報に踊らされ、鳥の胸肉を茹でてそれだけ食ったり、サバ缶に納豆かけて食ったりしていた、今でも大好きだが。しかし、調理に時間をかければ、手羽大根が出来る。こっちのほうが遥かにいい。しかし、忙しい私達には難しい。

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彼等(医師、栄養士、レシピ作家、料理研究家、食事資本家)食事で利を得ている人々が、絶対に書かないことがある。今の私たちの災厄の原因が「食のグローバリズム」とそれに依存しなければならない「社会の構造」にあるということである。その処方箋は教科書には書いていない。だから「誰にでも効果のある健康法という嘘八百」を並べることも出来ない。

そして、彼等自身も同じ苦しみの中で死ぬのだ。気が付かないのもどおりである、教科書に書いていないのだから。

毎日素材から、自分にピッタリの食事を作らなければ辛い死に方をする。しかし、自分にピッタリの食事とはどのようにして見つけることが出来るのだろうか?どうしてそれは消えたのだろうか?それこそが問題の根本にある。

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「百年のお裾分け」はそれを見つけるための長い道のりなのだ。そして目標は単純で明快である。Sさんが元気にピンコロに人生を終えることの出来る食事。そしてそれを家族として見とどけること。

それこそが僕の「幸運な病のレシピ」の一つの終点である。家族というシェルターが言語としない方法で維持してきた「律」を現代にいかに表現できるか。

一生の仕事ととしても恥ずかしくはない。僕の四千万歩はこれから続くのだ。

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#厨房

【2021年11月30日】だいたい厨房の整備が進んでいる。本家平野屋は長く食べ物屋さんをしていた。いとこの伸一さんにお会いしてサンプルをご賞味いただいた。厨房の鍋やボールを頂いた。詳しくはリンクを。


#金目鯛の煮付 #スパニッシュオムレツ #もつ煮

【2021年11月30日】金目鯛の煮付けは赤魚を薄味でじっくりと煮て柚子を乗せた。煮汁を餡にして乗せてみた。もつ煮はしっかりと煮込んだのだが、もう少しにないといけない。ガムのようだと言われた。ジャガバターコーンを使ってスパニッシュオムレツを作った。魚は鮭と金目鯛を焼いた。足りなそうだったので豚肉をソテーした。もつ煮には銀杏をたくさん入れた。

Sさんにお裾分けして一ヶ月である。最初始めた時は両手が指変形を起こし浮腫も激しかったがすっかり収まり、グーを作れる様になっていたのは驚いた。これだけカルシュウムだのコンドロイチンだのと大量に抽出してトクホだの機能性食品だのと「フードキャピタリスト」に富を与える「政治的に正しい栄養学」が為す術もない。僕の調理メソッド「幸運な病のレシピ」では、骨をまるごと煮付ける事が重要だと考える。決してクレームが怖いから骨を脱いたりしない、手も抜かない。自分が食べるものなのだから。

カルシュウムにしてもその他諸々の「粉」というものは早い話「材料」である。僕は、食べ物が持っている骨近辺の代謝物が重要だと考える。細胞の内にある「立体構造を維持して活性となるタンパク・脂質」である。これは、素材から適切な加熱で長時間調理することでスープの内に充満するのだ。いくら材料が沢山あっても腕のいい大工さんが居なければいい家は建たない。そして、食のグローバリズムは「多彩な代謝物=腕のいい大工」を破壊するのだ。「乾燥・抽出・濃縮」工程は生命のミイラを作る。そんな食事が私達を殺す。

食はグローバリズムによって破壊されたのだ。50年前の家庭で作られていた食事を見直すことこそが重要だ。Sさんが元気で年をとっていける食事こそがその回答である。多くの事をおしえてもらっている。

嬉しくて残っていた酒を飲んだらテキメンに足がつった。神様ごめんなさい。

#蕪の汁 #イワシの丸干 #鳥レバー 時雨煮 

【2021年11月29日】今日は妻が餃子を包んでくれた。こればっかりは妻のほうが上手い。汁は「蕪菜」をたっぷりと使った。アクが強ので葉の茎の部分はしっかりと煮た。手羽先を使ったがあまりパンチがない。手羽先は強い味で煮込んだほうがいい。少しゆずを入れたら好評であった。イワシの丸干は内臓も一緒に焼けるので最高である。鳥レバー 時雨煮には美味しく出来ると最高である。今日のは美味しく出来たほうだ。喜んで食べてもらえたので嬉しい。また作ろうっと。マユのご飯は作り忘れていたので、同じものを食べてもらった。鰯の頭入りのご馳走である。美味しく頂いてくれた。夜にマユのご飯を作った。蕪菜にイワシが一匹入り大ごちそうである。

一物全体食というのは明治期の食事哲学者の石塚左玄先生のおっしゃっていたことである。内臓にはそこにしかない代謝物が保持されている。あの美味しい苦さには意味があるのだ。Sさんも美味しいと食べていた。


#餃子

【2021年11月28日】餃子の日は僕は何もしない。酒のんどった。今も飲んでいるのである。時折あられが降り、まもなく冬にならんとする寒い一日であった。

#PD -F1007

【2021年11月27日】実家の整理が随分ついてきた。禁酒が続いていたが少し妻と仲直りができて飲んでおる(笑)。実家でへべれけである。昔買ったジュークボックス型のCDプレイヤーを設置した。20年ぶりである。

2日前は「死んでやる」「アンタの保険金じゃ足りない」と大騒ぎであったのだが、落ち着いたのである。実家を改装して弁当屋始めるといえば普通の反応である。僕のほうがおかしい。しかし、声が聞こえるのだ。『go the distance.If You Build It, He Will Come.』ん、トウモロコシ畑がないぞ。

#栃尾 #コンビニ食 #テンゴカキ

【2021年11月26日】今日から3日間ほどお休みである。そこでSさんの故郷に行くことにした。毎日聞いている内に行かねばならぬと思い始めたのである。呼ばれたのだ。大変多くの学びがあった。僕は「テンゴカキ」であった。詳しくはリンクを。

長い旅に出るとどうしてもコンビニ食になる。それでも夕食は帰ってきて作った。ホッとするものである。


#ノッペ汁

【2021年11月25日】ノッペ汁を食べた。お店のノッペ汁は好きではない。いかにも「私は公式でございます」と言っているようである。里芋を美味しく食べる料理が商品としての衣を着ると高慢ちきで銭ゲバの姿に見える。僕は好まない。新潟の郷土料理として有名であると聞くが、もはや誰も家庭で料理など作らないからお店で出に稼ぎをする。グローバリズムは悪ではない。もはや社会は変わったのである。後戻りもノスタルジアも管だらけにされて年金ATM止まる将来を変えることは出来ない。今の社会でいかに自分らしく死ねる食事を見つけるかである。始める前から諦めることはない。


#梨のお裾分け #ラーメン

【2021年11月24日】ラーメン食っちまった。数日前の角煮をドッツリと入れた。麺は半分マユに上げた。梨のお裾分けを頂いた。なんとも嬉しいものである。手羽大根は随分美味しくなってきている。朝の食事にも食べた。マユも美味しいものはわかると見える。ドンドン食べていかないと痛むのである。冷蔵庫には感謝している。翌朝のご飯にも大活躍である。


#中華風の肉団子

【2021年11月24日】中華風の肉団子を作った。ケチャップで甘酢あんにした。これは昔中華の本で読んでからの得意技である。Sさんも美味しいと言っててくれた。汁はヒラタケとキャベツで作った。パンチが足りなそうだったので豚肉も炒めた。今晩食べれなくとも明日の朝に残りを食べる。身体が求めている食事をするのだ。

昨今のレシピ本はあまり参考にならないが、一昔前の上手な料理人の方が書いた本は良いことが書かれている。親が家庭料理出身でお店を開いた方の本も素晴らしい。本来料理よ言うのは利を求めるのではなく家族のためのものだったのだ。レシピ本も一線を画すことが出来る。家庭料理をリスペクトしているかどうかである。利を求めている料理の専門家は嫌いだ。鍋釜のスティマ、簡単食材の宣伝、いずれも私たちの人生の終わりなど気にしていない。料理の技術ではなく食事をともにする「家族」を想う心がない商売人は嫌いだ。まあ、商売なのおだから仕方がないが、自分も辛い死に方をすることぐらいわからないのだろうか。人生は儚く短い、いかに華やかな一時を過ごした所で、最後に残るのは打ち果て、苦しく孤独な年月である。ピンコロの人生とは美しい追憶とともにやってくるお別れである。

この世に客に来たと思えば何の苦もなし
朝夕の食事はうまからずとも誉めて食うべし
元来、客の身なれば好き嫌いは申されまい
今日の行くを送り 子孫兄弟によく挨拶して
娑婆(しゃば)の御暇(おいとま)申したがよし
伊達政宗

#鳥蒸し焼き  

【2021年11月23日】鳥をバリット焼くのは得意なのだが、肉が縮むと固くなる。先日ハンバーグを蒸すやり方を知って、鳥にも使えると思いやってみた。皮目をばりっと焼いて返してから餃子の要領で蒸すのである。ビンゴであった。これからはこれでいこう、ニンニクもとろけて最後に白ワインでソースにした。醤油味の八宝菜を作った。これもまたいい。ブロッコリーは先に蒸しておいたほうが良いようである。やり方にもよるだろうが。手羽大根を大鍋で作った。最高である。Sさんお喜ぶ料理は僕も嬉しいそして美味しい。

大根も干し柿も着々と乾いてきている。皆美味しさで冬の食卓を賑わしてくれる。

#土付きネギ #キズパワーパッド

【2021年11月22日-2】土付きネギは最高だ。青い部分が一番美味しい。細かく刻んで汁にしても角煮と煮込んで餡にしても良い。ただし手を切ってはならない。豚バラのブロックは軽く下茹でしてからジックリと保温鍋で熱を入れる。余ったらラーメンに入れて食べるとマサヤ亭のラーメンの出来上がりである。豚の脂を嫌う人は多いが炭水化物を食べるより良いと僕は思っている。問題は美味しく調理が難しいことである。

#ホッケ一夜干し #豚とネギのソテー

【2021年11月22日-1】ホッケの一夜干しの塩焼きは最高だった。土付きネギっていうのは地元で取ったままに出荷されるのだろう、すぐに白い部分と青い葉の部分を離さないと青が黄色に変わる。豚バラを少し色が変わるまで熱をかけて、ネギを敷いて上に乗せる。トウチと醤油で味を入れると美味しい。ネギの内側の水分がソースになって外はパリッと行ける。Sさんもしっかり食べた。こんな食事が身体に悪いはずがない。お店では食べることが難しい、単純な料理だし材料費も安い。低価格のお店では手をかけられないし、手をかければ値段が高くなる。自分で自分の為に作ることは大変な価値がある。金では買えないものなのだ。

#リガトーニ

【2021年11月21日】リガトーニを作った。Sさんは初めて食べるのだろうか、ケチャップとも違うけど美味しいと大変喜んでくれた。チーズを載せてグラタンにしたのだが、あまりチーズの感じが残らなかった。300食つくる時はどうしたら良いのだろうか。毎日食事を作りながら、手順を考える。しかし、恐ろしく難しいことである。

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厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。