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格差と忖度の社会

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社会の構造の変化をきちんと見つめなければ、この50年で生まれた生活習慣病を理解は出来ない。世界は単純ではない。そして変化はわずかずつ起こり、今ある姿が当たり前のように感じる。
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2021年10月の記事一覧

『百年のお裾分け』(1)母と買いに行ったボタン、失われたお裾分けと人の繋がり

『百年のお裾分け』(1)母と買いに行ったボタン、失われたお裾分けと人の繋がり

民俗学と言う視点は『時間や空間的』に離れた生活を記録するものでも過去を懐かしむノスタルジアでもない。自分の生活との違いを見ることで『私たちの本質=構造=(律)』を探すことが目的だ。

母のお裾分け母は、自分で料理を作れた頃はいつも近所に住んでいる親戚のIさんに作ったものを届けていた。天ぷらを大きなお盆にいっぱい作っては持っていていた。Iさんご夫婦には子どもさんがいなかった。随分後に親戚の子と養縁組

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「オメラスから歩み去る人々」、誰かを見捨てることで成り立つ社会

「オメラスから歩み去る人々」、誰かを見捨てることで成り立つ社会

アーシュラ・K・ル・グィンさんってそんなに読んでいるわけではないのだけど、この小説はヒューゴ賞の本の中で読んだ。小説自身は有名なので解説が多く有る。上手な解説も有るが、できれば原作を読んでみると良い。短いし翻訳も有る。

僕の認識では『「自分の生活が誰かの不幸のもとに成り立っている」ことを忘れてはならない』と言う物語である。SFとは思考実験である。ありえないことを想定してその時にどんな反応をするか

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「目撃者 刑事ジョンブック」はいい映画。宗教=パブリックの研究。アーミッシュの世界。

「目撃者 刑事ジョンブック」はいい映画。宗教=パブリックの研究。アーミッシュの世界。

アーミッシュという人達がいることは知っていたが、この映画を見るまではあまりピンときていなかった。

カルト教団の時代オオム真理教が大騒ぎを起こしていた頃というのは、大学生を基盤にした原理研究会だの、統一教会だのが社会問題となっていた。何を信じるかくらいは何でも良いではないかと思っていたものである。子供が何を信じるかなどということは関係ないはずであるのに、異教徒に自分と同じ宗派の人間を奪われることは

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格差の方程式:子ども食堂って胡散臭い

格差の方程式:子ども食堂って胡散臭い

貧困な子供って結局は「貧困な親」とセットになっている。子供ではなく、親を救え。子どもたちも、もう少しして子供でなくなれば、就職も行き場もなく、社会の中でも爪弾きにされる。

教育支援というのも嘘だ、すでに会社は個人の才能で伸びる場ではない。大学の教員の給料を税金からでなくなったからタカろうとしている。

公平な教育、不公平な就職試験。公務員試験は平等でも、公務員になってからの出世は親が高級官僚なら

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オデンも人生も「用意周到」が大事(2012年〜2014年)酒の黒歴史の一部

オデンも人生も「用意周到」が大事(2012年〜2014年)酒の黒歴史の一部

オデンはシンプルな料理である。それだけに難しい。何度も繰り返すことで学ぶのである。オデンに限ったものではないが。

そして料理に失敗はない。繰り返して口にあうようにできるようになる。そして自分も変わり、美味しく感じる舌も変わる。

オデンを作った。

コンビニのおでんを最初に食べた時はなんと美味しいものであろうかと驚いた。しかし、今ではコンビニのおでんは「お店の味なり」だなと思う。それぞれの具は適

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