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私がスカイベイビーズで“自然体経営”を選択した理由【ナラティブ後編】

今回は、私の思想がスカイベイビーズの“自然体経営”にどのように影響しているか、どんな理想のもとスカイベイビーズの経営に携わっているかについて、書いてみたいと思います。

これまでの原体験について書いた前編を先に読んでいただくと、より納得感を持ってもらえるかと思うので、ぜひ前編もご覧ください。

人前に立つのが苦手な経営者

私は2015年にスカイベイビーズを引き継ぎました。

今は経営者という立場ゆえに会社の代表として振る舞うことがあったり、こうやってnoteでも発信したりしてはいますが、私は基本的に目立ちたくない性格で、人前に立つのが得意ではありません。それなのにどうして会社を経営する道を選んだかというと、自分の中の成長欲求を満たすためでした。

昔から漠然とではありますが、どうせなら人や社会に影響を与えるような大きな仕事がしたい、といった思いがありました。せっかく声をかけてもらったことだし、社長をやることで何かが変わるかも、と。兼業しているアソブロック株式会社やジャンプ株式会社などで、身近に経営者の姿を見ていたことも、挑戦の後押しになりました。

スカイベイビーズがフラット組織なのは、幼いころから抱いていたヒエラルキーに対する違和感が大きな理由であるとともに、自分自身が偉そうに振る舞うのが苦手なことも、理由のひとつだったりするのだと思います。

常に選択肢を持てる環境づくり

スカイベイビーズを引き継ぐことなってまず考えたのが、「普通のweb制作会社にはしたくない」ということ。そう思った大きな理由は、web業界で働く人に、しんどそうな人が多かったからです。

これまでディレクターとして関わってきたweb制作会社の中には、深夜までバリバリ働く人が多く、長時間労働が当たり前になっていることに疑問と問題意識を抱いていました。スカイベイビーズでは、そんなweb業界の働き方やあたりまえになってしまった慣習を変えていきたいと考えました。

そういった思いから、「出社義務なし」「兼業推奨」といったスカイベイビーズの自由な働き方が生まれました。

また、スカイベイビーズを引き継ぐ少し前から、私は山梨との二拠点生活を始めました。以前から、都市部と地方の分断や格差の広がりについては危機感を抱いていましたが、移住したことでより一層問題意識を抱くようになりました。弱者と強者の分断に幼いころから抵抗意識を持ってきた私にとって、東京という“強者”と、地方という“弱者”の間に分断が生まれることもまた、強い違和感を抱く対象でした。

そこで、地方の価値を見直し、これ以上の格差の広がりを防ぐために今の自分にできることは何か考えた結果、現在の『ソラミドごはん』の原点となる『空と緑のくらし店』もスタートさせました。

ちなみに、自由な働き方を取り入れたのも、ソラミドの取り組みを始めたのも、メンバーにとって「選択肢を持てる環境をつくりたい」といった思いが含まれています。

自分自身のこれまでを振り返ってみると、道をひとつに絞られると窮屈に感じたり、逃げ道がないことへ息苦しさを感じたりするといったことがありました。今思えば、兼業や二拠点生活も、常にいい意味で逃げ道を持っていたかったからなのかと感じています。

「逃げ道」と言うとネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、逃げ道と選択肢はほぼ同義と捉えていいのではと思っています。常に選択肢を持つことで、人とのつながりが広がったり、何か一つに依存や固執をせずに済むので気持ち的にもかなり楽になるんです。選択肢を持ち続けることは、私にとっての自然体の要件であるとも言えます。

この考えを人に押し付けるつもりはありませんが、やはり会社の体制や事業に現れてくる部分はあるので、メンバーはある程度この辺りに共感したうえで集まってくれているのだと感じています。

皆が自然体で生きられれば、世界から諍いがなくなると信じて

「自然体で、生きる。」
これは現在のスカイベイビーズの理念です。

この理念を大々的に掲げるようになったのは、2020年ごろからだったと記憶しています。

前編でも少し書きましたが、私はスカイベイビーズで、私と同じように自信を持てなかった人たちや、多少の弱さがある人たちも、自分の価値に気付き、力を発揮し、自分らしく活躍できる場を実現したいと考えています。そして凸凹した人たちが、凸凹したままの自然体で長所を生かしたり、互いに支え合ったりして生きていける世の中を目指したい。

「自然体で、生きる。」という理念には、「弱者と強者の分断」「いきすぎた個人主義の定着」「それによる自己責任論の広がり」「他者から抑圧される理不尽な職場環境」など、私がこれまでに疑問を抱いてきた社会課題を脱したいという思いが込められています。

以下の記事では、理念の背景についてもう少し詳しく説明しています。よければぜひご覧ください。

「自然体な人を増やすことで、どんな社会が実現できる?」と聞かれることがあります。私としては、「諍いのない世の中」になる(なってほしいという願望も込めて)と考えています。

自然体でいなければ、人は心の余裕を失っていきます。すると、些細なきっかけで諍いが起こり人が互いを攻撃し合う世の中になっていく。SNSでの誹謗中傷など、その最たる例です。極端な話、戦争だってそうです。
スカイベイビーズで働く人が自然体の生き方を実現し、周囲の人にも自然体を広げていくことが、世界から諍いをなくすひとつのきっかけになってくれたら、と願っています。

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現在(2024年5月)スカイベイビーズは、私が引き継いでからもうすぐ10期目を迎えるところです。

自然体経営を行なっている企業として、今期(9期目)からはクライアント企業の従業員や組織のウェルビーイングを向上させるための取り組みを開始したり、社内外をボーダーレスに捉えた共同体的コミュニティ「スカイベイビーズフレンズ」を立ち上げたりと、新しい挑戦をしています。

いろいろと手探りではありますが、スカイベイビーズに携わる人たちが自分らしく自然体で生きることができるように、一歩ずつ前へと進んでいるところです。

これからも、会社の取り組みや私個人の想いなど、こちらのnoteで発信していこうと考えているので、ぜひ興味を持って見守っていただけたらうれしいです。



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