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フラット組織の混乱〜誰が決めるの?は禁句〜

こんにちは、スカイベイビーズの代表、安井です。

先日、「スカイベイビーズ、8期目が始まりました!」で、フラット組織における意思決定を少しでもスムーズにするために「スリーロールズ制度」を設けたとお話しました。

早速、フラット組織における意思決定の難しさが浮き彫りになった出来事が起こりました。私とPR担当とやまとの会話をそのまま紹介したいと思います。

何よりメンバーに読んでほしい(笑)。みんな同じように混乱してるんじゃないか?と思っているので。加えて、フラット組織を導入している方や、これから導入したいと考えている方の参考になれば幸いです。

事の発端は「スリーロールズ制度」の運用ルールの一つである「ガバナンスミーティング」。とあるチームのアジャスター担当として、「ガバナンスミーティング」に参加していたPRとやまの相談から始まります。

スリーロールズ制度、アジャスターについては、以前の記事を参考ください。

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安井「そういえば、第1回のガバナンスミーティング(各チームのアジャスターによる月に1回の会議体)に参加したんだよね?どうだった?」

とやま「感触よかったですよ。ミーティング自体の必要性がよくわかりました。各チームが課題を持ち寄って、共有し、話し合い、次のタスクが明確になりましたからね。でも、みんなでこうも話していました。キャプテンよりも大変なのはアジャスターじゃん!って。」

安井「なんで?アジャスターはあくまで調整役やん。全体を進行する人はキャプテンで、実行する人はアタッカー。それぞれの役割は分担されている。」

とやま「そうなんですけど、ガバナンスミーティングで各チームのタスクが明確になっているので、私だったらそのまま考えとかまとめ始めちゃいますね。その後にチームと共有する。ガバナンスミーティングで他のチームの意見も聞いていますから、大枠の方向性を作ってからチームと共有した方が、合意形成のスピードも速まりますし。ファシリテートしちゃうというか、パワーマネジメントしちゃう。」

安井「パワーマネジメントは絶対あかんで!(笑)そもそもそれだけタスクが偏るなら、それはもうフラットじゃない。そういう認識違いに陥るんじゃないかと思ってたわー。」

とやま「権限じゃなく、業務量が偏るだけでも、フラットじゃなくなるということですか?」

安井「そう。権限も、業務量も、偏りがないのがフラット組織。業務バランスをとるために、キャプテン、アジャスター、アタッカーという役割を設けたともいえる。たとえば、私やるよと何でも受け入れやすいタイプの人間に業務って集中するでしょ?そういうものもできるだけなくしたい。当事者意識は大事だけど、偏りは作りたくない。アジャスターのメイン業務は調整役。それを完遂するのがまず基本。それにアジャスターがパワーマネジメントしたら、それはもう旧来のリーダーのやり方と何も変わらない。そこに権限が発生してアジャスターがリーダーになっているのと同じ。ガバナンスミーティングがただのリーダー会議になってしまう。」

とやま「なるほど。危ないところでした。では、ガバナンスミーティングでタスクを持って帰ってきたとしても、それをすべて担おうとするのではなく、全体の進行はキャプテンに、実務の遂行はアタッカーに頼ったらいいんですね。」

安井「大事なのは、まず全体のバランス感だよね。アジャスターは、キャプテンやチームメンバーの間に挟まれることでの苦しみ、チームとチームに挟まれることの苦しみがあると思う。そういった意味でアジャスターという役割における心理的負担はあるかもしれないけれど、権限と業務量では偏りのないように心がけてみて。」

とやま「そうします!もうひとつ難しいと思ったのが、決裁権がどのチームにあるのか、誰にあるのか、決まっていないこと。ガバナンスミーティングでもその都度、これについてはどこが考える?誰が決める?という話し合いを繰り返しました。」

安井誰かが決めてくれる、と考えているとフラット組織だとすぐに停滞につながる。これまでに経験してきたヒエラルキー組織が前提になってしまっている。フラット組織には、誰が決めるのか、も含めてみんなで考える難しさがあるんだけど、そこにチャレンジする必要がある。

とやま「そうか!ヒエラルキー組織の脳みそから、フラット組織の脳みそに切り替えないとならないんですね。今はまだ予算の伴う決裁権は安井さん(=経営者)にあるんでしょうけど、それ以外は誰が決めてもいいということですか?」

安井「いいよ。予算の決裁も徐々に任せられるようにしたいし、すべての事柄について全体での合意形成を目指したい。みんなで最適解を導き出せる組織を目指したいんだよね。ブロックチェーンのようなイメージで。ただ今は過渡期だし、トライ&エラーも必要。もしも、最高裁のような存在がある方ががやりやすいなら、そういう運用ルールを設けたらいい。僕は経営者不在の組織にしたいので。究極は僕(経営者)がいない状態をつくりたい。誰かのお伺いを立てようとする、そんな習慣はなくしたい。組織も自然に循環するようにならなければならない。循環する組織にお伺いはいらないと思う。

とやま「肝に銘じます。合意形成を図る上では、互いの意見を引き出し、まとめるファシリテーターの力量が求められますね。」

安井「それはあるね。これからビジネスの現場では今まで以上に個々にファシリテーション力が求められる場面も増えると思う。まさに現場でファシリテートしていく力も育んでもらえたらいいなと思うよ。」

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想像していた通りのことが起こりました(笑)。どこかでみんなが「誰か(=経営者)が決めてくれる」と思い込んでいる。でもそれはヒエラルキー組織の悪しき習慣です。

僕はこの1年「フラット組織」に挑戦すると決めました。それは、僕のなかで「ヒエラルキー組織」に比べて「フラット組織」に属していた方が「自然体で、生きることができる」と思うから。「自然体でいられる<組織>に必要な、8つの要素 〜なぜフラット組織なのか?〜」でも私がフラット組織を選ぶ理由について書きました。

決裁権の置き所については、僕自身、悩んでいるところもあるんです。全員が権限を持っているとはいえ、何でもよしの無法地帯にはできません。「決定時に大切にすべき基準」をガバナンスとして明確にする必要があるのかな、とか。おいおい整理していく予定です。

とにかく実験あるのみ。失敗も学びに変えていきます。

★「スリーロールズ制度」について詳しく解説しています。

★つづき。まだまだ、フラット組織の混乱は続いています。

★ツイッターでも情報発信をがんばっています。


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