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「脱成長」のために私たちができることは何か

私はここ数年で、資本主義社会の限界みたいなものを感じています。

大量生産大量消費をしながらひたすら上を目指すといった社会構造によって、体調を崩す人、心を病む人が増えたように感じます。

あくまで私個人の肌感ですが、私が仕事をし始めたころは「うつ病」や 「適応障害」などはかなりめずらしいもので、ほとんど耳にすることがなかったと思います。でもここ数年で、それこそ"歩けば棒に当たる"くらいの勢いで、そういった病を経験する人が増えているのを実感しています。これは資本主義のせいだけではないかもしれないけれど、資本主義が要因のひとつになっていると確信しています。

そうやって現代の資本主義に疑問を抱くなかで、主に欧米を発端に謳われてきた「脱成長」という考え方に興味を持つようになりました。

世の中は「脱成長」に向かっているのか?

「脱成長」とは、経済成長に伴い発生してきた"負の影響"に目を向け、大量生産・大量消費といった社会のあり方に疑問を投げかけ、経済成長を最優先としてきた考えを捨て、成長以外の価値に目を向けること。"負の影響"とは、人的搾取や環境問題など多岐にわたります。

日本でも「脱成長」の考えが社会に広がってきていて、実際に各企業が環境配慮を優先した商品開発や、フェアトレードを重視したサービスなどが続々と展開しています。個人レベルでもサステナブルな商品を選んだり、「無駄なく使う」などの心がけが浸透してきていますよね。

……でも正直言って、社会全体が本気で「脱成長」に向かっているかというと、そうでもないと思うんです。

今を生きる多くの人たちからすれば、環境問題がこのまま悪化し続け、いつか人類が住む場所を追われようと、それって自分が死んだ後のできごとになります。だからどうしても「自分たちが逃げ切れたらいい」「きっとこの後、技術革新によって解決してくれる」と、どこか他人事になってしまう。

脱炭素社会実現のために、太陽光パネルをつくる新たな経済が生まれ、電気自動車をつくる経済が生まれ、エコバッグをつくる経済が生まれている。結局、減らした分だけまた新しい“負”が生まれて、どこかにしわ寄せがいく。

もっと、世の中の構造自体が変わらないと、脱成長にはならないでしょう。

私たちにできることはあるのだろうか

この頃、私は斎藤幸平さんの著書『人新世の「資本論」』や、斎藤さんが解説する『なぜ、脱成長なのか: 分断・格差・気候変動を乗り越える』といった本などを読んで「脱成長」についての考えを深めています。

そこから得た確信の一部をここでシェアすると……
脱成長には、「コモン(共有財産)」の存在がカギになっていくのだと思います。

わかりやすいことで言うと、たとえば昔のように、田畑をみんなで共同で運営して、協力して維持保全をする。そしてできた作物をシェアして食べて暮らす、といった具合に。

資本主義のなかでは「ここは誰のもの」と区画整備が進み、値段がつくことによって、共有財産という概念がどんどん消えていきました。

それをもう一度一緒くたにして、シェアできるものを増やしていく。

そうやってコモンが増え、ベーシックインカムのような役割が果たされれば、財産を無駄なく使うことができ、環境にも、人々の暮らしにもプラスになっていくのではないでしょうか。

小さな一歩ではありますが、スカイベイビーズでも社内でフリマを実施したりしています。社内での情報共有プラットフォームとして使用しているNotionページ上にフリマコーナーを設けて、いつでも自由に出品できるようになっているんです。これもひとつのコモンの形になっていけばいいですね。

それと、知識や人間関係などの無形資産も、コモンになり得ます。そういったものも、スカイフレンズのコミュニティなんかでもどんどんシェアされていけばと期待しています。

自分ひとりよければいいという時代は終わりを迎えようとしています。すべてをお金で解決する時代も。自分が所属するコミュニティに対して、自分は何ができるのか?どのように繋がり続けるのか?ダイナミックに動きつづけるコミュニティに対して、自分はどのように変化しながらコミュニティに関わっていくのか?どのように一人でなく全体としてあり続けようとするのか?そんな姿勢が価値を帯びていくのだと信じています。

今後も、「脱成長」のトピックに注目し、学びを深め、スカイベイビーズの活動にも取り込んでいきたいと思います。

脱成長に関するみなさんの意見や、実践していることなどがあれば、ぜひコメントで教えてください。

コミュニティで、知識や経験を共有しあいませんか?





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