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「自治力」が高まれば、人はもっと自然体で生きられる。

スカイベイビーズには上下関係がありません。メンバー全員が対等な関係です。そんなフラット組織では、ヒエラルキー組織とは対照的に、上司や特定の司令塔といった存在がいません(チーム内での役割として"キャプテン"は存在していますが)。ですから私自身、代表取締役という立場ではあるものの、あくまでも「経営者という役割を担っている」のであって、"トップ"ではないのです。旧態依然的な慣習にとらわれることなく、年齢もキャリアもさまざまなメンバーたちが、お互いにリスペクトの気持ちを持って関わり合っています。

スカイベイビーズのメンバーたちは、私含め、このような環境を居心地よく感じているわけですが、フラット組織がゆえの悩みもいくつかあります。
こちらは過去の記事でも取り上げているので、よければ読んでみてください。

上記のよう悩みもあったりするので、私はいつも、フラット組織がうまく力を発揮するためには何が必要か考えています。

そして最近よく考えるのが、「自治力」の必要性についてです。

自然体に必要な「自治力」

我々のようなフラット組織が力を発揮していくには、各々が組織全体を機能させるべく、課題解決や意思決定を繰り返していく必要があります。

私が考える「自治が実現できている状態」、つまり「自治の組織として機能している状態」とは、ひとことで言えば「傍観者がいない状態」です。

何か問題が浮かび上がったとき、体の中の免疫反応のように、メンバー一人ひとりが自発的に力を発揮して問題に立ち向かう。もちろん、得手不得手はあって当たり前なので、最終的な貢献度に個人差が生まれるのはいいのです。関わる全員が、きちんと興味を持って発言したり、行動したりする姿勢が重要です。

たとえば会議が開かれたとします。発言の頻度に差が生じるのはOK。なかなか発言ができなかったとしても、話を聞き、相槌をうつなどリアクションをとることにも参加の意味があります。反対に、無言で、なおかつなんのリアクションもとらないのは絶対ナシです。それでは参加の意味がまったくないですし、そもそもそんな人がいたら何考えてるのかわからなくて空気悪くなりますし。無言とノーリアクションは同意でも不同意でもない、もんもんとした空気だけを生み出しますがこれを理解していない人はすごく多い。

ちょっと話がそれますが、スカイベイビーズのメンバーは皆責任感が強い人たちだなぁと思います。それはつまり参加意識も高いということなのだろうと思いますが、だからといって、すでに自治力があるとは言えないかもしれません。意思決定に苦労することが度々あるのはそのためだと思います(冒頭でも触れた"悩み"のひとつです)。

集団での意思決定(自治)がうまくいかない。そんな場合は、問題の本質や優先順位を見失っていることが多いと感じます。たとえば、「取り組みを前進させる」ことが目的にも関わらず、話のなかで次々と浮かび上がる別の「考えなければならないこと」に囚われすぎて、なかなか動き出せない……なんて具合に。走り出すと立ち止まるのが難しいトレッドミルのように「考えなければならないことの洪水に夢中になってしまうのです。自治力の高さをきちんと発揮するには、何が「前進」の肝かを見失わないよう心がける必要があるといえるでしょう。

自治力を高めるためにできること

組織としての自治力を高めていくためには、先程も言ったように、個々が「関わろう」とする姿勢が重要です。そしてその他にも、いくつかの心がけが必要になってくるのではと考えています。

共有資産(コモン)の扱いを、自分ごとに

会社には、ヒト・モノ・カネなどの共有資産(コモン)があります。フラット組織では、極端に言えばこれらを自由に扱うことができる権利を全員が持っています。ただしもちろん、好き勝手できるわけではありません。

共有資産をうまく扱っていくためには、メンバー一人ひとりが会社にとっての"価値"を、常に自分ごととして捉えておく必要があります。たとえば「会社にとっての"一万円の価値"がどれほどなのか」「いま、どれだけの労力をかけて取り組むべきことなのか」など。これをわかっていないと、共有資産を適切に扱うことができません。資産をうまく扱えなければ、意思決定の妨げになったり、組織に不利益をもたらすことになるでしょう。

シェアの精神を持つ

いろいろなものをシェアしあって、コミュニティ(ここで言うと会社)に所属する人間が助け合える環境をつくっていくことも重要です。モノや知識、人間関係など、さまざまな要素が共有資産になり得ます。

近年、世の中では核家族化が進んだり、個の力が求められたり、自己責任論が広がったりと、人同士の関わりや助け合いが生まれにくくなっていると感じます。

「お互い様」の気持ちでさまざまなモノ・事をシェアし、助け合う精神がなければ、「対価をもらっていないからやらない」となってしまう。そうなると、組織は自治体として機能しなくなってしまうでしょう。

結局人間は、人と人とのつながりのなかで、あたたかみを感じながら生きるほうが幸福度(ウェル・ビーイング)が上がるのです。「一人で生きていきたい」という人もいるかもしれない。でも、絶対に一人では生きられないのもまた事実です。

私はスカイベイビーズが、あたたかみのあるつながりのなかで助け合って生きることができる"コミュニティ"であってほしいと願っています。関わる人々が助け合い、ときには力を合わせてチャレンジし、安心して、幸せに暮らしていける。そんな組織であるために、これからも個と組織の自治力を高めていけたらと考えています。


冒頭でも触れた「フラット組織の悩み」についての過去記事はこちら。

共有資産の話に関連して。こちらの記事もよければご覧ください。







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