自己組織化する学校

学校が自己組織化する #5 コネクティングドッツ

グループで集まって学ぶと、どんなふうに学べるんだろう?

そのような問いを抱えて、「反転授業の研究」で、いろんな人とやり取りしているうちに、集合知という言葉と出会い、集合知を生み出すワークショップの手法としてワールドカフェというものと出会いました。

ワールドカフェというのは、グループのメンバーを2-3回、交代しながら、ファシリテーターが出す問いについてグループで話し合うという手法です。

テーブルには、テーブルクロスの代わりに模造紙を貼り、話しながら、思いついたことを自由に模造紙に書きこんでいきます。

そうすると、参加者の多様な視点が持ち込まれ、あたかも全員で話し合ったかのような効果を得られます。

香取一昭さんの『ワールドカフェをやろう!』を読んでいるうちに、ある部分に目が釘付けになりました。

人間や組織、家族、コミュニティは生命システムである(p48)

 最近になって組織や人の集まりを生命体としてみる見方が広がりつつあります。ワールド・カフェもそうした考え方を基本にしています。
 このことは、人や組織を機械と見なして、スピードと効率を追求してきた産業革命以降の基本的世界観からの大きな転換であるといえましょう。機械論的な世界観と生命論的世界観との対比については、ピーター・センゲが示唆に富んだ説明をしています。
 組織や人を生命体としてとらえる考え方をする人が特に注目するのは、生命体が持っている自己組織化能力です。したがって、ワールド・カフェにおいても、参加者の自己組織化能力が最大限に発揮できるようにするための様々な工夫がされているのです。

この部分を読んだときに、自分の目の前に一気に道が開けた気がしました。

反転授業とは、学校を生命システムと見なし、生徒が自己組織化するように、動画などを使って学習環境を工夫したり、教師がファシリテートしたりすることなのだと考えたら、生命の自己組織化を大学院で研究していたこと、予備校で物理を教えてきたこと、動画を使った学びに取り組んできたことなどが、一本の線に繋がって、これは、まさに、自分が取り組むべきことだと思えたのです。

お腹の底から情熱がフツフツと湧いてくるのを感じました。

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