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コミュニケーション空間の重心移動
コロナ状況の中で、対面での活動に制約がかかり、世界中のコミュニケーションがオンライン化した。
ここで言うオンライン化というのは、単に会議室でやっていたことをZoomで代替するということに限らない。より大きな変化は、SlackやKintoneなどのグループウェアにコミュニケーションの重心が移動しつつあるということだ。
コミュニケーション空間を、同期ー非同期、対面ーオンラインという2軸でまとめると
デジタルファシリテーター・バンド
強固な社会システムのカテゴリに入るために、競争して椅子取りゲームをする時代が、急激に終わろうとしている。
入りたいカテゴリが見つからなかったり、入ってみたものの違和感が発生したり、という若者と頻繁に出会うようになった。
違和感を手がかりにして、新しいものを自分たちで作っていく動きが、コロナ状況の下で強まっていくだろう。
現在の社会システムは、かつては実状に合わせてつくられており、機能していた
学び3.0への道(デジファシ構想10)
コロナ禍の混乱の中、YAMI大学がスタートしました。
この試みは、作家の田口ランディさん、プロセスワークセンターの佐野浩子さん、デジタルメディア研究所の橘川幸夫さんと私の4人でZoom会議をしていたとき、橘川さんの次のような発言から始まりました。(記憶をもとにしているので、正確ではないかも。)
「コロナ禍は、世界全体が同時に体験している。氷河期のようなものだ。氷河期に恐竜が絶滅して、弱い猿が協
「勢いのある無勢」のコミュニティが多勢を内包して止揚することで未来が出現する(デジファシ構想9)
毎週、「社会をよくするプラットフォームとは?」というテーマで対話をしている7名のグループがあります。
そこでの対話の中で「勢いのある無勢」という矛盾に満ちた言葉が生まれてきました。
石川英明さんが、そのことをFacebookにシェアしてくれています。
この議論の中に、リアルとオンラインとの間をよろめき歩きながら統合して未来を出現させていくプロセスに役立つ、とても大きなヒントがあったと感じたの
次世代コミュニティ生成運動の全体像(デジファシ構想8)
デジタルファシリテーション構想について連載しています。
私は、管理統制型の組織や社会へ個人が適合していくのではなく、個人の生き生きとした活動から出発して、創造的集団行動が自己組織化していく参加型社会を目指しています。
デジタル技術によって多対多の双方向コミュニケーションが可能になったことによって、参加型社会のインフラが整ってきました。参加型社会の実現のために、創造的集団行動を舵取りするファシリ
多様な個性が共存できる社会を目指して(デジファシ構想7)
デジタルファシリテーション構想について連載しています。
デジタルファシリテーションが必要になる背景には、均質な社会から多様な社会へのシフトがあります。
私は、現在の社会課題の中には、均質な社会の中で形成された私たちのマインドセットが創り出しているものがあるのではないかと考えています。
本日は、「均質な社会」が生み出している社会的病理について考えていきます。
本来は多様な人間を均質化するとい
デジタルファシリテーターは、動的平衡を維持する動的編集者だ(デジファシ構想6)
静的安定構造を維持するための関わり方と、動的平衡を維持するための関わり方は、根本的に異なる。
静的安定構造を維持するためには、人間の考え方や行動を標準化して均質化することが重要になる。そのために、コミュニケーションは一方向的にして、「正解」を一方的に押し付けていくやり方が合理的である。
一方、動的平衡を維持するためには、現場で起こっていることに対するレスポンスの速さが生命線である。生き物が、感
細胞性粘菌から学んだムーブメントの本質(デジファシ構想5)
デジタルファシリテーション構想を連載しています。
「人生で大切なことはすべて〇〇で学んだ」系の書籍が多数ありますが、もし、私は、このようなタイトルの本を書くとしたら、
「人生で大切なことはすべて粘菌で学んだ」となるでしょう。
粘菌には、真性粘菌、細胞性粘菌などの種類があり、南方熊楠が研究していたのは、主に真性粘菌であり、私が研究していたのは細胞性粘菌です。
私は、真性粘菌から生命が持つネッ
社会や組織が静的安定構造から動的平衡状態になる(デジファシ構想4)
デジタルファシリテーション構想を連載しています。
インターネットは情報伝達の速さを加速させています。世界のどこかで起こったことが、一瞬にして世界中に知れ渡る時代になりつつあります。
複雑系の科学を研究してきた私は、「個と集団のタイムスケールのカップリング」という現象が、今後、起こり、世界が一つの生命体のようになる時代へ突入するのだと予想しています。
個人の人生時間に比べて社会の変化がゆっくり
デジファシ構想が生まれるきっかけとなった記事が公開になりました
PLANETSへ寄稿させていただいた記事が公開になりました。編集の中川大地さんとやり取りする中で、デジタルファシリテーション構想が、どんどん明確になってきて、ODNJのエクセレントアワード組織賞の受賞講演の内容へと繋がりました。
ODNJエクセレントアワード組織賞はこちら
私たちがやっているトオラスが賞をいただいた理由は、次のようなものでした。
■受賞理由
・かなり早い時期からオンライン上で
自然経営研究会のpodcast「ぐりぐら」で「デジファシ構想」について熱弁してきました。
自然経営研究会の山田裕嗣さんに聞き手になっていただき、デジタルファシリテーション構想について、お話させていただきました。
双方向のコミュニケーションが複雑な社会を作る(デジファシ構想3)
デジタルファシリテーション構想を連載しています。
デジファシ構想2で書いたように、一方向のコミュニケーションは、均質で単純な社会を作ります。単純なシステムは、次のような特徴を備えています。
・関係する要素が少ない
・原因ー結果の関係(因果関係)で表せる。
・関係性が直線的(線形)
・情報の流れが一方向的
一方向のコミュニケ―ションをベースにした組織が、ピラミッド型のヒエラルキー組織です。ヒエ
「均質な社会」が生まれる仕組み(デジファシ構想2)
デジタルファシリテーション構想を連載しています。
第2回の今回は、そもそも、なぜ、今、デジタルファシリテーション構想を打ち上げようとしているのかについて書いていこうと思います。
工業化社会のパラダイム現在の私たちが直面している課題の1つは、「多様性とどのように扱うのか」ということだと思います。
この課題が、今、現れてきているということは、裏を返せば、「少し前までは、均質だった」ということです
デジタルファシリテーション構想(デジファシ構想1)
日本ファシリテーション協会(FAJ)の定義によれば、「ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働き」のことです。
ファシリテーターの集団に対する関わりには、アジェンダを作る、文脈を指定する、問いを作る、など、方向性をつけて秩序