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「値段が高い=良いもの」この判断をする人は知識不足だ

初めまして、Masato Suzukiです。
主にサービスやブランドについてのデザイナーとして活動しているフリーランスです。

前回はサプライチェーンついて書きました。
前回の記事はこちらから

今回は今までの毛色とは少し違うエピソードからヒントを得るようなものを書きます。マーケティングではありますが心理学のテクニックによって何ができるか誰かのヒントになればと。

とある宝石屋さんの話

ターコイズ(トルコ石)はお店でなかなか売れずに困っていました。
その宝石屋さんは観光シーズン真っ盛りでお店はお客さんで溢れていました。

しかし、ターコイズは値段の割には質の高いものだったのになぜか売れませんでした。色々と試行錯誤を試みたが効果はなく、店員にもっと積極的にお客さんに勧めるように言いかけたが結果は同じ。

痺れを切らした店長は
「このケースのターコイズを全部価格を1/2にしておいて!」
と殴り書きのメモを店員に渡し出張に出かけていきました。

そして数日後。
ターコイズのケースは全て売り切れていました。

驚いた店長は確認したところ想定外のことに気づかされました。
どうやら殴り書きのメモを読み間違えて1/2ではなく2倍の価格で売っていたのです。これまで売れなかったものがなぜ全て売り切れたのでしょうか。

種明かし

観光客の多くは裕福であることと、ターコイズの知識を持ち合わせていませんでした。彼らが宝石を買うとき「高価なもの=良質なもの」という標準的な考えがありました。

知識がない場合は何かしらの法則をもとに「良いもの」を選択するのが人間のステレオタイプとも言えてしまいます。そして裕福な人たちは「価格が釣り上がっているということは良いものだ」と信じ込んでしまいます。

一見馬鹿らしく感じるかもしれませんが、もう少し裏に潜むルールを話します。彼らは「安もの買いの銭失い」というルールを聞かされて育ち、このルールの当てはまる体験を何度もしてきました。

そのような染み付いたルールでは「高価なもの=良質なもの」という意味に置き換わってしまいます。

後日談

私はデザインの仕事をしていてその中でスクール事業もやっていました。当時デザイナーになるためのスクールをリサーチする上で感じたことは「このレベルでこんなに高いお金を払わしてなんて悪質なスクールが多いんだ」と素直にそう感じました。

カリキュラムは2000円で買える本の内容をそのまま行うものや、ビデオ学習だけやらせてあとは自由に学習してと放置したり、デザイナーに特に必要がないもので期間を伸ばし延長金を巻き取るなど本当にろくでもないものばかりだと。

しかし、そういう残念なスクールに通う人が多くいました。
理由は上記で話した通り「値段が高い=良いスクール」という見方をしていたからです。知識がないのは愚かだと思う人もいますが、これから学ぶ人にそれを期待するのはとても残酷です。

結果、今デザインスクール業界ではスクールをいくつも通う人や、終了後に何をしていいか迷子になり結果これまでと変わらない仕事を続けている人が多くいます。そしてデザイナーになれた人を見てみるとスクールに通う必要がないくらい自走して行動できる人達でした。

この現状を目の当たりにして私はスクール事業を辞めました。

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