日本暗号資産市場のステーブルコイン JPYC2 世界最大ゲームと世界観

元祖多人数ネットワークロールプレイングゲームと仮想通貨

ひとつ前の記事で、ステーブルコインがなぜ経済圏を作るのに必須要素となるのか 貨幣の主要機能と価格の安定性が一体となっていることから説明をしました。

日本暗号資産市場 代表の岡部さんは経験的にステーブルコインの大切さを知っているように見えたので、どんな経験からそれを知ったのか質問をしたところ以下の返事がありました。

「2000年ごろにウルティマオンライン(世界初の多人数ネットロールプレイングゲーム)をプレーしていて ゲーム内通貨(ゴールド)が値下がりしてしまうので安定しないと困ると思った。」

という、ヒントになる話をもらいました。

実はこのウルティマオンラインにはまっていたゲーマーの中からその後、個人投資家としてトップクラスの資産を形成した人、ベンチャー企業経営者政治家、その後、様々な形で活躍する人が出てきています。いわゆるネトゲ廃人になった人もかなりいるという話もあります。

このゲームはなぜここまで、その後活躍する人を輩出したのでしょう?
ステーブルコインにどうつながるのでしょう? それを考えてみます。

ウルティマオンラインの発売は1997年でインターネットが広がり始めた初期でした。(そのためネットゲームで多人数が共同作業する原体験になり得た)

ウルティマオンラインに参加すると、以下のような実世界を仮想空間上に投影する機能が備わっていました。
広大なネット上にスキル制成長システム、生産システム、派閥戦争のサポート、殺人および殺人者の討伐(自警団)を成立させる独自の対人戦システム、本格的な家建築等々、このゲームによって確立され、現在でも自由度において本作を超える完成度を持ったタイトルは存在しないほどだそうです。。一介の冒険者から、服屋や大工、果てはスリや凶悪殺人鬼まで、ありとあらゆる職業のロールプレイ

ネット上に世界が出来上がり、そこでは活き活きとした経済活動が行われていました。このゲームにはまる人の中には、現実とゲームよりゲームの中にいた方が楽しいと感じる人もでてきました。仮想空間なので、現実ではなかなか出会えない人に会って共同作業をできることも大きな魅力だったようです。

ただ、そこで使われていた、お金(通貨)はマイニング(労働の対価)の上限が設定されていないものだったそうで、結果的に、貨幣価値が落ちていくものだったそうです。

岡部さんはこれでは、継続的に資産を形成したり、商行為をおこないにくいことに、気が付いて、この時代にこのゲームのためにステーブルコインに近いものを作り、このゲーム内通貨と交換できるようにしたそうです。

これが岡部さんが、ステーブルコインがないと経済を発展させられないと考え、そのために、現在のステーブルコインをイメージさせるものを作る原体験となったということが話して伝わってきました。

それから約20年後、岡部さんは、日本暗号資産市場株式会社を起業しました。金融庁とも納得いくまで話し合って、法的には前払い式決済手段として、技術的にはイーサリアムのERC20トークンとしてJPYCを発行するに至ったのです。

20年前とは大きく変わったのは
1.JPYCは日本円と連動して、より現実での経済活動に使える場面がはるかに増えたこと、
2,実際にブロックチェーンベースのトークンとして発行されているので、より確かな技術的サポートをもとに、価値の保存と交換がおこなえること3.日本の資金決済法に従い、前払意識決済手段として届け出されたものであること(法整備が進んできたことにより)

20年前ネット上だけにあった世界が、今後ネットとリアルが融合したものになるのをイメージしやすくしてくれているのがJPYCなのだと思われます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?