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【解体】化学|Utsu2【新書】

製作者の頭の中、ということで、つらつらと書きますが、基本的には聴いてくださった方の感想、が全てだと思っています。
なので、もしご興味あれば、という程度でお読みください。
追加履修EP3曲のうちの最後の1曲、つまりはTokyo Emotional Gakuenの解体新書はこれにて終了、つまり最後の解体、解説となります。
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歌詞を書くにも人それぞれに作法はありますし、曲によってその背景も様々です。
最初にデモ音源を聴いた時、冒頭のギターリフに、何かが炸裂する、爆発する様な、音像を想起しました。その時点で、今回でいう”化学”というテーマで、筆が勝手に走り出していました。

そこから最後の行が仕上がるまで、ほとんど記憶らしい記憶はありません。時間の感覚がなくなって、言葉がテトリスみたいに降りてきて、それを積み上げていって、最後に長い棒の人がスッと降りてきて、はい完成みたいな(どんな)。
ふと我に帰って、仕上がったものを見つめながら、ノーベルがダイナマイトを発見、発明した時、どれだけ高揚したのだろうか、とか、ただ、その後それが当初の目的とは別に、殺戮兵器として使用された時に、何を思ったんだろうか、とか、筆跡を辿りながら、そんなことを考えていました。

全部吹き飛んで仕舞えば良いのに。

時折、口から飛び出てきそうになり、慌てて塞ぐような言葉です。ただ、メロディーに載せて歌にして、表現、想像の世界であれば、何かそこに役割があるようにも思います。
衝動をカタチにする。振り返って今だから思う、なぜこんな作品に至ったか、作品全体の総括みたいところにも通づる部分です。
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ミュージシャンが新しく曲を作る時、好きなものを作る、売れるものを作る、他にないものを作る、求められているものを作る、一重に作詞、作曲といえど、作品作りには色々なアプローチがあります。
きっとどれも正しいですし、大切な要素ですし、どれが素晴らしいという話ではありません。それらの要素がすべて掛け合わせられたらとても幸せなことだ思いますし。

ただ、それ以上の動機として、衝動に駆られて、それが本人ですら一体何かもわからないまま作る。ということもあるのだと思います。
興味本位、なんとなく、無我夢中、言葉にするとそれ以上でも以下でも無いとも思うのですが、それが何かもわからないまま、時間を忘れて、昼夜も、腹の減るのも忘れて作る、もしかしたら子供の描いた絵や、粘土で遊んで、これなあに?って思わず聴いてしまいたくなる様なもののイメージが最も近いのかもしれません。

ミュージシャンとしてキャリアを積めば積むほど、支えてくれているファンやスタッフの気持ちを汲んで、期待、納得、理解、共感、背負うものも増えて、こうあるべき、こうすべし、勝手に身重になっている部分が少なからずあるのでは無いかなと思います。

そういったものから解き放たれて、もっと自由に、無我夢中で遊べるもの、少なくとも自分にとってはそうでした。無邪気さや”遊び”の部分を突き詰めることに、この作品Tokyo Emotional Gakuenの意義があったのでは無いかなと思います。

楽しそうなところに人は集まりますし、魅力が無ければそこにとどまることは無いでしょう。そして今度は人だかりを目印に人が集まります。

そのためには、まずは自分たちが遊び倒すことですし、後にも先にも見つけやすいものを作る、という自分の言葉は、おそらくきっと、こんなところに繋がっているのでは無いかと思います。

見つけてもらうという点で言えば、日本中にも世界中にも、思っていた理想とは遥か乖離があって、悔しさの残る部分です。もっと自分のやれることがあったのかもしれない。ただ、今の時代何がきっかけで一発逆転、どう再評価が起こるかはわかりませんから。

そんな思いを引き連れたまま、また次なる作品、遊びをこの目に捉えながら。
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Tokyo Emotional Gakuen解体新書、これにて完結とさせていただきます。
ご愛読いただき誠にありがとうございました。

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<裏話にも程がある、制作秘話などはこちらでこっそりと↓>


褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。