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夢見モグラは空を待ち侘びて 36日目


モグラの知っている地下の言葉と、
この世界の言葉は、
よく似ているけれど少し違った。
なかには単語として聞き取れるようなものもあったけれど、
そのスピードの速さにモグラの理解は追いつかなかった。

箱の中で移動の途中も、
モグラも自分の言葉を必死に伝えようとしたが、
うまく通じなかったので、
出来るだけジェスチャーを交えたが、
それでも意図はうまく伝わらなかった。

ただ、モグラの腹時計が壊れんばかりがグーグー音を鳴らして、
恥ずかしそうに手でお腹を押さえると、
あたたかい飲み物と、三角形をした不思議な食べ物を渡された。
口の中に入れるように促されて言う通りにすると、
それはびっくりするほど美味しくて、
モグラ脳内には雷に打たれたような衝撃が走った。

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英語の話。


2020春、緊急事態宣言下、
1日1度、ほぼ30分、
知らない外国の人と喋るが日課になっていた。

PCの画面を前に、
とりあえず簡単な自己紹介から始まる、
専らそちらの国ではコロナはどんな具合かしらん。というところを添えて。
ヨーロッパや東南アジアの人が多かったかな。
あなたはどんな仕事をしているの?聞かれれば、
気分でクリエイターだよ、という時もあるし、
ミュージシャンさ、という時もある。

ええっと、今は新しいルールが出来て、
会場に半分もお客さんが入れられないんだ。
配信ライブって何て言うんだっけ。
in Englishと言われてもなかなか瞬間的には出てこない。
けれど最終的にはみんな先生なので(英会話の)、
こちらの意図は汲んで会話を弾ませてくれるのはありがたい。

BIGMAMAの作品の中でも
とりわけRockassickは海外でいい反応をもらっていたこともあって、
世界展開っていうとちょっと大袈裟だけれど、
少しずつでも世界で自分たちの音楽を楽しんでもらいやすくするために、
そのプロモーションや、ライブで行くためにはどのようにしたらいいのか、
なんて相談、計画していたところが、まあ案の定、全ては振り出しへ。
それでもせめて現地の言葉で挨拶くらいできるようになっても損はないかな、
悪あがきにもならないようなことだけれど、まあ何も知らないよりかはマシかな、と思っていた。

ただ今回の「The Naked King」をめぐる制作もいろんな切り口を作りたいね、と言うことで、
日本語の歌詞とは別に英語詞verも別に用意することにした。
今はその準備、すり合わせに勤しんでいるところ。

うおー、超難しい、と思いながら、
こっちはこっちでかっこいいところもあるな、
と思い、もしかしてこれは中国語とか、フランス語とか歌ったらどうなるのかな、とか思ったけど、マネージャーがそれは大変だよと止めてくれたところ(代わりにだれかやってくれてもええんやで)。

それではまた明日。

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本日の表紙は10._.1997さんの写真を使用させていただいております。

褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。