地域の顔 農でつながるおいしい飲食店
旅から見える地域の顔。
顔が語りかけてくれる暮らしと営み。
農と食をテーマに地域へ赴き、その土地の人の交流と暮らしから見えてくる、地域の姿をお送りします。
今回の地域紹介シリーズは、山形県村山市をクローズアップ。Vol.2は「オススメの飲食店」です。
山形県村山市は、東京駅から新幹線で約3.5時間、人口約2.1万人の穏やかな町。駅を降りるとほっと息をつけるような感じが印象的。
わたしが農業サポートをしていたとき、炎天下の作業後によく通っていた飲食店は、店主がユニークなお店ばかり。
その中でも、空気感がおもしろかったお店を紹介します。
オススメの飲食店
孤哲
1軒目は、ラーメン屋。名前のとおり、ひとりで入店しても不思議と安心できるところ。
なんでラーメン屋?と思うかもしれません。わたしもまさか居酒屋としておすすめするとは思ってもいませんでした。
ここは、一番搾りのグラスをこれでもかっていうくらいキンキンに凍った状態で用意していて、そこへ生ビールが注がれて出てきます。他の居酒屋にもある風景なんですが、キンキン具合が半端じゃありません。グラスを持つ手が、凍ってしまいそうになるくらいです。
一口含むと頭から「くー!」という声が思わず漏れてしまうくらい全身にビールが染み渡り、後からゆっくりと麦芽の香りが口の中に広がってきます。
そして、ビールを飲んだ後に、食べるラーメンがまた何とも言えない至福の時。店主のこだわりは、北海道直送の鮭節をつかったマイルドな塩味やコクを強く引き出したスープにあります。
メニューは、醤油・塩・味噌があり、平均価格帯は一杯700円。麺は、ちぢれ麺か細麺かを選べて、硬さも好みに合わせて作ってくれます。ちなみに、味噌は野菜たっぷりです。
赤ちょうちんたけちゃん
村山市の郷土料理も出してくれる家庭料理の居酒屋さん。家庭菜園で収穫したブロッコリーやインゲン、ナス、トマトなどを使って、女将さんが作ってくれる温かい料理が身体に染み込んできます。
地酒は六歌仙などの日本酒をベースに20種類ほど揃えていて、料理ごとにオススメをくれます。
時にお酒と料理にまつわる女将さんの武勇伝が食卓のスパイスになってくれているのが、このお店のチャームポイント。
初めての入店は、ゲストハウスのゲストを連れていった時。ゲストのお話を聞きながら、「あらその話はおもしろそうね。わたしもいっぱい付き合っちゃおうかしら」という気さくな感じで話を聞いてくれちゃう姿に、家族のような温かさを覚えました。
満月食堂
このお店を訪れたのは、農業サポートでお世話になっている農家さんからの紹介がきっかけ。
イチオシは酸辣湯面(スーラータンメン)。麺が全粒粉を取り入れて作られていて、季節ごとに旬菜を取り入れたメニュー。村山市の季節感や風土を感じられる一杯に仕上がっています。
このお店は、居酒屋として地域の方々のたまり場にもなっています。座敷からテーブルまで席数も多く、メニューも豊富。ゴボウの唐揚げや自家製餃子など、どのメニューを食べてもそんなにお腹に負担がかからないのが不思議でした。
居酒屋 ん
ここのお店も農家さんからの紹介。
料理は定番ものから郷土料理、イタリアンなど幅広いジャンルを揃えていて、価格帯も1人あたり3000円で満足できてしまうほどリーズナブル。
びっくりしたのは、おにぎり。1つ1合の大きさで出てくる特大サイズ。お腹に相談してオーダーすることをオススメします。
地元感満載のこの居酒屋。入ったらどんな出会いが待ってるのか期待して入ってみると、外国人が多い!
3人グループが3組。みんな英語で会話をしていて、店主は日本語でオーダーを取っていました。お互い笑い合いながら会話をしているのがとても印象的でした。
特に客引きしているわけではないのにどうして外国人との交流の場ができているのか、店主に聞いてみました。
「ゲストハウスのオーナーさんがよく来てくれて、ゲストをよく連れてきてくれる」と。ゲストハウスと地域の居酒屋が繋がることで、地域の居酒屋は地域の良さを伝える顔になっていました。
また、ここの店主は、ゲストが行きたいところに困っていたら、都合が合えば車で連れて行くホスピタリティの持ち主。家族のように迎えられちゃったら、行きたくなっちゃいます。
飲食店が地域の顔に
わたしが今回クローズアップしたお店は、ゲストハウスとの繋がりが強いお店ばかり。このゲストハウスのオーナーさんは農家さん。
農業を通して地域とつながっているお店は、お店の空気からも人からも温かいものを感じました。
ゲストハウスの紹介
記事でクローズアップしているゲストハウスは、YAMAGATA GuesT Houseです。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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