ミュージシャン vs AI?
近年、「AIの進化で○○年後になくなる職業」という記事がある。
創造性の高い音楽を含む芸術関連の仕事はどうなるんだろう?
(以下、あくまで個人的なNOエビデンス肌感覚の記事)
その前に、自分の「営業職」を考えてみよう。
よく「AIの影響で営業職はなくなる」という記事もあるのだが、
ほとんどの場合、それは営業職以外の人が言ってる場合が多いように思う。
恐らくその場合の「営業職」というのは「商品説明」をいうのだろう。
しかし、実際の営業職では「商品説明は20%」といわれる。
「営業」の割合とは(所説あり)
・まずは「千差万別」な顧客に信頼され(40%)
・顧客の「千差万別」の夢と「千差万別」な問題を引き出し(30%)
・顧客にあった適切な商品を提案し(20%)
・行動の背中押しを「そっと」する(10%)
この「千差万別」な部分をAIが賄えるなら、たしかに営業はいらない。
ただ、(現時点で)「空気を読めない」AIにどこまでできるのかは疑問。
もしできたらカウンセラーも不要になるかもしれない。
そのように、「単なる商品説明」の営業はAIがとってかわり、
お客様に「親身になれる」人間の営業はこれからも必要だと信じたい。
そう考えると、あらゆる分野において
「単純作業はAIが、人間ならではの部分は変わらず」
という、良く言われている結論になるだろう。
(学校の先生でいうと、単純な授業だけだったらAIでも”ある程度”
できるかもしれないが、いじめ問題解決などはやはり人間が必要)
では、これを音楽にあてはめるとどうなるか。
「音符を綺麗になぞるだけ」のミュージシャンはAIに代わるかもしれない。
とすると、より「人間ならでは」の要素を持ったアーティストが
重宝されることになる。
その「人間ならでは」とは何か。
個人的には「ずれ」だと思っている。
音程の微妙な「ずれ」
リズムの微妙な「ずれ」
機械では決して出せない、計算ではなく感性が生み出す「ずれ」
を上手く表現できるアーティストが重宝されるかもしれない。
(元々それこそがプロなのはこの際置いといて)
自分の中のイメージはこんな感じ。
どう、この「けだるさ」という「ずれ」
絶対AIが進化しても出せない歌い方である。
男性ではこんなイメージ
3:58辺りからのような彼のシャウトを聴くたびに
「絶対AIにはできないな」と思ってしまう。
(AIは「スティーヴンっぽく」歌うのはできるが、あのシャウトを
ゼロから「生み出す」という、ゼロ→1が苦手とされる)
AIがどれだけ進化しても「愛情」を持つのは困難。
アンガスほどにロックに対する愛情がAIに持てるとは思わない。
そういえば、昔YMOドラムの高橋幸宏さんが名ドラマーたる理由で
「微妙にテンポをずらし、人間味を出している」と聞いた事がある。
シンセ、打ち込みのテクノと人間味の調和を出していたのだろう。
でも、
「その「ずれ」って一握りの天才が持つのでは?」
「そんな天才でもない自分はどうすれば?」
と、思うミュージシャンもいるかもしれない。
安心してほしい。
バンドメンバーとは決して技術だけではないはずだ。
「技術以上に、めっちゃ性格のいいメンバー」
であれば、むしろ重宝されるだろう。
メンバーとメンバーの仲を取り持つ存在はAIには困難。
ジョン・ディーコン(Queenベース)
(あくまで勝手な「絶対性格良い」イメージです笑)
実際にバンドをやってみて「音楽よりも人間関係が難しい」と思っている
人も多いのではないだろうか。(他の仕事も同じです苦笑)
仮に自分がバンドをやるとしたら「音楽の才能」よりも自分のわがままを
受け入れてくれる「温和な人間性」を選ぶと思います笑
いくらAIが進化したところで、居酒屋に打ち上げ行っても楽しくないよ。
やはり人間のバンドメンバーというのは重要。
一方、AIによって「人間関係が難しいバンドを組まなくてもいい」
という流れが加速するかもしれない。
いわゆる「一人プロジェクト」がもっと増えるような気がする。
これは性格的に尖った人間が多いミュージシャンには嬉しいかも。
近年でいうとグライムスとか。
この人も才能は最高にあるけど、多分バンドというチームプレイは
人間的に難しいと思う(各エピソードからの勝手な推測)
元々自宅の部屋で一人打ち込みから作って認められた人なので
こういうアーティストはAIが好みの演奏してくれたらより高度な楽曲
を作り出せる可能性がある。
という感じに、
何事もAIと敵対するのではなく、あくまで利用すれいいだけ。
高橋幸宏さんがドラムマシーンに「対抗」しなかったように。
YMOがドラムマシーンを「使った」ように。
ミュージシャン VS AI
ではなく、
ミュージシャン with AI
な時代になるんだろうな。
なのでタイトルに「?」をつけました。
人間の「脳」を信じたいな。