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80'sカセットテープ・ライフ【ラジカセ編】

近年、何かと話題になる「カセットテープ」の個人的な思い出です。
今回は「ラジカセ編」。


このシリーズの過去記事はこちら。

80'sカセットテープ・ライフ【種類編】
80'sカセットテープ・ライフ【CM編】


恐らくこの記事を読んでいる人は同世代の人が中心かな?
当時、カセット・テープは何で聴いてましたか?
自分が聴いていたのはこんな機材でした。


最初はこれ。
親が持っていたナショナル(現パナソニック)のラジカセRQ-448です。
おそらく小学生くらいまで使ったかな?

ナショナルラジカセ01

当時はテレビで流れていた歌謡曲を録音するのが中心でした。
しかし、テレビとラジカセをつなげるコード(ライン録音)がよくわからなかったので、本体右側にある内臓マイクを使用。

こちら、スパイのトランシーバーのように取り外しが可能。
時代を考えればスーパー・ハイパーでサイバーなテクノロジーです。

ナショナルラジカセ02

で、その内蔵マイクをテレビのスピーカーに近づけて録音するのですが、
一番のネックは「親の声が入ること」でした。
(同世代はここでうなずく)

主に歌番組は夜の時間帯だったので、母親の
「ごはんできたよー」
「お風呂わいたよー」
が二大定番フレーズだったのではないでしょうか。

そのフレーズが入った時の挫折感。。
しかも歌番組は週一回に加え、そのアーティストがまた出る保証もない昭和ならではのワン・チャンスなのでそりゃ怒りも沸きます。

「今、ゴダイゴ録音してるんだって!」←これも録音されている(涙
「知らないわよ、そんなこと」

よし、わかった。
対策を練ろうじゃないか。

「お母さん、この後ラジカセで録音するからさ、喋らないでね」
よし、これで安心。

そして、録音開始。

「ごはんよー」
「だから、喋らないでって言ったよね???」
「知らないわよ、そんなこと」

切なすぎる。
恐らく、日本中でこんな会話が繰り広げられたことでしょう。


母親の声が入った時は、聴けないよりもマシだけど、
ゴダイゴ フューチュアリング お母さん」状態になってしまい
唇をかみしめ、握りこぶしを作るしか当時の僕には術がありませんでした。

しかし、その後は音声ケーブルで録音するというテクノロジーを使用。
無事、「母親の声」という難題を解決できた瞬間。

それから次々と歌番組をカセットに録り貯めました。
母親の声が一切入らない楽曲たちが増えていきます。

その後はテープを複製する「ダビング」も可能になり、音楽ライフは充実していきます。 
そして現在ではサブスクで6000万曲以上がクリックで聴けます。

便利になるのは良いのですが、
一方であの「母親の声が入らずに録音できた1曲」の感動を超えることはできないのかもしれない、とも思います。

1曲を手に入れるのに、苦労したからこそ本気で聴いていたね。

苦労は、後に楽しい話になる。
(居酒屋で中年が「楽しそうに」話すのはたいてい苦労話)






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