マガジンのカバー画像

それぞれの思いが複雑に相互作用し世界を変えていく、戦闘叙事詩

33
『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、…
運営しているクリエイター

#Kindle_Unlimited

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 27

シモツマには昔の戦争で、おジィが狙撃兵をして、イギリスの兵隊を何人も殺したということを聞…

新田将貴
3年前
6

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 26

自衛隊が実質的な軍隊に変質する法案が通る数年前に、イラクの非戦闘地域に自衛隊が派遣された…

新田将貴
3年前
3

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 24

「閲覧したと思うけど、バスケ関係のことがほとんどだけどね。NBAに入りたいから、どうやっ…

新田将貴
3年前
6

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 23

が黙っていると、シモツマが、ハンドルネームらしいアルファベットの羅列を書きつけたメモをく…

新田将貴
3年前
4

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 22

巡回の講師の目を掻い潜りながら、速読したが「ガッカリだよ」、という一言で集約できる感想だ…

新田将貴
3年前
2

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 08

「食いたかった」日野上等兵がしみじみと漏らす。補給が叶わないがことが分っていたインパール…

新田将貴
3年前
6

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 07

「三十三師団の至宝、戦車止めの松下曹長を間近で見られ、感激しております」日野上等兵が声を潜めて、緊張した面持ちでわたしに向かっていった。次々に小隊が瓦解して、急増で隊を拵えているために、日野上等兵と言葉を交わすのは初めてだ。 至宝とは、いささか大仰で、又聞きする程度ではよかったが、面と向かってそういわれると、右手の人差し指に妙な力が入りそうになった。ビルマで英国のM3戦車隊の進行を、九九式小銃の連射狙撃で止めてみせた。それ以来、神技だの至宝だのと呼ばれるようになった。 「

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 06

日野上等兵の肩を揺すったが、身体からは温かみが消えていた。アカシアの木にもたれたその姿勢…

新田将貴
3年前
5

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 05

「おジィ。僕は西脇みたいな人間があんま好きじゃねーんだ。それで、ああいう人間に命令されて…

新田将貴
3年前
5

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 04

おジィとの将棋を終えてひと段落していると、玄関のインターホンが鳴った。おジィが出た。最初…

新田将貴
3年前
8

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 03

「何歌ってんのかさっぱり分んねーな。こんな音楽じゃ英語のヒアリングの勉強にもならんだろう…

新田将貴
3年前
5

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 02

野球部を引退して、少し燃え尽きたのかもしれない。十キロも二十キロも走らされたり、今どき古…

新田将貴
3年前
1

プロローグ 04

しばらくして、金属が擦れ合う音がした後、広がる橙の空を背景にして、木製の銃床に黒い染みが…

新田将貴
3年前
2

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 01

おジィが変な鼻唄を口ずさみ始めた。息を鼻から抜きながら、独特の節回しで唄う。ジョーズが近づいて来るあの曲より、怖い。 「桂馬成りで、詰みじゃ」僕の玉は盤上できゅうきゅうになり、行き場を失ってまたしても短時間で詰まれてしまった。おジィはコントローラーをテレビの前に置いて、カウチに座り直し、茶をすすりながらいう。 「銀をさらっと捨てたのがわしの勝因じゃ。目先の駒にこだわって小さい将棋をしとるから、大局を見逃すんじゃ。次はいかに持ち駒を捨てるか、ちゅーことを考えて臨め」なんだか