番外小説 龍馬暗殺(完結)
(2023年10月22日から11月15日、インスタグラムで連載しました。)
壱 龍馬モノローグ
慶応三年十一月。早朝。京。
木屋町三条、酢屋の店先に、大男が現れる。
くたびれた着物。桔梗紋。革靴。
大きく伸びをして、通りを眺めわたし、肩をゆすって歩き出す。
坂本龍馬である。
大政奉還は先月の十四日。もう、半月前になる。
大政奉還への道筋を、表に後藤象二郎を使いつつあるときは黒幕的に、またあるときは永井尚宗等幕臣らへの説得役として前面にでて推し進めたのは龍馬であった。
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