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夏の甲子園中止・・・

今日はさすがにめちゃめちゃショックなニュースが入ってきました。

夏の甲子園中止を決定 春夏連続は史上初めて 地方大会も
出典:スポニチアネックス


ただただ、残念でなりません。小さな頃から野球少年だった僕にとって甲子園は一生涯特別な大会です。毎年毎年、選手たちだけでなく、応援団や見守るファンの方々にも大きな感動をもらっています。

そんな甲子園も、新型コロナウイルスには勝てませんでした。

今回の決定に関して、当然ですが色々な意見が上がりました。
いくつかのカテゴリ分けをすると、いわゆる世間的には7割程度の方が妥当だと感じているようです。
これは、先日発表のあった高校総体の中止を差し置いて高校野球だけ特別扱いするのか?という意見もかなり含まれていると思います。

さらに言うと、この決定及び春の甲子園での決断が遅いと言われた世論の影響を受けて高野連はこのタイミングでの決定を出したのだと思われます。

次に自粛を最低限度にして、経済活動や日常生活をなるべく普通に送りたいという方々(堀江貴文さんなど)は、なぜ中止にするんだ?という意見です。この両者が反対意見になることは想定済みなところもあるので特にこれ以上は何もありません(笑)

では、肝心?の野球関係者はどうでしょう?ここで野球関係者がどう思っているのかっていうのが結構興味深いし、実際僕自身もこの意見に近いです。

それは、「もう少し判断を待ってみないか?」です。

もちろん、野球関係者でも個人によって色んな考えをお持ちの方がいらっしゃるのですが、僕の印象としては6月くらいまではちょっと様子みないか?とか、春決まってた高校だけでも甲子園でできないか?など、中止という決断をしたくないというのが野球関係者の多くの意見だと感じています。

で、影響力のある方たちですからあまり大っぴらに言えないのかもしれませんし、僕が極端なのかもしれませんが、めちゃめちゃ本音を言うと、

「高校総体が中止で甲子園は開催でもいいから、甲子園はやってほしい」

って思ってしまいます。

これは非常にリスクのある考え方なのかもしれませんが正直にそう思います。
高校野球だけ特別扱いするのか!他にも諦めた子供たちがたくさんいるんだぞ!という意見はその通りだと思います。

でも、僕らにとっては違うんです。
確かに、同じ高校生たちの一番大きな多くの部にとって最後の大会です。
では、知名度・集客・影響力・話題性。

高校総体と甲子園大会って、本当に同じですか?もっと言うと、高校総体の1競技と高校野球が持つ影響力、エネルギーは果たして同じですか?
僕は明らかに違うと思います。

決して、高校野球が偉いんだとか、競技として優れているとかそんなことを言うつもりはこれっぽっちもなくって、これまでたくさんの先人たちが紡いできた歴史の中で、今の日本という国において、高校野球というのは明らかに異質の発展を遂げてきました。

その上に今の高校野球があって、夏の風物詩としてずっと定着しているし、野球を始めた少年たちはまず、99,99%甲子園を夢見るのです。

すべての球児にとって甲子園はずっと描いてきた”夢”そのものなんです。

国営放送で朝から夕方まで生中継されて、人気試合では15%なんて視聴率を取ったり、会場(球場)に5万人の観客が動員される学生のアマチュアスポーツ大会など、世界のどこを探してもないわけです。それくらい甲子園は特別なんです。

そのことに対して、野球をやってきた人はやっぱり”誇り”を持っているんです。

何度も言いますが、高校野球はすごいんだぞ!とかいうのが目的ではないんです。野球関係者にとって、これ以上ない神聖な大会であり、誇りであるからこそ、一般論からはズレてしまうよってことです。

今、お客さんがいなくて苦しんでいる飲食店の方々は、経済が回らないとダメだ!って思うし、スーパーなどで逆に忙しくなってしまった人は、感染が恐くて働きたくない!って思うし、元々リモートワークのような人は、そんなの準備してなかったからでしょ?って思ってしまう。人の意見はそうやって環境が作っているものだということなんです。

つまり、あなたの周りにいる野球関係者の方が、”甲子園中止はマジないわー”って言ってても、野球人のこの環境を思い出してほしいんです。野球人にとって、甲子園がないっていうのは言葉では言い表せないくらいショックな出来事なんです。

極端な話ですが、少年時代の思い出ごと奪われたような喪失感すらあるわけです。

もちろん、現役の選手に比べたら大したことはないですが、OBですらかなり心にダメージを感じるのです。どうか、野球をやっていた人が甲子園開催してほしい!と言っていて、それがあなたの意見と違っても、ケンカしないで欲しいです。

これは野球という競技が持つ、文化であり、その環境で育った人たちにしかきっとわからない感覚だからです。

そして、現役の選手たちは、本当に想像がつかないくらいにツラいことです。はっきり言って想像すらつきません。これに対して前向きな言葉を送れたらなって思っていたのですが、正直見つかりません。今年1年甲子園に誰も出られない。目標を目指す事すらできないそのツラさを解消してあげられるような言葉は、この世にまだないのだと思います。

今の経験や練習は決して無駄にならないし、将来の役に立つよ!って言葉も、正しいんですけど、 僕がこれを言われても正直気持ちは一切晴れないし、そんなキレイ事やめてって言いたくなってしまうかもしれない。

甲子園という場所は、光が強い分視野を狭くするんです。先を見えなくする。
球児の中には甲子園を目指してただただ一本道を歩き、その先のことは考えてない!って子だってたくさんいると思います。だって、甲子園に出たら一生自慢できるじゃないですか?それくらいかける価値があるものなんです。

ブログでは絶対にポジティブな記事を書こうって決めているのですが、さすがにこの話題に関してはどうしても、ポジティブな記事にするのは難しいです。

今は、可能な限り球児たちの周りにいる人達があの手この手で支えて欲しいなって思います。
きっと一生甲子園がなかった世代ということは心に残り続けます。でも、その時に周りの人がどんな支え方をしてくれたかできっとのちに笑い話にできるのかそれとも、野球のこと、社会のこと、努力が嫌いになってしまうのかが決まると思うんです。

想像もつかない状況でこれまで誰も経験したことがないツラさを味わっている球児やその関係者の方、今は思いっきり甘えて欲しいし、今は思いっきり甘やかせてあげて欲しい。

なんにもできないけど、それでも彼らが野球を・スポーツを・努力を・社会を好きでいてくれるようにみんなで支えていってあげたいなって思いました。

彼らには未来がある。それは紛れもない事実です。絶対に彼らの心の灯だけは消さないようにしてあげたいです。


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