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蜜を避けて、利益も上げなきゃスポーツエンタメが終わってしまう

スポーツ再開へ、ガイドラインも 求められるコロナ感染防止対策

出典:共同通信

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が39の県で解除されたことにより

次の段階としては様々な日常生活の再開へと動いていきます。もちろん、

スポーツも例外ではなく、感染防止に最大限努めた中で少しずつ再開して

行くことになります。そんな中、日本スポーツ協会がこのほどイベント開催

におけるガイドラインを設定しました。


これによると、大規模イベントは開催自体が難しい。比較的小規模(最大でも

50名以下)のイベントで、3密を避け、消毒やマスク着用などの対策が取れる場合に開催の可能性も考えられるというようなイメージです。

すると、アマチュアの小さな大会レベルであれば結構開催できる例もそれなりにありそうです。ただし、県越えの移動が推奨されていないので、全国規模などの大会はいずれにしても難しく、それぞれの地方までの大会となることが想定されます。

大きな大会というよりは地方で小さなイベントが乱立するようなイメージも考えられるのではないでしょうか?いずれにしても小さくなるほど感染防止対策がどこまで取れるかという課題は出てきますのでそのあたりも検討の必要があると思います。

では、プロの興行はどうでしょうか?競技によってものすごい差があると思います。

室内競技で換気可能なものに関しては実現も出来そうな気がしますが、プレーをする選手が汗をかき、顔をぬぐうこともある中で、皆で同じボールを使って行う競技などとなると、判断によっては難しいといわれてしまうかもしれません。
また、換気ができない室内競技、例えば卓球やバドミントンなどは相当試合のコート数が絞られるかもしれません。

また広い会場で行う競技については50人以下という一律の決まりでは難しい気がします。野球・サッカー・ラグビーなどの団体競技においてはそもそも動いているチームという単位でスタッフも合わせればゆうに50名くらいの人間が帯同しているものです。もちろんそのチームが一斉にバス移動して、というのは現実的でないですが、だからといってあれだけ広い会場ですからそれなりの人数でもソーシャルディスタンスは確保できるわけです。

観客席に関しても、入退場時間をずらしたりしながら密集を避けて、車で来れる観客限定にすれば5~10席に1席くらいは観客がいてもいい気がします。その分、非常にゆったりと観戦することができるわけですし、その分付加価値があればプレミア感は増すんじゃないかな?って思います。

スポーツ観戦自体も需要が減ったわけでは決してないですし、野球でいうと観客動員の利益の多くは、バックネット裏のシーズンシートが賄っているといわれます。
ショーエンタメはフリーミアムではないですがそれに近いビジネスモデルですので最初から高単価の一部の人達が利益を支えている仕組みなわけです。

そうすると、例えば3万人入るスタジアムに1000人しか入れないとしたら、全員に高単価かつプレミアム待遇ができるのではないでしょうか。
受け渡しなどの方法は工夫が必要ですが、食べ飲み放題で高級品が食べたり飲んだりできたり、限定グッズプレゼント、選手たちからの限定メッセージが受け取れるなど、超高単価でも見に来てくれるファンクラブ限定しか買えないチケットなどで喜んでくれるサービスを提供することで、立派なプレミアムチケットにすることもできるわけです。

はっきり言ってどんなことをやっても文句を言う人は現れます。しかし、そういう人は何も責任を負ってくれることはありません。日常生活ですらリスクゼロにすることはできないわけですからリスクゼロというのはあり得ない中でどこまで減らしたうえで利益も確保できるかという所です。

移動のリスク・入退場のリスク・会場でのリスクの3点を対策したうえで”超高単価”プレミアムチケットで利益確保。
これがコロナ禍で考えられる大規模スタジアム競技の生き残り策ではないでしょうか?

月額500円払う人を10万人集めても5000万円です。でも極端な話、5万円払ってでもプレミアム待遇で見たい人を1000人集められれば5000万円なわけですよね。

例えばサッカースタジアムや野球場の場合、1000人の観客というとガラッガラです。少なくとも密集は防げる環境が作れます。今スーパーに買い物に行くよりも密集しないでしょう。

ビジネスモデルの違いといえばそれまでなのかもしれませんが、日本はこのプレミアム戦略が苦手な面があると思います。海外でいえばボクシングの最前列では数千万のチケット代で観戦するファンもいるし、最近なにかと叩かれている堀江貴文さんが開催していたホリエモン万博では完全にチケットをランク付けしていて、5万円、10万円30万円、100万円、200万円、500万円というような高単価チケットがバンバンあり、面白いことに高単価のものから結構売れていくんですよね。

それでも少なくとも数百人規模にはなってしまうでしょうから、相当の反発もあるし、世論も相当ネガティブに動くかもしれません。でも、無観客でもし再開したとして、これから丸々1シーズン以上生き残れるチームがどれだけあるでしょうか?

無観客での収益は動画配信サービスの課金くらいしかないと考えるとはっきり言ってないに等しいどころかめちゃめちゃマイナスだと思います。
マイナスというのはどういう意味かというと、試合をやればやるほど赤字が増えていく。試合をやらなくても赤字が増えていくという状況です。

今後の展開として、一気に解除という道筋はありえなくて、段階的に少しずつ解除、また制限という繰り返しも想定されています。そんな状況下で無観客で損を出し続けるのは=破綻です。少ない観客でも利益を確保できるモデルを作れなければ経営破綻するチームが後を絶たなくなってしまいます。

飛行機のファーストクラス、ホテルのスイートルーム、3つ星レストランのような価値をいかに現場に見つけ、価値提供するか?

そして、反発がある世論をどういう感染防止対策で納得させるか、そのあたりが肝な気がします。

プレミアム席なら行ってみたいし、なんなら子供たちがいる家族に送れたりしたらいいですよね。家族と離れた席でみるのは子供たちにとって不安かもしれないですが、すごく特別な体験になると思います。

スポーツ好きな方々はどう思ってらっしゃるのかなぁ。

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