歴史に残るビッグネームになれるか?

井上尚弥戦へ準備着々 カシメロ陣営に敏腕トレーナー合流「実施へ向けて前に進む」
出典:THE ANSWER

アスリートには「平均寿命」がある。つまり、アスリートとして活躍できる年数は競技によって全然違うのです。

例えば、ゴルフは60歳を超えても出来る生涯スポーツ、その他スポーツにも競技ごとに平均寿命があります。野球は35~40歳、サッカーはもう少し若くて30~35歳までにはおよそ全盛期は過ぎてしまう。
他にもスプリント競技や競泳、フィギュアスケートなど、若くして全盛期を迎え、引退を迎える競技などもたくさんあるわけです。

学生スポーツの中止が彼らの生涯に影響を与えてしまうように、プロのアスリートにとっても競技人生が短い競技であればあるほど、試合が止まってしまうこの時期が競技人生に与える影響は大きいわけです。

特にボクシングのような年に数試合しかできない競技ではたったの1か月というストップ期間でもマッチメイクが数カ月遅れてしまうことだってあるし、試合自体が流れてしまうこともあるのです。

日本のボクシング界でいうと、井上尚弥選手は正直他の選手とレベルの違うところでの戦いをしています。

ボクシングでは、世界に通用するスターは日本からもたくさん出ていますが、世界から見ても何本かの指に入るような、または後世まで語り継がれるようなビッグネームのスーパースターは残念ながら出ていません(ファイティング原田さんくらい?)。

井上尚弥選手は日本人で初めて、世界のビッグネームになる道を歩み始めているのです。
時間に優劣をつけるわけではないですが、井上選手の一日一日は特別貴重なんです。しかも世界のビッグネームになるためにはアメリカで試合をしないといけない。より慎重な日程になることも想定されます。

自粛やロックダウンが伸びてしまうことで彼の貴重な全盛期の期間がどんどん削られてしまいます。

彼がこのままのペースで試合を続けていってくれれば、世界に名だたる歴史に残るスーパーボクサーとなることは間違いないと思っています。

しかし、ボクシングの世界とは不思議なもので実力があっても運やライバルに恵まれず世界のビッグネームになれなかった選手もたくさんいるわけです。
トップ中のトップになるには、圧倒的な実力と、世間の流れも含めた”運”の力が不可欠なわけです。

ドネア選手という高くて厚い壁を破った井上選手が次に当たった壁はまさかのウイルスパンデミックです。この記事でいうと7月末頃の試合を日程調整しているとのこと。
この日程で開催できたとしてもすでに約2カ月間遅れている事になります。

1つの出来事がきっかけですっかり変わってしまったボクサーもこれまでにたくさんいました。
短い全盛期にいいマッチメイクができず、実力はあるのに名を上げられなかったボクサーもいました。

井上選手が順調に世界のビッグネームになる道を歩めるのか否かはコロナウイルスの今後の動向が非常に大きく影響していると言えます。

もし仮に、7月に試合が開催できるとするならば、年末にももう1試合できる日程になります。この場合やや遅れはしたものの、影響は最小化できたといえるレベルだと思います。

逆にこのタイミングで出来ない、つまり今年は1試合しかできない、あるいは1試合も出来ないとなってしまうと井上選手のキャリアにとってマイナスです。

世界的ビッグネームになるには、とにかく派手に、たくさん、強い相手に勝つことが求められます。まだまだ若い井上選手ですがスピードの全盛期を考えるとあと2~3年の間にはさらなるビッグマッチを闘うことが世界のスターになる条件です。

コンスタントに強い敵を倒し続け、さらにどんどん強い相手を探し求めていくいばらの道です。

そして実は、世界のビッグネームになるための外的要因はまだあって、ライバルの存在も欠かせないのです。めちゃくちゃ強い敵がいるからこそ、その敵を倒す事で絶対的にも強い!と証明し続けられる。

ベジータがいるから悟空はより強く見えるのです。

同じ時代に同格以上のライバルがいて初めて、歴史に残る選手の仲間入りができる。

今のバンタム級では、井上選手以上のビッグネームはいません。

彼の実力やカリスマ性、闘い方や人間性は世界のビッグネームのそれです。しかし、今回の新型コロナウイルスや、同格以上の強いライバルの存在という外的要因がむしろ、彼がビッグネームになれるかには大きく影響しています。

今回の敵も当然強いですが、下馬評でも井上選手が有利な状況。
ここでインパクトを残すには圧倒的な勝ち方が求められます。

逆に言うとロックダウンでストレスのたまったアメリカの人達に圧倒的な勝ち方を見せれば、一気に人気が爆発するでしょう。
井上選手自身もそれを狙っていると思います。

当然ですが僕は井上選手が世界のビッグネームになって、パッキャオクラスの存在になってくれると信じています。

そのためにはコロナ明けの試合がなるべく早いタイミングで開催される必要があるし、その後も試合を組んでいきたいところ。

日本が誇る世界のトップボクサー井上尚弥選手は、コロナになんか負けないし、運も味方に付けてくれると信じています!

早く試合が決まってほしい!


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