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嫌われる勇気ってこういうことじゃない?


「私はラグビーに憑りつかれていた」 名将エディー氏が過去の指導を猛省するワケ
出典:THE ANSWER
ラグビーのエディー・ジョーンズ氏の記事。ラグビーの専門家ではない僕らにとっては
日本代表は急に強くなったという印象でした。
そして、その立役者こそがこのエディー・ジョーンズコーチ、というイメージでした。

前々回のワールドカップでしたかね?確か初勝利を収め、決勝トーナメント進出目前
まで行ったラグビー日本代表、当然その前から日本でのワールドカップ開催は決まっていた
でしょうから、強化自体はずっと計画的に行われていたのでしょうが、この大会あたりから
明らかに日本代表が世界で戦えるのでは?という期待感が高まってきていました。

NHKかなにかのドキュメントで見た記憶があるんですが、当時のヘッドコーチだった
エディー・ジョーンズ氏は、代表選手に対し、一昔前の高校野球のような
強烈な練習を課し、徹底的な管理体制を敷いていたのは記憶にあります。
僕自身、高校野球経験者なので練習メニューを見てそのしんどさはめちゃめちゃ理解
できるのですが、はっきり言って”異常”な練習量でした。
僕自身は高校生の頃で、目的意識や課題意識もしっかり持っていなかったダメ選手
だったので、当時の練習はただただツラいだけに感じていましたが、そのつらさを
しっかり力にできる選手たちはほんとにすごいなと思ったのを覚えています。

例えば、スポーツの日本代表というのは普段のチームとは違うわけです。ラグビーの
トップリーグなどに各人の所属チームがあり、普段はそれぞれ敵なわけです。
しかも、サッカーなどが一番イメージが付きやすいと思いますが、今回選ばれたから
といって、大会本番に選ばれるとは限らないわけです。かつてサッカーの岡田監督が
キングカズや北澤選手を外した時のように、予選と本番では選手が違うということも
当然あるわけです。

そして何より、国際試合では基本選手はほとんど儲かりません。所属チームからの
年俸やグッズの収入などが選手の基本的な稼ぎであり、基本的にどの競技でも
国際大会っていうのは普段のギャラと比べるとビックリするくらい少ないものなんです。
なので原則としては国際大会でケガをされては所属チームが困るから選手を出し渋る、
無理のない範囲でしかプレーさせない、といったことも結構あるし、それであっても仕方
ないような競技もあります。選手たちにとって、国際大会というのは、国の誇りの
ため、あるいは競技の繁栄のためという非常に気高い思いだけで成り立っているんです。

そのような事情ですし、代表に選ばれるような選手たちですから一般的に代表選手
が集まってからやることは、”チームの組織作り”なんです。チームの中での人間関係や
役割、フォーメーションなどなど、個性の強いトップ選手たち同士がかえってマイナスな
作用をし合わないようにチーム化していくことが必要です。どんなに個の能力が高くても
チーム力がなければ試合では勝てません。つまり一般的に言うと、国際大会の代表と
いうのは①チーム作り。と、その後で②それぞれのコンディションの調整。この2つが
試合までにやることなんです。しかし、エディー・ジョーンズコーチが率いるラグビー
日本代表だけはそうではなかった。

オーバーワークに近いような練習量をすべてのトップ選手に課し、選手がそれに答えた。
もちろん、日本ラグビーの発展という純粋な思いの実現だけのために。僕らが高校時代
に経験した”やらされる練習”とはわけが違います。例え、上から課されている練習
であってもプロの選手たちが同じ目的を持ち全員が全力で進んだら、そりゃチーム作り
なんかするより強くなるよなって思いました。要は、代表選手たちに”もっとうまくなれ”
”もっと強くなれ”ということをあそこまで徹底的にやられていた姿に、感動を覚えました。

しかし、そんなエディー・ジョーンズコーチが、当時のやり方を間違えていたと語った
そうなんです。つまり、すべてのスタッフに自分と同じ温度や態度を求めたと。それは
間違いで、いろいろな役割や個性があることを理解していなかったという旨の反省を
述べたということなんです。

これを聞いて、心から感心したのと同時に、日本にとっては感謝しかないよ。っていう
思いが湧いてきました。まず、自国と別の国際チームのコーチを務めるということすら
僕にはイメージもつかないですが、国際的な評価も高く超一流の世界的指導者である
ことは間違いないわけです。なのにそんな彼がメディアの前で堂々と自身の過去を
顧み、間違いだったと述べる、普通はできません。しかも、日本では少なくとも彼が
きた事によって強くなったわけです。結果を出しているにもかかわらず、メディアの
前で間違えていた。そんなことを語れるエディー・ジョーンズコーチは、本当に
超がつく一流だと感じたし、まだまだコーチとして成長され続けていくんだという
その向上心を心から尊敬しました。

そしてもう一つ、日本からするとそのやり方でよかったと思います。心からありがとう!
って言いたいです。実際もちろん練習やその場を経験もしてないのにこんなことを
いうのはどうかとも思いますが、現実として明らかにエディー・ジョーンズコーチの
招聘から、今の日本代表ラグビーの歴史は明らかにそのストーリーを進めました。
それは、厳しい練習もあったし、管理体制もあったと思うんですが、何と言っても
”空気”だと思うんです。
例えば、陸上の世界で9秒台が日本でずっと出なかったのに一人出た途端に
追いかけるように2選手が9秒台を出しました。身体のサイズが違うから、身体能力
が違うから、歴史が浅いから、競技人口が少ないから、負ける理由はいくらでも
作れるんです。その、”負けて当然”という空気感そのものがスポーツの世界では
何より大きな足かせとなって選手のパフォーマンスを無意識に落としてしまいます。
それを補うのは”根拠のない自信”しかないんですよね。勝てるに決まってる、
俺たちはできる、そんなことを全員が心から思っているチームは例外なくめちゃめちゃ
強いし、今は力がなくてもいずれ絶対に強くなるんです。そして、その”根拠のない自信”
を付ける最も近道は”尋常じゃない努力”です。よく言う「あれだけやったんだから大丈夫」
っていう言葉を出せるくらいの泥臭い努力って本当に大事だし、どんなに華やかな
場面においてもそんな経験こそが自分を支えてくれる。そういうものなんです。その
”根拠のない自信”を日本代表というチームにもたらせてくれ、空気を変えてくれた
功労者は間違いなくエディー・ジョーンズコーチです。負けている集団にミーティング
をいくらやってもスポーツの世界では空中分解が広がるだけです。身体で表現する
アスリートたちには、身体で表現してもらうのが一番なんですよね。
それをスタッフや他のコーチに求めることだって、意識改革の段階では必要なんだと
思うし、選手にだけ厳しいトップは正直慕われません。

そういう意味でもエディー・ジョーンズコーチが日本代表に残してくれた財産は計り
知れないくらいに大きなものがあると思います。いずれエディコーチが指導する
チームと、日本代表がワールドカップの決勝で対決!なんて未来が来たら
めちゃめちゃ興奮しますよね!彼が残してくれた財産を、日本ラグビーという
歴史の中でどんどん磨きながら、より強いチームになっていってほしいなって
思いました。

是非記事を読んでみてください!最後の彼の言葉に大共感です!!


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