渋谷優史

シブヤマサシ。 東京出身。脚本家。たまに写真も撮ったり。

渋谷優史

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マガジン

  • とある脚本家の日記

    日々の日記とエンタメについてや人生観なんかを書きます。

  • 戯言やコラム

    思ったことや感じたことを殴り書き。

  • エンタメ考察

    エンタメについて色んな角度から考えたことを。

最近の記事

無料配信がエンタメ界にもたらしたこと

コロナの影響で、エンタメ業界ではにわかに「無観客開催で動画配信」が続出してます 今でこそテクノロジーの進化のおかげ動画配信ができるようになってますが、これがほんの数年前なら動画配信などできなかったことなので、それこそコロナの流行が数年前だったら本当にエンタメ業界は死んでいたと思います。 さらに、今日から劇場や映画館、ライブハウスが次々と封鎖されて多くの公演やライブなんかが中止になってます。 僕たちはもう完全に物理的に劇場や映画館、ライブハウスに足を運ぶことができなくなり

    • 生きてきた時代の違いが世代間での価値観の違いを生む

      最近は家でひとりでいる時間が圧倒的に多くなったので、椅子に座ってボーッと天井を眺めながら色々と考える時間が増えました。 (ただボーッとするだけでなにも考えてない時間も三割ぐらいある) 「戦争は無くすための具体的なシステムってなんだろう」っていうグローバルなことから「焼き鳥はやっぱ塩だな。その方が大人っぽく見えるし」っていう誰も得しないことまで様々。 その中で「価値観の違い」についてわりと本気で考えてみました。 漫画『ワンピース』の頂上決戦で七武海のドフラミンゴが価値観に

      • エンタメは次の時代に入ったのか

        次々と延期や中止が決まっていくエンタメ界。 経済損失はこの先のも含めどんなに少なく見積もっても2,000億円はいく。 (額がデカすぎてまったく想像つかない…) 当然、倒産するイベント会社は山ほど出てくるだろうし、潰れる劇団や団体やバンドなんかも出てくるだろう。本当に心苦しいことだ。 「早く元通りになりますように」 この言葉はもう最近いろんなとこから聞こえてくる。お客様からもそうだし、或いは作り手側の人間が発することもある。 この"元通り"という言葉。ちょっとやっかいか

        • 【映画】「コンテイジョン」から学ぶいまの世界のできごと

          2ヶ月ぐらい前から巷で注目を浴びている映画『コンテイジョン』をようやく観ました。 コンテイジョンは和訳すると「感染」 この映画は「殺傷能力の高い新型ウイルスがあっという間に世界に広まって世界規模のパンデミックを引き起こす」というもの。まさにいま、世界で起きてることと同じです。 内容は非常にリアルに作られていて、正直めちゃくちゃ怖かったです。 だって映画の途中まで本当に全部現実で起きてるんだもん。 学校封鎖、買い占め、暴動、外出自粛などなど。まるでドキュメンタリーを観て

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        記事

          「お金」の勉強をしなければいけない理由

          お金には「稼ぎ方」と「使い方」がありますが、ここでは「使い方」について考えていきます。 よく言われてるのが「お金は上手に稼ぐよりも、上手に使う方が難しい」ということ。 ちなみに、この時点で「うわ、お金のことかよ……」とか思っちゃってないですか?たぶん思ってる人は結構いると思います。 でも、そう思ってたとしてもそれは仕方のないことです。 だってこの国はそう思わせるようにできてるんですから。 学校教育でお金の授業が1秒もないせいなのか、日本は先進国の中でもぶっちぎりでマネーリ

          「お金」の勉強をしなければいけない理由

          「意味のないモノ」に価値が生まれてくる

          たぶんこうなるのかなあっていう仮説的なお話なので、確証はゼロです。 ひと昔前まで「機能」に価値があったものが、いまの時代においては「意味」に価値が見出されるようになりました。 車の燃費や性能といった「機能」をメインに売ろうとするのではなく、この車を買うことで得られる「意味」(家族との思い出など)を売ろうとするCMが増えてます。 ユニバとかディズニーのクリスマスのCMなんかもそうです。 「こんなに凄いクリスマスツリー(機能)がありますよ!」ってCMだったのが「幼い娘が成長

          「意味のないモノ」に価値が生まれてくる

          脚本家は、句読点や語尾をちゃんと計算して書いている。

          脚本家は句読点や語尾まで計算して書いています。(全員が全員そういう訳ではないですが) 役者さんでたまに語尾を勝手に変えてる人がいますが、あれはあまりオススメしません。 理由は2つです。 ① 脚本家はちゃんとその役に合わせて台詞を書いていて、それは勿論語尾にまで反映されているから。 ② そもそも語尾を安易に変える理由のほとんどが単にその方が自分が言いやすいからであって、決して役の事を考えて変えているわけではないから。 めちゃくちゃ極端な話、坂本龍馬が「日本の夜明けぜよ!

          脚本家は、句読点や語尾をちゃんと計算して書いている。

          エンタメは希望を唱えるためにある

          今、エンタメ界は壊滅的です。 業界の市場規模は色んな数字が出てるのでどれが正確なのかはわかりませんが、損失はかなり出ています。 恐らくどんなに少なく見積もっても年間市場規模の3ヶ月分は出るはずです。この損失は今後さらに増えていくでしょう。 特にダメージが大きいのが舞台やライブと言ったお客様が直接会場に来て楽しむ劇場型エンタメです。 感染拡大防止のために避けた方がいい「密閉」「密集」「密接」のすべてを劇場型では避けられません。そのため中止や延期が連発してます。 このまま

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          継続したいことは毎日やった方が実はラク?

          日本語には「継続は力なり」って言葉がありますよね。 僕はこの言葉がすごく好きで、座右の銘にしてます。 少し解釈をアレンジして「継続のみが力となる」と思ってるぐらいです。 しかしそれは逆に言うと、 「継続もなしに、大きな力や能力を手に入れることなんてできない」ってことだよなあとも思ってます。 よく成功した人に対して「成功した秘訣はなんですか?」って聞く人がいます。 あれはたぶん「成功するために何か近道や裏技を使ったんですよね。それを教えてください」っていう意味で聞いてる人が

          継続したいことは毎日やった方が実はラク?

          カーテンコールで絶対にやっちゃいけないこと

          演劇を創ろうと思った時、最初に思い浮かべることの99.9%が「面白い作品を創るぞ!」だと思います。 脚本家、演出家、キャスト、スタッフ全員がこの想いのもとひとつの作品を創っていきます。 ですが「面白い作品を作るぞ!」ということに重点を置きすぎるあまり、いつの間にか「面白い作品さえ作ればいいんだ!」という考えにスライドしてしまってると感じる公演にたまに出会います。 そういうのってたぶん作り手が作品の内容にしか目がいってないからなんですよね。 例えば、お洒落なレストランで

          カーテンコールで絶対にやっちゃいけないこと

          公演における「教育」

          先日の公演を観てくれた演劇界の先輩とお茶することになり、カフェで小一時間お話をしました。 その先輩も劇団を主催しているので、今回の公演での苦労や改善点などについて色々と相談に乗ってくれました。 その中、すごく興味深い意見をいただきました。 「今回、シブヤ君は教育はしなかったんだね」 脚本や演出、運営や制作のことももちろん言ってくれましたが、まさか「教育」という言葉が出てくるとは思ってもなかったです。 この場合の「教育」には二つの意味があって、ひとつは単に「演劇や演劇

          公演における「教育」

          会場作りの不正解

          先日の3/8まで、僕は新宿で公演をしていました。 その時の僕は、脚本演出という立場ながら、開演前の時間はずっと受付でお客様の迎え入れをしていました。 「受付」というのは、作品と同じぐらい大事です。 お客様が一番最初に触れるのが受付なので、受付は作品や団体の顔となります。 なので、ここがダメだったらいくら素晴らしい内容の演劇をやったとしても、台無しになってしまいます。 お客様に最大限楽しんでもらうために、イベント時の受付はどうすればいいのか。 たぶんこれは、それぞれによっ

          会場作りの不正解

          【戯曲】「ライム、ライト、ライムライト」

          実験旅団旗揚げ公演 「ライム、ライト、ライムライト」 2020年3月。新宿シアター・ミラクルにて上演 【上演時間】約80分 【登場人物】男性5人(子供1人) 女性1人 【内容】 少し未来の出来事、、、世界は再び戦争を始めた。 戦争によって家と家族を失った4人の人間。 彼らは古い小さな家で共に暮らしている。 明日、世界がどうなるかもわからない状況でも、彼らは絶望することなく、まるで本当の家族のように明るく生きているーー。 【メモ】 観劇後、お客様に自由にチケット代を決めてもら

          【戯曲】「ライム、ライト、ライムライト」