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生きてきた時代の違いが世代間での価値観の違いを生む

最近は家でひとりでいる時間が圧倒的に多くなったので、椅子に座ってボーッと天井を眺めながら色々と考える時間が増えました。
(ただボーッとするだけでなにも考えてない時間も三割ぐらいある)

「戦争は無くすための具体的なシステムってなんだろう」っていうグローバルなことから「焼き鳥はやっぱ塩だな。その方が大人っぽく見えるし」っていう誰も得しないことまで様々。

その中で「価値観の違い」についてわりと本気で考えてみました。

漫画『ワンピース』の頂上決戦で七武海のドフラミンゴが価値観についてこんなことを言ってました。
「平和を知らねえガキ共と、戦争を知らねえガキ共との価値観は違う!」

ふむ。なかなか興味深い言葉です。この言葉はワンピースの世界だけじゃなく、この現実世界でも当てはめて言えますね。

日本だってほんの75年前までは戦争をしていました。その時代を経験した人で、今も生きていらっしゃる方はたくさんいます。
そんな超激動の時を経て人生の大半をネットやSNSがない世界で生きてきた人と、戦争のない世界でネットやSNS中心で世界を生きてきた人とでは価値観が違うのは当然のことです。
(戦争とかネットがあるかどうかとかはあくまでも一例)

もっとさかのぼって、刀を腰に差して歩いてた戦国時代の人と、スマホを見ながら歩いてる令和時代の人とでも価値観は大きく違います。

言ってしまえば、価値観の違いなんてのはほとんど「生きてる時代の違い」と言ってもいいのかもしれないです。

よく、おじいちゃんおばあちゃんとかに「食べ物を残したらダメ!」と言われなかったですか?
あれって要するに、戦時中、或いは戦後の食糧や物資が十分になかった時代を生きてきて、その時代は今と違って食糧や物資がめちゃくちゃ貴重だったっていう体験があるからなんですよね。

だから、60代以上の人の価値観の真ん中には「モノ」があるんですよ。

じゃあそれよりも下の世代、40~50代は何かと言うとこれはもう「お金」ですね。
高度経済成長期からのバブル、そしてバブル崩壊という経済の天国と地獄を味わった40~50代の価値観の真ん中には「お金」があります。
あとこの時期は終身雇用が始まりだして、会社に長く在籍すれば自動的に給料は上がって、しかも定年まで楽勝コースでした。

だから、いまの若い人たちが簡単に転職するのを眼にすると拒否反応を起こしてしまうのですね。
(そもそもこの時代に終身雇用が可能だったのは、今みたいにまだモノが溢れる前だし、時代が進むのが超スローだったから)

ではでは、モノもお金もある程度豊かになって、ネットという現代の怪物が誕生し、時代が超スーパースピードで変化していく今を生きる10~30代の価値観はいったいなんでしょう。

これはもう「存在」ですね。
SNSを見れば明らかだと思いますが、欲しいのはお金でもなく、モノでもなく、みんなからの「いいね!」と、インフルエンサーに自分の投稿をシェアしてもらうこと。
(ちょっと極端かもしれないけど、まあだいたいあってると思う)

このあいだ、今の時代を象徴する画像を見つけました。

これはヒラリー・クリントンが演説をしてるとこなんですが、みんなヒラリーに背中を向けて、自分とヒラリーをフレームに入れて自撮りをしてます。
たぶんこの人たちは演説なんて1ミリも聞いてないでしょう。
この人たちにとっては演説を聞くことよりも、ヒラリーと一緒に撮った写真をSNSにあげてみんなにシェアされることの方が大事なんです。
演説よりも「存在」です。

こういった感じで価値観の違いの背景には、その時代であったり環境や状況であったりが大きく影響してきます。

「モノ」が溢れてる時代を生きてる人に対して「モノを大切にしろ!」と言っても理解されなかったり、
時代の変化が超スピードで起きてて、数年で潰れてしまう会社だらけになってしまった時代を生きてる人に対して「一度就職したらそこで定年まで働け!」なんて言っても理解されるわけないです。

大事なのは「時代と照らし合わせて、その人がなぜその価値観を持って生きているのか」を理解してあげることだよなあ、と。

そして今まさに、世界的な感染拡大の影響でまた時代が変わろうとしています。古い価値観のまま置いてけぼりを喰らわないように、時代がどう進んでいくのかをしっかりと見届けていきたいですね。

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