見出し画像

その9 児童集会どうしますか?(2130文字)


1 はじめに 


 「note その6 こんな学校組織は…キツい」を読み返す中で「こうなればいいな」と希望を感じられることに思いが至りました。

2 「その6」から「その9」へ

 「その6」では、上司が『Yes』か『No』の言葉に続いて、意思決定・判断できるような『報・連・相』が大事ではないのか?みたいなことを書きました。
 お読みいただいた方から、いくつかご意見をいただきました。

 そのおかげで、
   『腹案』を持つべき組織

   そうでない組織
があるのかも…と気づくことができました。

 そのような考えも踏まえながら、もう一度、現場をイメージして
  ⚪︎ 教職員の仕事の進め方・向き合い方
  ⚪︎ 管理職としての組織運営
について考えました。


3 「児童集会、どうしますか?」


 小学校現場で、ありそうな想定で考えました。

〜今日は、毎週一回行われる児童集会の日〜
※ 午前8時30分から、約15分程度、朝の学習活動の一つとして行われる。
※ 司会進行、ゲーム決めは、集会委員会所属児童による。
※ ゲームには、学級単位ではなく、児童会担当が担う『縦割り班』単位で参加する。

午前8時10分ごろ
「雨降りだしたんですが、今日の(朝の)児童集会どうしますか?」
と集会委員会担当の先生が、教頭に問うています。

 あなたが集会委員会担当の先生だったら、このよう発言をしますか???

 学校の先生なら、恐らく『はい』と答える方が多いと思います。

 このような『問い』を、たくさん見て来ました。
 でも、やはり、良くないと思います…。

 良くないからこそ、以下のような返しが必要なのではと思います。

返し1
教頭「集会委員の先生達(←複数で担当している)は、どうしたいんですか?」

返し2
教頭「児童会担当の先生は、どうするて言ってますか?」

返し3
教頭「(委員会活動や児童会活動の長である)生活指導部長は、どう考えてます?」

返し4
教頭「まず生活指導部長に、相談してください。」


4  管理職視点から考える問題点(3点)

(1)  情報が少ない

 1つめは、教頭に対して、やる、やらないの意見を求めるには、情報が少な過ぎるということです。

 雨=中止 とも思えますが、ゲームの内容によって、体育館で行うことができるかもしれません。
 また、児童集会の月間や年間予定を踏まえて判断する必要もあるでしょう。

 これらを踏まえた判断は、現場の最前線で、子どもと触れ合い、その温度感を直に感じている先生たちの優先事項のはずです。


(2) 担当者の計画が台無しになる

 2つめは、教頭が、やる、やらないを決めることは、各担当の立場を奪うということです。

 1つめの理由と重なる部分もありますが、事前準備、今後の行事予定も踏まえて、各担当が計画してきたことなのです。
 それを『鶴の一声』の如く、実施可否の判断を下されると、積み上げて来た計画が台無しになります。
 計画を立て直すこと等で、それこそ、今言われる『働き方』に逆行する結果を導き出すことにもなります。

 また、立場を踏み躙られた担当の先生が『どうして勝手に中止にするんですか!?』と威圧的に教頭に詰め寄るなんてことも起こります…。


(3) 管理職の仕事量が膨大化する(既にしている)

 3つめは、教頭が、やる、やらないを一つずつ決めていると、教頭の仕事が莫大な量になるということです。

 学校組織で、管理職任用の人気がない理由は、ここにあると思っています。

 教頭でなくてもできる仕事、一教員の権限でもできる仕事にも関わらず、あたかも、それが教頭の大事な役割のようになっていることが問題です。

 本来、教頭にしかできない仕事を主にするのが、その役割のはずです。

 例えば、校内の安全を確保するのは、責任ある教頭の重要な仕事です。
 台風被害の有無に基づく今後のハード、ソフト面のありかたを考えること等は、とても大切です。

 窓を開けるのが大事なのではないのです。
 汚れたトイレを見つけて、掃除するのが、教頭にとって重要な仕事ではないのです。
 すべての電話対応、すべてのインターホンに対応をするのが、大事な仕事ではないのです。

 少し話が飛躍しましたが「今日、児童集会をするかしないか」は、生活指導部長や集会委員担当等担当の教員が中心になって、少し対話することが必要なのです。

 その対話の上で決まったことを、教頭や校長に報告すればいいことではないでしょうか。


5 おわりに


 教頭が、一つ一つの具体的な事象に常に向き合っているうちに、本来取り組まなければならないことが疎かになっていないかと考えたいものです。

 先生同士の対話により、実施可否がスムーズに決まるだけではなく、

  ⚪︎ 学級担任や児童向けに放送を流すこと
  ⚪︎ 延期日
  ⚪︎ 運動場の準備物の片付け

等も、短時間で決まるのではないでしょうか。
 そうすることで、結果として、働き方改革は進むでしょうし、教員同士の関係性も良好になるでしょうし、何より、個々の教員に『力』が備わると思います。

 これが組織における仕事だと信じたいのですが、いかがでしょうか。

 決して理想論を振りかざすような難しいことではないと思っています。
 みなさんは、どのように感じられますか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?