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その28 働き方改革の裏?(992文字)

1 はじめに

 働き方改革という言葉にもずいぶん慣れました。
 次のステップへ進むために、一つ考えたいことがあります。

2 合宿に参加して

 とある合宿に参加して視界がクリアになりました。
 ざっくり言いますと「働き方改革は手段であって、目的ではない」ということです。

 決して働き方改革が悪いと言いたいのではありません。

 むしろ、時間外勤務を抑制したり、これまでの行事を見直したりすることは、業務が多岐に亘り、多忙極まりない教師にとって、とてもとても良いことです。

 しかしながら、働き方改革という言葉が一人歩きしたり、個人にとって都合の良い解釈により「目的化」したりすることで、妙な弊害がでることも事実なのです。

3 働き方改革の現状

 学校によっては、会議のない日には、目下、時間休を取得することを率先的に行う職場環境が、できあがりつつあります。

 教職経験の長短に関わらず、個々の判断で働き方改革を推進する姿勢は、これからの時代・社会を生き抜く者にとって必要な考え方だと思っています。

 しかしながら、同時に何とも言えない感情を抱くのも、また事実です。

 特に、若い教師が、自分自身で成長する機会を得がたい現状に悩まざるを得ません。
 また、ICT活用等の研修を行うタイミングを確保できない(教員が揃わない)ことにも課題を感じています。

 働き方改革だけでは、このような悩み、課題を公に言語化することが躊躇されるのも、これまた大きな事実です。

4 学び方改革の視点から

 学び方改革という視点を持つことで、考え方が変わりました。

 行事の精選、重複する文書作成、慣例的なルーティン等を見直すことで「時間的よはく」や「精神的によはく」、「対人的よはく」を生み出すことが重要だと思えるようになりました。

 このような働き方改革により生み出された「よはく」を使って、目の前にいるすべての子どもが能動的に学ぶことのできる授業づくりに取り組んだり、子ども主体に学び合える仕組みに思いを馳せたり、たてわり班による学びの可能性にチャレンジしたりという「学び方改革」に向き合うことが大事なのではと思います。

 働き方改革の意味を取り違えると、責任放棄や怠惰な状況が捻出され、本末転倒な状況を生み出すのだと気づきました。

5 おわりに
 働き方改革を真に身のあるものにするためには、学び方改革という視点が必要だと強く思う今日この頃です。

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