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強いチームとそうではないチームの違い

このチームは強いな、と感じるチームとそうではないチームについて、その違いについて紐解いてみたいと思います。

私はアプリやWebサービスの開発が経験としては多いので、その開発チームを前提にしていますが、案外スポーツチームやサークル活動なんかでも同様のことが言えるかもしれません。それくらい抽象度の高い話がメインとなります。

思考プロセスがWhyに紐づいている

何かを成し遂げる上で重要なのはWhyだと思っています。Whyというのはなぜやるのかですが、そこには現状の課題が内包されており、背景情報を理解することで、自分たちが実現すべき価値がシンプルに表現できるからです。

強いチームにおいては、プロジェクトリーダー(CEO、PO、監督、コーチなど)がこれを一言で表現できることは当たり前として、メンバーが誰でも同じメッセージングができると感じています。

そして、最終的なアウトプットと、Why(解決したい課題)とがシームレスにつながっています。当たり前といえば当たり前なのですが、これはいうほど簡単なことではありません。

サービス開発であれば、構造的にも複数のレイヤーが複雑に絡み合っている中で、削ぎ落としながらシンプルに表現していく必要があります。

例えばLINEについては、メイン導線はチャット画面であり、そこに余計な要素を加えることはしていませんが、公式アカウントやミニアプリにおいては、ベースとなるUIを大切にしつつも、使いやすい導線設計がなされています。あのシンプルさと、エッセンスを最低限にするところは、強いチームでないとなかなか実現できないことだと思っています。それは、Whyの軸がしっかりしており、ディレクションからアウトプットまでのシナリオが繋がっていることが成す業であるという認識です。

共通化されたポジティブな暗黙知がある

Whyの話にも関連しますが、当事者意識がある、パッショネイトである、品質意識が強いなど、個性がありつつもチーム全体に共通するパラメータがあるように思います。これを裏付ける仕組みとしては、どの組織でもMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を制定し、カルチャー化を行うのがスタンダードであることと無関係ではないでしょう。

文化を形成するのは非常に難しく、すぐに成果が出るものではありません。何もない状態から新しく構築するのは、さほど難しいことではないですが、既存の枠組み・文化・仕組み・成功体験が存在している状況からの変革は、地道で泥臭い行動が必要となります。日本において大企業からイノベーションが起こりにくい構造はここが大きいと思っています。

それくらい、強いチームには、明文化されているMVVのようなものから、個々に浸透している暗黙知の行動指針のようなものまで、共通化されているパラメータが存在していると感じます。

気をつけなければならないのは、これがポジティブに働くケースとネガティブに働くケースがあることです。イノベーションが求められている状態だと、ネガティブな暗黙知は足かせになります。ただし、この場合はたいていMVVとは紐づいていると解釈できない暗黙知だったり、そもそもMVVの抽象度が高すぎてどうにでも解釈できるケースが多いと思います。解釈によっては真逆に捉えることができてしまうようなMVVは、継続的に見直されるべきでしょう。

各人が自律している

これは尊敬しているスクラムマスターの方から頂いた言葉なんですが、強いチームは確かにそうだな、と思った一言でした。では、自律を形成するパラメータとは何なのか、についても考えてみます。

その方のバックグラウンドや経験値みたいなものもあるとは思うのですが、権限と裁量が適度に与えられているかと、そこに対しての責任意識の強さ、の2点が関係しているように思います。

ここでいう自律の定義ですが、誰かに指示されたことを忠実に進めることの反対で、自ら考えて切り開いていくこととします

権限と裁量

人が成長するためには、自ら考えて切り開いていくことが重要です。これはよく言われる知っているできるが全く異なることと同義です。やってみて初めてそのフレームワークがなぜそうなっているかを理解できたり、どんな問題が起こるかを理解できるようになり、応用力や対応力が向上します。

そのためにはやってみなはれの環境が必要で、失敗のリスクとチームの成長のバランスがとれた裁量と責任を付与する必要があります。開発チームでいえば、経験2年くらいのメンバーにいきなりテックリードクラスの権限を付与するのはリスクが高すぎるので、一部のチケットの設計〜実装までをすべて任せ、コードレビューで品質担保するようなイメージです。

責任意識の強さ

権限と裁量が与えられたとしても、そこに責任意識の強さが伴わないと自律は難しいと考えています。権限と裁量が与えられるということは、お前に任せた状態ですので、推進力が伴っていない場合は何も進まない状態に陥ります。そこで重要なパラメータは責任意識の強さであり、当事者意識をもって最後まで面倒を見る力が必要となるでしょう。

正しく批判し合える

ボードメンバーであれば、自分の考えに近い人間と組むというのも一つの手段かと思いますが、強いチームというのはそうではなく、正しく言うべきことを遠慮なく言い合える関係性にあると思っています。

某自衛隊組織に所属していたとき、こんなエピソードがありました。
カラスは白い!と上司が言ったとき、部下はなんと言うべきか?

  • 航空自衛隊

    • 上司 : カラスは白い!

    • 部下 : いえ、カラスは黒いです!

  • 陸上自衛隊

    • 上司 : カラスは白い!

    • 部下 : (こっそり耳うちしながら)カラスは黒いと聞いております…

  • 海上自衛隊

    • 上司 : カラスは白い!

    • 部下 : はい!カラスは白いです!

これはこれで各組織の生い立ちや文化を示しており大変興味深いのですが、ビジネス組織では航空自衛隊以外の組織は淘汰されるでしょうね。

よく人を採用する基準として、自分より優秀な人を採用しろ、と言われますが、優秀かつ、役職が上であっても正しく言うべきことを言える、というのも付け加えたいです。

一方で重要なのは、心理的安全性です。いくら監督室のドアが常時開放されていても、話しかけにくい雰囲気を醸成していたり、意見を真っ向から否定してしまうような口調を用いてしまうと無意味になります。萎縮や遠慮することなく、フェアに会話ができているチームは強いと思います。

まとめ

これ以外にも色々とあるかもしれませんし、あくまで経験から思いついたものを列挙しただけですので、今後もアップデートしていきたいと思います。

もしこういうケースも多い、といったお話があれば、ぜひコメントで教えて下さい。批判は大歓迎です!



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