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チーム力としての職人技。効率とこだわりの融合の能率手帳ゴールド工場見学

もう1週間以上前になるのですが、能率手帳を作っている新寿堂さんの工場見学をさせてもらいました。

能率手帳ゴールドという革張りの手帳を購入すると入れるゴールドクラブメンバーという人の中から希望者が抽選で選ばれる仕組みのようです。

工場は板橋の町工場みたいなところで、正面にはスクラップ工場があり、でかい電磁石みたいなものにバリバリと金属を貼り付けて運んでいるシーンを見て、始まる前からかなり興奮しました。

さて、能率手帳ゴールドという手帳は一年使い切りの手帳なのですが、外側はヤギの皮で装丁され、背以外の3面は金箔のシートで保護されている、よく昔の偉い人がスーツの胸ポケットから出しそうな手帳です。今年で60年目を迎えるというザ・手帳です。

自分も今年から使い始めました。手に持つと柔らかい手触りの使うのがもったいなくなる手帳です。  
ちなみに能率手帳をノルティとブランド名を変えたのは2013年。実は10年以上経っていました。

工場見学の前に概要を工場長が説明をしてくれました。ここでは、主に紙の印刷、折、縫い合わせ、貼り付け、そして装丁の工程を行っているそうです。
革張りの革はインドの食用のあまりの革をなめして染色して、揉んでしぼをつけ柔らかくすることで手帳になった時の優しい手触りを実現しているとのこと。過程の革も触らせもらったのですが、まずは白い厚めの皮が黒く染色され、グレージングという磨きをかけて艶のある革になり、それを木の大きいブロッターのようなもので揉み込みながらシワをつけ柔らかい革になっていきます。
それを型で切り抜き、外側の革が完成するとのこと。革好きからすると非常に面白い変化を見ることができました。

この白い革が黒い手帳に代わる。1枚から十数冊分くらいが取れるらしいです。食用の羊の残った革を利用し、むしろ、命を大切に使い切っています。

さて工場の見学です。まずは印刷。大きな紙、畳1枚くらいある気がしますに、2色ずりの印刷をしていきます。1枚の紙には、自分の使っている能率手帳手帳16枚分を2冊分32枚、表裏あるので64ページ分印刷します。2色刷りということで、まず1色プリントした後に、次に別の色でプリントする形の大きな印刷機をまじかで見ることができました。
16の倍数に収まるようにページ構成を考え、調整するところが大変だとか。また、印刷の質を確認するために職人の人がロットごとにサンプルで紙を取り印刷の質、色の確認などをしていました。公正用のライトとか初めて見ました。

印刷が終わると大量の紙はフォークリフトで運ばれ、裁断の工程に回ります。これは職人の手作業です。もちろん機械のサポートがあります。レーザーで歯の当たる位置が確認できたり、多分エアホッケーのように下から空気が出ていて紙を動かしやすなっています。安全のために裁断する際は両手でボタンを押さないといけない仕組みになっているそうです。

裁断の次は折という工程。これも機械で行われていきます。能率手帳ゴールドの場合、十六分割されているので横に3回、縦に1回折る必要があるため特別な機械を使っているらしいです。折る向きを変えるのが大変だそうです。この時ページで日付の線がずれないようにするためにすごい精度の高い技術が必要とのこと。

そしてこの折を束ねる帳合というフェーズに行き、縫いつけ、糊付けと進んでいき、外側のかみをつけてます。基本は機械がすごいスピードでこなしていきますが、最後の確認などはしっかり人が確認していきます。工場を回らせてもらった際には、いろいろな点検シートや改善メモなどが置いてあり、効率化と安全性の向上に日々努めていらっしゃることがわかる現場力の高さが非常にわかる作業工程でした。

そして背表紙以外の三片を切り落として一旦、冊子としては完成。ここから仕上げに入っていきます。まずはこの三片を補強するために能率手帳ゴールドは金箔を貼り付けていきます。20冊くらいをいっぺんに横に挟み
そこに金箔シートのようなものをぐるっと巻いていきます。そして定着のためにぐりぐりとローラーのような機械で押し付けていきます。なんかここは昭和のような昔ながらの油圧式機械でやっていました。
油圧を使った自動しょりの技術って本当にすごいと感心しました。


ここを作る作業です。これをやることで紙が長持ちするそうです。

そして最後表の革に貼る作業です。みくるみというらしい。これ完全人力。機械化も考えたいとのことですが、ポケットをつけたりベルトをつけたりと何かと手間が掛かる作業なので人力でやっているそうです。非常に手際良く、さらっとやっていました。今、できたやつ欲しいなぁと思うほどのものです。綺麗に糊付けすると万力みたいもので押さえつけ、しっかり定着させます。ここまでの工程で、一冊の手帳が出来上がるんだということがわかりました。非常に手間暇のかかっていることがわかる、ファンになってまうやろーという良いものを見せてもらいました。

ちなみに工場はうるさいということで、トランシーバーで話を聞いていました。

その後は、先ほどの身包み体験をさせてもらいました。あんなに簡単にやっていましたが、いざノリをつけると外紙が丸くなってしまい、貼るのが難しくなり、これは職人技なのだということがわかります。

左下が自分で作ったノート。同じ革なのですが、約1年で右側の手帳はだいぶ滑らかに落ち着いています。

工場の中は、撮影禁止だったのですが、見れて本当に良かった。
そのあとは、参加者も含めた座談会。万年筆使いの人も多くいました。自分も万年筆は使いますが、大きい紙に書きたくなるので、基本、能率手帳ゴールドはボールペンでかいてます。すぐかけるので。

ペンホルダー欲しいと話したら、強度を考えると難しいと言われました。一年間使い続けられるペンホルダはなかなかハードルが高いとのこと。 ですよねーとは思いつつも、隣の人が自作ペンホルダーをつくって、使っているところみせてもらいました。

これだと思って帰ってきてからその日にささっと作ったのがこれです。

あまり革を下敷きにつけてポケットに入れただけ。なかなかよくないですか?万年筆入れても木津つかないように、ペン全体を収納できます。
裏側。サクッとやりたくて、ホチキス留め。家族からはダサいと。でも見えないし。
ちゃんと格好いいの出してくれないかな。ちなみにかすかなこだわりとして、下敷きは取り外せるように、ポケット部分は革が下敷きと離れるようにホチキスしてます。
来年のものに移すことも可能。

さて、今日から12月。
12月1日は手帳の日です。来年の手帳を用意しようということで決まったらしいです。

このイベントの後、来年のゴールドも購入しました。使い始めるのは一月になってからと思っていますが、準備はバッチリです。

ちなみに、今回のNOLTYさん。noteやってくれています。


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