仏教に学ぶ生き方、考え方「忘れる、流す、お任せする」
人は嫌なことがあるといつまでもそれを「覚えて」いるものです。
そして事あるごとにそれを思い出し、「嫌だったな~」と気持ちも沈みがちになります。
それは「楽しいこと」があったときでも同じです。
「あのときはあんなに楽しかったな〜」といつまでも余韻に浸りたいものです。
でも嫌なことや楽しいことは、今ここにあるのでしょうか?
よく考えてみたら、その時その場所で嫌なことや楽しいことはあったはずです。
そして今ここではそれはもう「過去のこと」なのです。
つまり過去のことを勝手に思い出して、それに悲しんだり喜んだりすることに「今このとき」を使っている。
そんなことが「ほとんど」なのではないでしょうか?
でもよく「嫌なことは忘れよう」と言ったりしますが、生存本能が常に働いている人間の脳は、嫌なことを「強烈な記憶」として忘れられないような構造になっているのかもしれません。
真宗の考え方には「全ては仏様のお計らい」であり、仏様同士でちゃんと連携しているのだから、「すべてをお任せすればいいですよ~」というものがあります。
これは人間という生き物が、思い悩んでいつまでも「過去に拘る」性質を見抜いて、そこに「囚われない」生き方を提案してくれているのかもしれません。
☆今日の一句☆
嫌なこと
忘れ流して
今を見る