見出し画像

ビジネス書の著者がクリエポに参戦してみたら何に気づき、何が起こったのか

2019年10月に参戦を決意し、昨今の情勢により半年延期されながらもようやく出展することのできた「クリエイターEXPO」。

初めての出展でしたが、3日間会場で過ごしてみて起こったことや気づいたことを日程ごとにまとめていきたいと思います。

1日目(10月21日)

◆気づいたこと

文化祭のようなノリが懐かしい
前日搬入をしていたものの、初めてということもあって少し早めに到着。ブースの準備を始めていきました。隣のブースの方々とあいさつをしたり、それぞれブースの飾りつけをしたり。なんだかこういう感覚は久しぶりですね。会社員だった頃に業界イベントにブース出展して以来。いいですよね、文化祭のようなこのノリは。

声をかけられない寂しさ
10時になってイベントが始まったとのアナウンスが。「よし、ガンガン来てくださいよー!」と息巻いたものの、開始して1時間、人通りも少なくてパンフレットを取ってくれたのは1人だけ。出鼻をくじかれた格好です。人が来ないと結構さびしいものですね。

書店に並ぶ本の気持ち
開始から3時間。人はパラパラと通るものの、ほとんどの人が目の前を素通りしたり、チラ見だけして通っていく切なさ。ふと、書店で手に取ってもらえるのを待っている本の気分になりました。「そうか、本だって書店の棚でずっとこうして手に取ってもらえるのを待っているわけだよなあ」ただ書店で待つだけでなく、手に取ってもらうための工夫をしなければダメだよな、と改めて。

何に興味がある人なのか
13時を過ぎると人通りも多くなってきて、パンフレットを持っていってくれたり、具体的な相談を受けたりすることもチラホラ。何人かと話をしていくうちに気がついたのは、「自分に興味がある人」と「金額に興味がある人」の大きく2つに分かれるということ。ライターとしての原マサヒコに興味を持ってくれる人は自分のことを質問してくれるのですが、いきなり金額のことを聞いてくる人もチラホラ。たとえば「4000字のnote記事だと幾らくらいですか?」みたいに。経験上、この手の質問をされる場合は仕事のなかで大きなストレスを抱えることになるので、なるべく高い値段を提示してお断りの方向に持っていくようにしています。(今回もそんな感じの対応をさせていただきました)あと、そういう人は自分以外のブースでもガンガン声を掛けているので、来る前から何となく分ったりもしたかなあ。

バーチャル商談会は…
「今回からバーチャル商談会がスタート」ということだったので設定をちゃんとやっておいたのですが、1日目はブース訪問が一人だけ。
チャットで「こんにちは!」と話しかけてみたけど反応がありませんでした。。これ、使う側も初めてだから、どうしていいのかよく分からないんでしょうね。残念。

画像3


起こったこと

お友達にリアルで会える喜びが
とにかく友人知人などお友達がたくさん来てくれたのが嬉しかったです。来てくださった方、本当にありがとうございました。今年はなかなか人に会えない状況が続いていましたので、こうして「イベントに出展する」ことをきっかけとしてたくさん人に会うことができたのは良かったですね。(もちろん感染症対策はちゃんとやっていました)

グラビア巻頭フルカラー?
某グラビア雑誌の編集の人が名刺を出して挨拶に来たので「え!?水着になれってか?!」と思いましたが、そんなわけもなく。ライターとして記事が依頼できるかという相談でした。そりゃそうだよね。

「あなたを探していました」
パラパラと案件相談をいただくなかで、ピンポイントで私のブース前で立ち止まった方がいました。それがなんと某自動車会社の方!社内での記事制作について具体的なお困りごとや記事の量、金額も提示されました。「自動車会社の現場を分かっていて文章が書ける人を探していたんです」とのこと。それ、まさに私ですね!いやあ、こういう出会いがあるから面白いですね。

画像4

2日目(10月22日)

気づいたこと

中日(なかび)は落ち着く
さあ、2日目のスタート。中日ということもあってか、10時の開始前は昨日より人が少ない感じでした。10時に開始されても閑散としているし、ブースにはまだ来ていない出展者も多数。2日目の朝は10:30にブースに来ればちょうどいい感じでしたね。

飛沫防止パネル
ブースに飛沫防止パネルを設置していたのですが、初日の感じだと明らかに「邪魔」でした。座ってくれた人との壁を感じてしまうんですよね。他のブースで同じようにパネルを置いている人は数えるほどで、よく考えたらイベントの入り口で体温測ったり消毒したりと厳しく対処しているから、そこまでやらなくていいのかなーとも思ったり。ということで2日目の朝から取り外してしまいました。

画像1

直請けか、二次請けか
昨日もそうでしたが、広告代理店とか制作会社、編集プロダクションの方が結構いらっしゃって挨拶してくるなあという印象。「記事制作の際に動いてくれるライターさんを探してて……」というお話なのですが、正直なところ個人的には「うーん」という感じです。自分はそういった座組みで仕事をやったことがないのですが、結局は『二次請け』という形になると思うので、やることも固定だし、費用もそれなりなのではないでしょうか。でもまあ「それでもやります」「実績をつけたいです!」というライターさんもたくさんいるんでしょうね。需要と供給だから良いと思いますけども。

ブース格差
だんだん、声を掛けられやすいブースとそうでないブースの差が開いてきたように感じました。まずもって言えるのは、出展者がオジサンのブースよりも女性の方が話しかけられやすい。まあ来場者の多くが男性で、決定権を持っていたりするのが高齢層だから仕方ないでしょうね。オジサンがオジサンにわざわざ話しかけるなんて、よっぽど案件の相談をしたい時でしょう。ただ、なかには女性がいるブースに来て「仕事が欲しいの?」「彼氏いるの?」などとヤベえ感じのオジサンが出没してきた、と小耳に挟んだりもしました。声をかけられやすいとはいうものの、話しかけられれば何でも良いってもんでもないなあと。

誰に話しかけられたいのか
じゃあどんな話しかけられ方が理想かというと、やはり昨日来ていただいた自動車会社の方のように、ピンポイントで「あなたを探してました!」みたいな状態になることだと思います。そうなるためには、「なんでもできます」ではなくて、何かに特化させてそれを明確に打ち出すというのが最善策ではないかなあという気がします。

バーチャル商談会は…
バーチャル商談会でのブース訪問は今日も一人だけ。そして、チャットで話しかけてみたものの、またしても反応がありませんでした。。残念。


起こったこと

現物とご対面
私のパンフレットをデザインしてくれたyockdesignの井上さんがブースに来てくれました。そして「パンフレットをください」と(笑)そうか、デザイナーは作ったものが納品された後に現物を見るケースも多いんですよね。それにしても良いデザインのパンフをありがとうございました。

画像2

ライターマガジン!
以前から「買わなきゃ買わなきゃ」と手帳にもメモしておいた『ライターマガジン』の編集の方が会場にいらっしゃっていました。(他のブースで挨拶していた)すると、私のブースにも来て「ビジネス書の著者の方なんですか? それでライターもやっている? 面白いですね!」と興味を持って下さり、しまいには「ライターマガジンに載りませんか?」とのお言葉。なんということでしょう。写真まで撮ってもらい、買おうと思っていたVol.2までプレゼントしてくださったのです。

写真を撮られただけでインタビューとかされていませんが、次号のライターマガジン、載るかも!(こんな展開が待っているとは……)

まさかのプラスドライバー
別の場所でやっているセミナーが終わる時間には人の流れも活発になります。「ついでにブースエリアも寄ってみるか」という感じなのでしょう。そんな人の波が目の前にやってきた時、一人の男性が私のブース前でキュッと立ち止まりました。そして「ご本人ですか?」と聞いてくるのです。ああ、パンフレットの表紙に出ている自分の顔が若すぎるってことだよな、と思い「詐欺ですよね、すいません」というと「いえ、この本を書いたご本人ですか?」と言ってきます。彼が指していたのはタペストリーに記載された『人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた』の書影でした。

「ああ、はい。10年位前ですけど、この本を書いた本人です」と答えると、その方は「この本、めちゃくちゃ感動したんですよ! 私は学校で教師をやっていますが、生徒にも薦めたんですよ! 何冊も買って! ……まさか本人にこんなところで会えるなんて!」と嬉しいお言葉。「サインしてください! あと写真も!」ということで喜んで応じさせていただきました。いやあ、こういうことがあると本を書いていて良かったなと思いますよね。泣きそうになりました。というか泣きました。


3日目(10月23日)

気づいたこと

パンフレット作りすぎ問題
さあいよいよ最終日。少し焦っていました。何が焦ってるって、パンフレットを用意しすぎたことです(笑)持ってきたのが400部ちょいで、ここまで配布できたのが100部ちょい。12ページで良い紙を使っているから結構重いんですよね。「こりゃあ帰りがしんどいぞ……」と思っていたのですが、でもブース前に立って誰彼構わず「どうぞー!!」と無理やり配るのも違うよなー、と思うのでスタンスは変えずにいくことに。まあ余っても別の機会で配れば良いかなと。

手に取られやすいチラシ
ここまで他のブースの人も見てきて「手に取られやすいチラシ」ってどんなのだろうと考えると、やはり料金まで細かく書いてあるものでした。ただそれってつまり1日目に感じたように「金額に興味がある」人が手に取るわけなので、チラシをたくさん配れるという意味では上手くいっているけど、仕事として上手くいくかというと別だと思うのですよね。価格を載せる人は、その価格以上の仕事ができにくいことを理解する必要があるのでは、と思います。「とにかく数をこなしたい」というならいいですけどね~。

どんな文章が書けるの?という問いに答えよ
周りのブースでの会話を聞いていて思ったのは「どんな文章が書けるの?」という質問が多かったこと。イラストレーターだったら後ろのパネルとかタペストリーにイラストを出せますが、ライターはそうはいかない。だからこそ「どんな文章を書く人なの?」と聞かれてしまうわけですね。自分の場合は書籍を置いていたり、パンフレットを作ってそこにコラムがあったり仕事の実績などを載せていたりしたのでそういった質問はありませんでしたが、周囲のブースでは慌ててポートフォリオ的なものを作ってきている人もいました。そこはちゃんと見せた方がいいですね。

ブースに来る人の目線
これは誰しも気づくことですが、ブースを見に来る人の目線はみんな上なんですよね。つまり名前とパネルをザーッと流し見する、と。だからこそ、そこに何を打ち出すのかというのは非常に重要ですね。自分の場合は今回「元メカニックの作家・ライター」としました。それによって、メカニックというワードに刺さった人たち(メーカー系だったり自動車系だったり)が立ち止まってくれることが多かったわけです。あと、文字だけでなく顔写真を入れると目に留まりやすいのかな、という気もしました。人間って、文字より人の顔に目がいきやすいですからね。

話術、大事。
周囲のブースの会話を聞いていて痛烈に感じたのが、話を引き出したり広げたりするテクニックってホント大事よね、ということ。自分の場合、ちょっと引きのスタンスだったこともあって「質問されたことには答える」みたいな会話をしていたんですが、積極的かつ上手な人は「どんなことでお困りですか?」とか「小説はご興味ありますか?」とかとにかくボールをぶつけて、「小説は興味ないけどインタビューの……」と返ってきたものに食いついて話を広げていたりして「ああ、上手いなー」と、とにかく関心しました。ガツガツいけばいいということではなく、相手の潜在ニーズを掘り起こすようなトーク術は磨いていかなきゃいけないな、と強く感じた次第です。


起こったこと

自動車整備工場の?
最終日ということで結構話しかけられることが多くなりましたが、誰かと話しているとずっと後ろのほうでこちらの様子をうかがっている男性が1人いたのです。「完全にピンポイントで自分のところに来ようとしているな」というのは感じていました。そして1時間後、ようやく誰もいない時にその方がやってきました。「自動車整備工場向けのフリーペーパーで記事を書ける人を探していまして」って……それ、私しかいないだろ(笑)やはり「元メカニック」という肩書きに刺さってくれたようです。後日連絡するとのことでしたが、良い商談に繋がるといいなあ。

新刊の企画会議?
これまで自分の本を2冊担当してくださった編集者さんがお菓子とコーヒーを持って遊びに来てくれました。そこからはもう、近況報告だの雑談だのがはじまり企画会議まで(笑)ちょっと頭が疲れていてあまりアイデアがポンポン出てくる感じではなかったけれど、編集者さんが色々とアイデアを出してくれて「あ、それやってみたい」と思える企画にたどり着きました。新しい企画にもチャレンジしたいと思っていたのでちょうど良かったですね。普通に会議していたので周囲の出展者たちは不思議そうにこちらを見ていましたが(笑)

バーチャル商談会で…!
バーチャル商談会でのブース訪問は3件で、うち2件は昨日までと同じようにスルーされました。ただ、1件だけ反応がありました。「お仕事をお願いしたいと思っているのですが」とのこと……! どういうやり取りがいいか希望を聞くと「ZOOMで30分ほどお打ち合わせをしたい」とのことだったのでアドレスを教えておきました。案件に繋がると良いですが、ひとまずブースを設定した意味があったようで良かった~

画像5

12日後(11月4日)の案件状況

ということで怒涛の3日間を終えましたが、終わってから10日間くらいは何の音沙汰もなくて「いや、誰からも連絡ないんかーい」と思っていました。あったのは編集者からの「企画を進めましょうねー」という念押しの連絡だけ(笑)

ただ、11日経過後に1件メールが来ました。インタビュー記事制作ですが、具体的な仕事の依頼内容と見積もり依頼です。これから依頼内容を咀嚼しながら見積書を作っていこうと思っております。

仕事に繋がるとか売り上げが増えるとかいうよりも、業界の動きや顧客ニーズ、自分をどう見せるのが良いか、など色んな気づきや学びが得られたクリエポ出展でしたね。是非また気が向いたら出展したいと思います!
(今度は法人として出てみようかなー)


頂いたサポートは私が新刊を書く際の取材費に使わせていただきます。新刊はあなたのサポートによって出すことができますです。