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【ネタバレあり ライブ感想文】ALI「ALI 1st Album Release Tour – MUSIC WORLD-」@cube garden 2023.2.12(日)



 こんばんは。シリアスファイターです。


 今回はALI、メジャー1stフルアルバムを引っ提げた全国ツアーの初日、札幌公演のライブ感想文です。


 以下、演奏曲にも触れ倒しますので、今後ツアーに参加される方は閲覧注意です。


 それでは。



 音楽は色んな意味で、何ものにも縛られずに「自由」であるべきだと、当たり前のように思うことがありますが、ALIの音楽に触れている間は、そのことをこれ以上なく実感できます。


 国境もない、差別もない、ジャンルに捉われない大好きな「音楽」そのものを、愛を持って鳴らし続ける自由そのものみたいなバンドで、いつかライブを見れたらと思っていたものの、中々北上していただけなかったALI…。


 アニメ「呪術廻戦」にどハマりしてた流れもあり、どハマりした主題歌を歌っていたこのバンドのライブ絶対見てええええ、と思い続け、いよいよ満を持して、念願の北海道ワンマン。


 とうとうやってきたALIを、目ん玉も精神も全開放して焼き付けた記録です。


 この日の札幌、気温は+2、3°くらい?と、この時期にしては暖かい方でしたが、それでもこの時期のライブハウス前、入場待機時間は極寒そのもの。


 かつ、このライブハウスはロッカーが会場外のみの設置であることから、一度身軽になったが最後。



 入場まで震えるしかありません。

 待望のALIが楽しみすぎて震えてるのか、寒すぎて震えてるのか、自分を見失いそうになりがら開場時間を待ちます。


 やっとの思いで入場した会場内は眼前のライブを控えた期待感に満ちた暖かいもので、この日のお客さんは比較的年齢層も高めの様子。

 割と落ち着いた雰囲気のライブになるかな?なんて呑気に構えていたそこの私は、1時間30分後に汗まみれで会場を後にすることなど、知る由もありませんでした…。


 定刻を廻った頃、映画「パルプフィクション」のテーマ曲が流れる会場に、まだ暗転もしないうちに楽器隊とコーラスの女性が登場。


 今回は正規メンバー(ボーカル、ギター、ベースの3名)に加えて、ドラム、キーボード、コーラス、そしてホーン隊3名(トランペット、サックス、トロンボーン)という、9名のビックバンド編成。


 全員服装をシックにまとめ上げている様子から、既に魅力ムンムン…!(なんか気持ち悪い表現ですいません…)


 程なくして静まり、暗転した会場に、サポートドラムのboboさんの力強いドラムから、仁義なき戦いのテーマソングの冒頭を、ようこそ!と言わんばかりの盛大なバンドサウンドで披露!


 流れるように披露された「Dance You, Matilda」で、先ほどまで震えまくっていた身体はみるみる熱を取り戻し、灼熱のダンス空間へと変貌を遂げます…!


 ホーン隊がメロディを引っ張る中、前面に出て軽快なギターカッティングで魅せるCesarさんと、ステップを踏みながら満面の笑みでグルーヴィなベースを引き倒すLuthfiさんは早くも楽しそう…!


 曲が終盤にさしかかったところで、満を持してボーカル、Leoさんが登場…!


 不敵な笑みを浮かべながら、客席のフロアを指差し登場する姿に歓喜の声が上がります…!(サラッと大事なこと言いますが、この日は声出しOK!)


 「待たせたな札幌。」



 …待ってましたあああああ!


 とうとう揃った戦隊ヒーローのような無敵感が溢れ出すバンドは、そのまま1曲目を駆け抜け、2曲目は「EL MARIACHI」


 この一曲だけで、Leoさんは、その一挙手一投足、そして声から、とにかく色気しか漂わないという恐ろしい人類であることが判明…!


 コーラスとの息も、ハモリも、グルーヴも、初日とは思えないほどピタリ賞を決める様にうっかり見惚れながらも、このコテコテのラテンナンバーに対して、腰を軸に揺らして踊るしかないことを直感で理解した私は、自由にその場で身体を揺らすのみでした。


 そのまま船に乗って夜景でも見に行こうかなってデートのお誘いですかー!?なんて妄想も働く「MELLOW CRUISE」では、スタートからフロアもジャンプの嵐!

 We gotta freedom
MELLOW CRUISE

 曲中何度も出てくるフレーズを、拳を突き上げながら叫ぶように歌うLeoさん。


 声も出せて、踊れて、どこまでも開放的な音楽が極上のグルーヴで鳴っているこの光景を、自由以外の言葉で言い表すのは野暮だし、そんな時間があるなら踊っとけ!と心が自分に訴えかけていました。


 Leoさんから、一通りのメンバー紹介を受けながらも、まだまだ攻撃の手を緩めないALI。


 そう!
 攻撃の手を緩めなかったということは、私も楽しく踊るのをやめられなかったということであり、ここからのセトリは記憶があやふやで怪しくて仕方ないということなのだ!


 …ということで、ここからの感想は、印象に残っていた部分を取り上げながら、頑張って(ほぼ)時系列順にまとめ直したものです。


 まず個人的に、「STAYING IN THE GROOVE」「VIM」と言った初期曲も、アレンジを変えながらバッチリやってくれたのが嬉しかったです。

 1月に出たアルバムが大作だったため、下手したらそこからの曲しかほとんどやらないと思っていたことから、ラテン、ヒップホップ、ファンクetc...多くの音楽を吸収してクロスオーバーさせてきた、ALIの歴史を辿れるような選曲に浸らせていただきました。


 そして序盤のピーク、「TEENAGE CITY RIOT」…!



 原曲はR-指定さんとの共作ですが、なんとLeoさん1人で、全く新しいリリックを乗せて歌い切ったこの日、これがかっっっくいい!!



 サビではマイクスタンドを前に傾け、両手で握りしめながら、前面に足を掛け、時に客席を睨みつけるように、時にぐっと表情を引き締めて歌うLeoさんは凶暴な獣…!


 私の大好きな、ロック、パンクの精神に溢れた怒涛のバンドサウンドで会場の沸点を振り切ったところで、南国の心地よい風を運んできたのは、山下達郎さんの「SPARKLE」のカバー。


 ライブで聞けるとは思ってなかった、サルサ調の大胆なアレンジカバーで、それまでの展開から一転して、とても緩やかで暖かい雰囲気となりました。


 ライブ前半が終わり、久しぶりの札幌ライブかつ、バンドメンバーが疲れちゃうから笑というLeoさんの優しさから、普段はやらないらしいMCトークへ。

 「口を開けば余計なことしか言わない笑」と自己申告するLeoさんの口から、4年前の初札幌ライブの際、打ち上げで、Leoさん以外のメンバーがすすきのの相席居酒屋に行ったらしく、その後の色々(驚きの内容でしたが割愛します笑)に伴い、翌日の飛行機に乗り遅れる事態に巻き込まれたLeoさんが、当該事案の原因となった方々に謝られながらジンギスカンを食べたというエピソードが飛び出し、フロアから爆笑をさらいます爆


「ようやく声が出せる、この2年間我慢とか色々あったけど、生き延びて、今日ここで会えて本当によかった、ありがとう!

 俺にとって音楽は教会のようなもの。
 信じて続けてきてよかった。」 


 今日、改めてこのライブは声が出せること、久しぶりに札幌に来れたことを踏まえて、誠実に言葉を届けたLeoさんにスポットライトが当たる中、物憂げなピアノの旋律とともに、「MY FOOLISH STORY」へ。


 これまでのバンドの歩み、自分自身の歩みを省みながら、それでも音楽を続けられることへの感謝を深く刻みつけるような、Leoさんの切実な歌が印象的でした。


 シリアスな雰囲気は続き、cube gardenのステージ背景にあるカーテンに赤い照明が照らされ、まるで老舗映画館のような雰囲気を醸しながら始まるのは、現実の戦争を想起させる「CLIMAX BULLETS」。


 ラテンの色気が滲み出たイントロから、疾走するカッティングまで、Cesarさんのアコギの音色がよく映えることが、この日のライブで改めてよく分かったこの曲を聞ききながら、理不尽な現実に抗い、立ち向かうきっかけをくれるのも音楽だよなという事実と向き合います。


 ここでLeoさんは一旦袖に履け、Luthfiさんの巧みなベースさばきを皮切りに、楽器隊のセッションタイムへ突入。


 いよいよライブも終盤戦。


 セッションが盛り上がりを見せる中、ここでLeoさんとともに、ゲストとしてKAZUOさんが登場!


 上に白いダウンを身に纏ったKAZUOさんは既に汗だくの私にはひどく暑そうに見えてしまいましたが、そんな心のお節介を蹴散らすかのように、セッションから流れるように披露された「Wild Side」では、(おそらく)即興の高速ラップをこれでもかと畳み掛けてきます…!


「最後までとばしてくぞ!」


 Leoさんの宣言から、「NO HOME NO COUNTRY」

 サビ終わりの「heeey!hooo!」で、ステージ上のメンバーと同じように声が出せる日が来るとは…!


 今回は声出し可否の事前アナウンスが無かったため、最初は戸惑った部分もありましたが、この頃には久しぶりに声を出せる喜びを噛み締めながら、音楽を楽しむ自分の姿がありました。


 …さあさあさあ!


 陽気で勇ましい音色を携えたホーン隊の登場ときたら、私の大好きな「FIGHT DUB CLUB」が…きた…!


 曲始まり、ALIの代名詞でもある、「LOVE,MUSIC AND DANCE」のタオルを高々と掲げるLeoさん。


 既にそれらを充分に体現したメンバーも、フロアも、サビで飛ぶ飛ぶ飛ぶ!拳が上がる上がる上がる!コーラスで合唱が起きる起きる起きる!


 コーラスの女性の方も、この日1番にソウルフルでパワフルな歌声を響かせ、会場中の炎がメラメラと燃え上がります…!

 そのままの勢いで…待ってましたと言わんばかりのフロアからの悲鳴も聞こえた、Cesarさんのギターイントロはもちろん「LOST IN PARADISE」…!


 サビでメンバー全員が飛び跳ねながら、音楽の楽園を放浪する、この光景が見れて本当に良かった!

 バンドとして本当に色々あったけど、本当に音楽続けてくれてありがとうございます!


 聞いている間、踊っている間、私に溢れていた感情はALIへの、音楽への感謝でした。

I won't give up the fight in my life
cause my life is living for love
And I won't give up the fight in my life
stand off and groove on time
LOST IN PARADISE


 ただただ、音楽への愛があったから、諦めずにここまでやって辿り着いたバンドの姿は、絶大な説得力で、音源以上の愛と素敵な音楽を届けてくれました。


 私にとっての楽園はここにあったんだ!



 最後は「(BUT)WONDERFUL」を噛み締めるように演奏。


 時に苦しく、時にパワフルに歌うLeoさんの声量と表現は、最後まで勢いが衰えることはなく、その声で、この強靭なサポートメンバーを引っ張っていくような頼もしすぎる姿が、最後まで目に焼きついて離れませんでした。



「俺の信じてる神様、LOVE,MUSIC and DANCE。」


 Leoさんは再びタオルを掲げながら、刻みつけるような一言を放ち、ステージを去りました。


 …んー!!でもまだ終わりたくない!ということでアンコールを求める拍手が鳴り響きます。


 程なくして、楽器隊のメンバーが再登場。
 そのまま、「A NIGHT IN SAUDI ARABIA」のムーディな雰囲気のセッションへ突入。


 これまでの余韻に浸りつつも、もう一発派手に見せてくれるんじゃないかなんて、昭和の香りも漂うホーンの音色を聞きながら思っていると、LEOさんとコーラスの女性が登場。

 「アンコールありがとうございます…!」


 間髪入れず、「NEVER SAY GOODBYE feat.Mummy-D」の重厚なアンサンブルが響き渡ります…!


 Mummy-Dさんのパートは必要不可欠と言わんばかりに音源の素晴らしいフロウが同期で流れる中、boboさんのバスドラとタムの破壊力と、重厚な生ホーン隊を中心としたヘヴィなグルーヴは圧巻…!


 400人規模のライブハウスのはずが、この瞬間は数万人規模のスタジアム級の会場に変貌を遂げたのかと錯覚してしまいました。

 マイクスタンドを高々と掲げながら魂を振り絞るように歌うLeoさんに呼応するように、サビ終わりの「Oh oh oh」の部分も、ライブ終盤にも関わらず、会場中から力強い声が反響していました…!

「この素晴らしいチームと、そしてお前たちとできてよかった。
また北海道来るから遊んでください。
人種も国籍も古いも新しいも関係ない。
俺たちの信じる音楽を信じてこれからもやっていきます。」



 感謝と、音楽への決意を改めて言葉にしたLeoさん。


 最後の曲、残る力を全て出し切るような、


「ALI!!
 ALI!!
 Ah Yeah!!!
 Ah Yeah!!!」


 のコールアンドレスポンスの光景と余韻は、いつまでも胸に残り続けると思います。

 これまで私の見てきた、聞いてきた音楽の世界はどれだけ狭かったのかと思い知らされた1時間30分。

 今日この音楽に触れて、改めてはっきりと音楽が好きだって胸を張って言えるライブを見せてくれた、踊らせてくれたALIの皆さんに、最大限の感謝を持って、惜しみない拍手と歓声を送りました。


 既にここから更に大きくなっていくことを予感させるステージ、絶対また見たいです!!!





 途中で書いた通り、セットリストは忘れたので割愛です!(開き直り)


 今回は以上です。

 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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