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ウォーキング小景(続編)【エッセイ】一二〇〇字

 8,000歩ウォーキング。毎日歩いていると、道すがら面白いことに遭遇する。その第2弾である。
 
 ルートには何か所か、4mほどの横断歩道がある。信号が赤。他のひとが先に渡ってしまった場合は、待つ。一番でなければ渡らない。「みんなで渡れば怖くない」精神が嫌なのだ。昔と違って、信号を無視するのは、女性が多いような気がする。かつ、ええ歳のひと。気にする素振りもない。待っているのは、男。若い男子が多い。
 歩道を進むと、私と同じくらいの前期高齢者と思われる女性が、私の進路を塞ぐように寄ってくる。足腰が弱ってきているせいか、右に、左にと斜めに歩くひとがいる。徐々になら、軽いステップで横にずれればよいが、急に左右にぶれるひとがいる。競馬の世界では、「斜行」といって、2週間の騎乗停止になる。運転していてもサイドミラーを確認しないで車線を変えるひとかもしれない。なかには、後ろを確認して進路変更をするひともいる。そのような方は、たぶん自動車の運転の上手な人。車線変更も後ろに迷惑をかけないひとだろう。
 2人分の幅しかない狭い歩道を、横に並んで歩くひとがいる。中には後ろの気配を感じて道を譲ってくれるような、「後ろに目がある」のじゃないかというほどの勘のいいひともいるが、多くは気づかない。しかたないから、腕を伸ばし、「イクスキューズ・ミー」と、敢えて英語で声をかけることにしている。
 大型ダンプが、バックで工事現場に入っていく。女性だった。バックミラーを見て片手で大きなハンドルを操作している。駐車場入れのへたくそな私よりも、間違いなく、うまい。最近、タクシーは、女性ドライバーが増えたが、トラックも、女性を多く見かける。みな運転が上手そうだ。

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 ゴール近くのスーパーで、その日の肴を買うことをインセンティブにしているのだが、最近、こんなことがあった。
 トートバックに詰めているとき、前で40歳くらいの女性の奇異な行為が気になった。購入した商品を全て、店置きの消毒液で拭いているのだ。もやしの袋。シューと手に吹きかけ、その手で袋全体を拭く。オリーブオイルの瓶を、同じように、拭く(あのさ、別の病気になってしまうよ、と思いながら観ていた)。
 先日、初めて万引きを目撃した。レジに並ぼうと待ち客が少ない列に行きかけたとき、女子高生が菓子の箱を手に、私の前に。なにか落ち着かない。モジモジしている。仕方なく別のレジに移動しようとしたのだが、その子が、レジ係のいないレジを、そのまま通過するではないか。サッカー台で堂々とポリ袋に入れ、店を出てしまった。唖然として外の高校生を見ていた。その子の為にも、レジ係に万引きであることを告げればよかったと思いながら家路についた。
 自宅に一番近い横断歩道。ここでは青でないと渡らない。同じ集合住宅の住人がいるかもしれないし、子どもがいたら、なおさら。教育上よろしくない。模範を示すことにしている。

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