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ウォーキング小景(ワンちゃん篇)【エッセイ】一六〇〇字

 ごぶさたのシリーズである。ちかごろ歩いていても、ネタが見当たらない。この何か月か左下肢が痛み、5000歩前後に抑えており、出会いの機会が減ったせいだろうか、とも思ったりした。が、ちらりと頭をかすめたシーンがいくつかあったので、久しぶりに。
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 ウォーキングの道中で、ワンちゃんを見かけないことはない。いや、ワンちゃんしか歩いていないんじゃないかと思わせるほど。ま、かならず飼い主さんが引いて(ときには引かれて)いるわけだから、そんなことないのだけど。最近、人間さまよりもワンちゃんに目が行くということだろう。
 いまに始まったことではないが、どうも馴染めないことがある。衣服を身に着けて(着せられて)いること。私も縁のないブランド物なんかもみかける。ワンちゃんがよろこんでのことなのだろうか。「わ、この服いいじゃん」なんて、鏡に向かって親指を立てたり、Vサインなんてしたりするのだろうか。何度か着せられているうちに、服がないと外に出られなくなってしまうとか、コートまで必要になるとか、ならないのだろうか。自分は子にも恵まれず、ペットも飼っていないので親心というのは専門外だから生意気は言えない。むろん。でもどうも、親(飼い主)の押付け、自己マンではないかと思われずにいられない。けっこう昔からの風景なので、ワンちゃんのDNAに組み込まれてしまって、もはや彼ら・彼女らの自然な姿なのかもしれないが・・・。
 ワンちゃんに視線が行くわけの一つに、人間さまよりも何倍も愛嬌がいいことがある。引いて(ときには引かれて)いるひとは、仏頂面して歩いていることが多い。が、ワンちゃんは、行きかうひとに絶えず、笑顔だ(いや、笑い顔をするのかわからないけども)。とにかく、愛嬌をふりまく。それに嫉妬してか、ご主人さまが、無理やり引っ張っていく。少なくても仏頂面のワンちゃんを見かけたことはない。あ、そんな表情で歩いていたら、シブイか。『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスとか、日本では、山崎努とかの顔して。
 かなり前の話。って半世紀遡るけども、大学3年のとき、彼女さんと腕を組んで歩いていたら、シェパードに出会った。視線が合う。成犬の大きさなので、ちょっと怖そう。でも視線をはずさない。50mくらい通り過ぎてから振り返ると、顔を後ろに回してまだ見ている。そのうちに、立ち上がったり、くるくる回ったりし始めた。飼い主さんが引っ張っていこうとするが、頑として動かない。そのうちに、柵に前脚をかけ吠え始めるではないか。そのとき、彼女さんは言った。「お母さんが生まれ変わったのかもしれないよ」と。その1年前に母が急逝した折に、彼女さんが編んでくれたショールを持たせて旅立たせたのだが、自分の息子と、編み手が彼女であることがわかったのかもしれない。そういえば、わがご幼少の頃、シェパードがわが家にいたらしい。それは、母が切望して飼うことになったそうだ。


画像:https://dog.benesse.ne.jp/doglist/big/content/?id=12125

 またまたまた御不浄に係る話で恐縮なのだが。過日、ワンちゃんが排便しているときの顔の表情が悲愴感に満ち、見方によっては哲学者に見えるとか書いたような気がするが、今度は排尿である。尿の場合は、罪意識が軽くなるのか、穏やかな表情になる。そして終えたときはスッキリしたとばかりに軽やかに歩いていく。
 ちょっと前、哺乳類の排尿時間を測定し、標準値があることを発見した研究者らが、イグノーベル賞を受賞したと聞いた。ジョージア工科大学の研究者らが2014年に科学誌に発表したもの、らしい。体重3キロ以上のほ乳類は、体の大きさにかかわらず、尿を出し切るまでが、「おおよそ21秒」だったことが判明したというのだ((30秒以上かかるようなら、膀胱の機能が低下しているサインらしい)。
 そこで、出会ったワンちゃんがその雰囲気だったので、電話しているふりをして立ち止まり、観察した。スマホのストップウォッチ機能を使うのも、それっぽ過ぎるので、心の中で、「1、2、3、4・・・・」と。すると、やはり19秒くらいで停まった。そして腰を振って2秒(振っていたというのは、私的感想)。当てはまるではないか。
 昔、馬が街中にいたころ(特に郷里の北海道は多かった)。雪の上でお馬さんが排尿するシーンをよく見かけた。太いホースから出てくるその量に、「びっくりするべや~」と思ったものだ。

(おまけ)

「スルー」するのは、サッカーだけにしてくれよ。

「敵基地攻撃能力(反撃能力)保有や防衛費の大幅増」案が、密室協議のみ、かつ議事録の公表なし。
「国会素通りの安保大転換」
国民を「スルー」する国になり下がってしまいましたね。全てのことが。
バカにされているのです、国民は。あらゆることに、腹が立ちますよ。

「防衛費大幅増」には大賛成!!
でも、ミサイル基地は住んでいる地域につくるのは大反対!!!!
「イージス・アショア」のときと同じようにね。
(「沖縄基地問題」だって同じ!)
大いなる矛盾じゃねえ?
「核シェルター」だったら?
真っ先に、「おらがとこにつくってくれ!!!」と言うだろう?
だからさ、
「どんどん撃ってくれや、隠れるからさ」と言ってやれるような施設の方が、
いいんじゃね?
この件を含め、腹が立ってたってストレスがたまるので、また書くね。

因みに、同日の朝日新聞が、これ。

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