当たり前と思っていたこと。式典、室内での撮影と集合写真

先日、地域の撮影で式典の撮影案件がありました。

とはいえボランティア撮影、正規のカメラマンは全員現場に入っており
対応できなかったため、撮影アシスタントのYさんに、研修カメラマンとして現場を託しました。

当然、依頼者にカメラマンではありませんよ!!と、ご了承をいただいたうえでの判断です。

式典は体育館での撮影
つまり暗めです。
内容は
偉い人のお話
記念品の授与と記念写真
最後に集合写真の撮影があるということ。

今回はストロボの仕様はあきらめ
ISOは上げてもいいからピント(絞り)とブレ(シャッター)に気を付けてこんなシーンを撮影してきてね!!といった感じで送り出した。

そして素材の確認
まあまあ、被写界深度が浅く、ピントが来ていない
そして、ブレもある!!

集合写真はまあまあ。。。といった結果。

この内容を改めてアシスタントのYさんに説明するときに
自分でも当たり前と思っていたことが多い事に気づきました。

まず、ピンボケや被写界深度の浅さ
これは我々カメラマンは当然のように
F8~F5.6まで絞って被写界深度を稼いだうえで
手前の人にピントを合わせるのが基本。

ピント位置に関しては構図も影響するが
基本的にはボケて無いように感じるところにピントを合わせる。

けどYさんは、暗いからと絞り開放のF4で撮影していたのです。
絞り開放というのは被写界深度的にもレンズ的にも
おすすめされないのでほとんどのカメラマンは使用しません。

暗すぎてどうしようもないときや
出来るだけぼかしたい時だけ使用するというものです。

なぜダメなのかは後ほど説明します。

そしてシャッタースピード
これはぶれるぶれないに影響するかなり重要な要素です。

これもYさんは暗いからと125分の1や80分の1で撮影していたのです。

記念品授与のシーンでは当然ブレブレ
カメラががっちりぶれていなくても被写体が動くので
被写体ブレが起こっていたのです。

この被写体ブレを防ぐには基本的に250ぶんの1くらいまでシャッターを早くするのが基本です。

動きの速い、ダンスやスポーツのシーンでは
640から1000などもっと早いシャッターを切ることになります。

例外として
静物を撮るときや場合によってはシャッター30くらいまでは許容しますが
拡大プレビューしてブレがないか、必ず確認します。

今回は結果的にぶれている写真が多くなってしましました。

絞りに関してもシャッタースピードに関しても
Yさんの判断は画質を維持するためには正解ですが
結果ボケた、結果ブレた。とならないようカメラマンは現場に合わせて
最良の絞り、シャッター、イソを判断するのです。
ブレずに、ボケない。そして出来るだけざらざらにならないように
というのが常に現場ごとにある課題なのです。

そして今回のメーンイベントでもある集合写真
結構きれいに撮ってくれていました。

画角は〇
明るさもOK

けど?!

まず気になったのが
焦点距離。

これもカメラマンの基本的な考え方として
ワイドは使わない!!=50mmぐらいで撮りたい!!
という考え方があります。

ではなぜワイドがダメなのか?と言うと
今回でいうと画角(サイズ)は良いものの
写っている人の体が前を向いておらず
左向きの人と右向きの人がいておかしなことになっています。
そして、画面の淵に居る人がうにゃっと曲がっています。

要するにワイドで撮ると
モノの形が実際とは違うようになってしまうことが多いのです。
スマホの写真を撮っていると起こる実物と違う感もこれと同じ事が原因です。(スマホにも、扱いやすい28mm程度の広角レンズが使われている事が多いです)

そして、絞り開放がダメな理由がここで!!

今回絞り開放のF4で撮影したことにより
前列の人の顔にはピントが来ているものの
後列の人にはピントが来ていません。

まずコレはNG!!

そして絞り開放ではレンズの性能が悪くなり
周辺光量や画質の定価、色にじみなどが生まれます。

今回では両端に居る人の顔がボケていました。

コレは絞っていれば解決されていたことです。

そして、プロあるあるでいうと
少しルーズ目に撮影するという事が多いです。

撮って出しで
すぐに公開されるのではなく
編集ありきの撮影の場合

この周辺画質問題や後々の自由度の高さから
少しルーズに撮っておくのが重要だったりするのです。

もちろん撮って出しの場合は
決め決めの画角で追い込んで撮影する
カメラマンの腕の見せ所ではあります。

けどこういった
編集マンやデザイナー、最終的に使用する企業の方々の事を思うと
こっちの方が都合がいいんでしょ?というのもカメラマンの経験と腕の一つであることは確かです。

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