（1分読み）ユニバーサルデザイン（UD）の教科書27 合理的配慮とセルフアドボカシー

合理的配慮とセルフアドボカシー

ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・体格・国籍・障害の有無を問わず、可能な限り誰にとっても使いやすい機能やデザインを目指す考え方です。

これは社会の多様性を認識し、個々のニーズや状況に応じた配慮を求める現代の要請と深く結びついています。

その中で「合理的配慮」と「セルフアドボカシー」という2つのキーワードに注目します。

「合理的配慮」とは、個人の障害や状況を考慮し、その人が「公平」に社会に参加できるようにするための適切なサポートや調整を指します。たとえば、車いすユーザーのためのスロープ設置や、聴覚障害者のための手話通訳などがこれに該当します。しかし、これは物理的な配慮だけでなく、情報の提供方法やコミュニケーション手段など、日常のあらゆるシーンでの配慮をも意味します。

一方、「セルフアドボカシー」とは、自らの権利やニーズを主張し、自分の意思を表現する能力や態度を指す言葉です。

ユニバーサルデザインが進む中、個人が自分の状況やニーズを適切に伝え、社会全体と協力してより良い環境を作り上げることが求められます。セルフアドボカシーは、個人の権利を守り、自分らしさを尊重するための重要なステップと言えるでしょう。

これらの概念は、多様な人々が共生する社会を実現するための基本です。

合理的配慮が各人のニーズに対応するための具体的なアクションであるならば、セルフアドボカシーはそれを実現するための自己意識と位置づけることができます。

これからの社会は、これらの考えを深化させ、多様性を尊重した共生を目指していくことが期待されます。