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運命は決まっているが自由だ!?

運命が決まっているのかどうかを考えてみたことはあるだろうか?
「いやいや、運命は自分自身が切り開いていくから運命なんだろ。」
わたしたちは、大体こう思っているはずだ。

しかし、今は亡き商売の神様、あのパナソニックの創業者である松下幸之助さんは、「90%は運命だ」と考えていたようだ。

当時側近であった江口克彦さんに対して次のように言われたらしい。

”今日までの自分を考えてみると、やはり、90%が運命やな、運やな。
日本人として生まれたのも、この時代に生まれたのも、わしの意志ではない。
たまたま、偶然に生まれてきた。
生まれた家も、環境も、いわば運命や。
わしが決めたものではないわな。”
東洋経済より引用」

自分の努力だけで成功されてきたように思うのだが、ご本人は自分以外のもっと大きな力を感じていたのかもしれない。

何かの本で読んだことがあるのだが、幸之助さんは2度の大きな事故に見舞われた経験があり2度とも命拾いをしている。
その経験からも、運命の力というものを強く感じずにはいられなかったのかもしれない。

幸之助さんは、自社に入社希望の若者に対して次のように問いかけていたらしい。
「君は自分のことを運のよい人間と思うかね?」
この問いかけに対して、「自分は運がよいとは言えない。」という人間は採用しなかったという。

人生には、どう考えても「運命」と「宿命」というものがある。

「宿命」とは、自分の力では変えようのないもの。
自分の意志では選択できないもの。

たとえば、

・ どの親の下に生まれるか
・ どの地域に生まれるか
・ どの時代に生まれるか

この3つは変えようがなく自分ではどうすることもできない。
否が応でも、もうそこに、その時代に生まれて来てしまっているのだから。

さらに、これに加えて、

・ 病気
・ 天災

この2つも自分ではどうすることもできない。
誰しも病気にはなりたくないし、災害にも会いたくはない。
しかし、それはある日突然にやってくる。
予測できないのだから、避けようがない。

先日テレビを観ていた際、ある占い師さんが、こんなことを言っていた。
「運勢は変えられる。」

これを聞いていたわたしは、??????。
変えられるものなのに、なぜそれを今占えるのか?
そう思ってしまった。

変えられないから占えるんでしょ?
「運命は変えられません、だからわたしにはそれが見えるんです。」
と言ってくれたら納得できますが、変えられるものが見えているのはおかしくないか?
これはつまりパラドックスだ。

仮に、未来が変えられるのにそれが見えるとしたら、
次のような考えにぶち当たる。

「未来は決まっている。しかし、選択することはできる。」
日々の生活を送っている中では、基本的に自分が何を選択するかは自由なはずだ。

たとえば、ある問題に対してAという選択肢とBという選択肢があるとしよう。
自分の意志でBを選択した結果Cという現実が生じた。
しかし、実は運命では最初からBを選択することが決まっていた。

だからCという未来(現実)はどう転んでも揺るがない。
これだったら占い師が言っていたことに納得がいく。

あるいは、「あなたの身にCという結果が生じますよ」、と占い師が占ったとしよう。
ところが、占ってもらった人は占い師のアドバイスに逆らってAという選択肢を選んだ。
しかし、その結果やはりCという現実が生じた。

つまり、どうあがこうと結果はCに落ち着く。

これが、「運命は決まっているが、選択は自由。」という考え方だ。
人生を切り開いて行くのは自由だが、すべて結果は決まっている。

まるでお釈迦様の手のひらの上でいい気になっている孫悟空のようだ。

これを、「決まっているなら人生なんてつまらない」と投げやりに思うか、「決まっているならもう悩む必要ないな、自分の思った道に進もう」と前向きに思うかは人それぞれだろう。

「運命は決まっている。」

どう考えようが人の自由だが、今死ぬほど苦しいのなら、「運命は決まっていて自由なんだ」、と思えたら少し気持ちが楽にはならないだろうか?

いくら悩んでも結果は決まっているとしたら、迷わずに前に進めばいいだけ。
どうすればいいか決められないから悩むのだから、どっちに進んでも結果は決まっているのなら、どっちも正解ということになる。

選択した先の未来が自分にとって望ましくなかった場合、「しまった、こっちじゃなかったんだ...。」と後悔するだろうが、自分がもう一方を選ばないように運命が決まっていたということ。

仮にもう一方を選べていたとしたら、そちらが運命で結果はやはり決まっている。

自分が危機的状況下にあったとして、何を選択してもその先には決まった未来が待っている。
そう考えると、人生では結果よりもその結果に至るまでの過程こそが重要だということがわかってくる。

岐路に立った時、どう考え、どう行動したのか?
人生は選択の繰り返しだ。

人間は、選択するために生きているとさえ言える。
ならば、選択をどれだけ楽しむことができるかが、人生の奥義と言えそうだ。


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