怒りは不可欠!?
怒りの感情というものは、愉快なものではなく、出来れば避けて通りたいものです。怒りは、悪い感情であり、コントロールし、うまく抑制しなければならないもの。
わたしたちは、そう感じていると思います。
しかし、怒りを抑え込むことによって、更なる怒りを生んでしまったり、後悔したり、体に不調をきたすことこともあります。
かと言って、怒りを吐き出すばかりでは、周りに対して不快感を与えたり、険悪な関係を作ってしまうことにもなります。
わたし自身、父親?ゆずりの短気な性格であり、若い頃から怒りを表すことが少なくありませんでした。
その場では怒りを抑え込んだつもりでも、後々まで怒りが続き、それがどんどん膨れ上がり、ある日ついに我慢しきれなくなり爆発してしまい、周りに引かれてしまったこともありました。
我慢してため込むのは良くありません。結局最後は自己嫌悪に陥っていました。
何とかこの怒りをうまく抑え込むことは出来ないものかと常々思っていました。けれど、怒りの感情というものは、非常に厄介であり、わたしにとって強敵でした。
怒りは、秒速(音速?)で生まれますし、気を抜くとあっという間に心を支配されてしまいます。そして、もしその状況が長く続けば、恨みにも似た感情に変化するようになります。
それは、非常に危険な状態です。
犯罪というものは、この感情の延長線上にあものだと思います。
では、この怒りという感情を手なずける?にはどうすればいいのか?
まず、怒りという感情を否定することから始めてしまうのが良くないのではないでしょうか。つまり、怒りは悪いものであり、怒りというものにフタをして目を背けてきたから、怒りに対して耐性がないのではないかと。
怒りによって、その人の今の感情を知ることができます。喜怒哀楽という人間の感情の中で、怒りだけが悪者である根拠はありませんよね。
怒りも感情表現の一つにすぎないわけです。
怒りによって、人と人との均衡が保たれることがあります。
怒りが人を守ることもあります。
元々、怒りとは自分を守るために神が与えたものです。
怒りを悪者だと決めつけてフタをせずに、なぜ?なぜ?なぜ?とその正体を見つめ、怒りの感情が心を占めていることを認めてしまう。
怒りを認め免疫を作る。
いつまでもフタをしていては、免疫力がつかない。
フタをするとは、世間、あるいは誰かが悪くて、自分は間違っていない(わたしは正しい)という考え方です。
自分が正しいと信じるから怒りが湧いてくるはずです。
「感情」と「理性」を切り離してみる。
「感情」は、極めて衝動的なものです。
「理性」は、極めて冷静なもの。
「感情」は、蟻の目であり、「理性」は鳥の目。
「感情」は狭い視点で物事を見ること。
「理性」は俯瞰で物事を見ること。
喜怒哀楽の感情には、必ず対象となる状況や人物が存在するはずです。
つまり、この現実世界、目を開けた表の世界の中の出来事。
それとは反対側の目をつぶった世界、つまり心の中の世界。
目を開けた現実世界では、自分の思い通りにコントロール出来るものは何一つ存在しません。自分が相手を変えたつもりであっても、本当は相手が心の中で自分を変えようと選択しただけです。
目をつぶった心の中の世界では、自分の心というものをコントロールしています。
主は自分自身です。
しかし、怒りで一杯になっている状態というのは、表の世界だけにしか目が行っていない状態です。
心の中は野放しの状態です。
操縦放棄、危機的状況です。
飛行機で言うと「メイデイ!メイデイ!」です。
心の外の現実世界が99%
心の中の世界が1%
の状態です。
その心の中の操縦かんをマニュアルにして握る必要があります。
そのためには、怒りを悪者と決めつけて毛嫌いせずに、日頃から怒りの感情に対峙して、その感情を認め、分析する習慣をつけておく必要があります。
その場しのぎのアンガーマネージメントでは、いつまでたっても怒りに翻弄されるばかりです。
習慣づけておけば、いざという時に怒りの本質に気づき、冷静な判断をすることが出来るようになります。
一歩手前で思いとどまることができます。
習慣こそ何かを達成する力となります。
怒りを意識する事。
怒っている自分を認めること。
認識する(意識して)のであって、肯定すわけではありません。
自分を見つめること。
これを内観(ないかん)と言います。
訓練すること、それが全てです。
怒りは、四つの感情の中で、もっとも強い感情だと思います。
不快であり、あまり考えたくもないですが、小さな怒りの感情が湧いてくるたびに、内観して自分を見直すことが大事なことだと思います。
この場合の見直すとは、素直に見るということです。
自分の正義に固執せず、目をつぶって俯瞰で自分を見直してみる。
この繰り返しでしか、怒りを調教できる方法は無いように思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?