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<株式会社ZOZOテクノロジーズを退職しました>

2018年7月から1年10ヶ月、PMとして働いていたZOZOテクを退職しました。4月は有給消化だったので4月頭が最終勤務でした。 

この2年弱の間、すごいスピードで会社の中も外も目まぐるしく変わる過程のど真ん中で経験させてもらえたこと、多く人に心から使ってほしいと思えるプロダクト、メンバーもカルチャーも大好きな会社で世の中に価値を提供する役割を担えたことは何者にも代えがたい時間でした。

様々なプロジェクトを通してパートナー企業、社外のお世話になった方々、そして一緒に働いた皆さんに心から感謝の気持ちでいっぱいです。
この記事はいわゆる退職エントリーとちまたで呼ばれるもので、今までやってきたことこれからやっていきたいことをnoteにしたためました。


入社のきっかけ→金山さんとの出会い 

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2018年9月に入社(実質開始は7月)をしたが、その前は新卒入社としてサイバーエージェントで働いていた。「自分のアイディアを具現化・発信させて、世の中をより便利により面白くしたい」と面接で伝えてキャリアをスタートさせました。 
ソシャゲのプランナー→ポイント交換サービスの新規立ち上げディレクター→FB/IG広告の運用コンサル→グローバル顧客の広告営業と、「モノづくりとデジタル広告」の2つの中で多くのことを経験させてもらいました。

きっかけはWantedlyのメッセでした。当時まだZOZOへの買収が公表される前のVasilyから連絡がきて、再度非ゲーム系のプロダクトづくりに携わりたいと思っていたのでとりあえず話でも聞いてみるかくらいのスタンスでオフィス行ってみたら代表の金山さんといきなり面談でした。
VasilyがZOZOに買収されることや今後ZOZO社のZOZOSUITを使ったPB事業やグローバル展開の話を聞いて正直に心が踊った。コミュニケーションを重ねるうちに運良くオファーを頂くことができました。
当時別の会社でもマーケティング部署の立ち上げのオファーをもらっており、プロダクトサイドなのか・マーケティングサイドのキャリアを歩んでいくのかとにかく悩んだ。社員さんにも時間をもらったりととにかく情報を集めました。
それらしい理由を当時は作ったけど、正直ベース金山さんの元で働いたらなんだかワクワクする30代が過ごせそうと思い決意した。金山さんと話す中で、WEARの海外展開の話がありこれまでの自分の経験を活かした上でかつ意義のあることができると思い個人的にぶっ刺さった。なによりWEARは世界中で使ってもらえるポテンシャルがあると今でも思っています。

 ZOZOでなにをしたのか→広告事業の立ち上げとPM

プロジェクトマネージャーとして、同時に違う領域の複数プロジェクトを掛け持ちしながら常にホームランを狙えるバッターボックスに立たせて頂きました。PMとはこんなにも切り替えと常に学習が必要なのかと驚きがありつつもこれまで受けたことのない剛速球の球を打ち返す刺激的な2年弱の時間でした。 

▼やったきたこと
・広告事業の立ち上げ 
・新サービスのR&D
・WEARのサービス全体PM
・サービスの海外進出企画
・その他、AI企画、イベント協賛、海外インターン、海外カンファレンス参加諸々 

はじめての案件は、広告事業の立ち上げ
WEARの海外展開ができると思って入社したが最初の案件は違いました。当時はZOZOSUITを始めとしたPB事業のためにZOZOTOWNの販売手数料以外の稼ぐ事業が必要でした。そのために膨大なトラフィックを集めるZOZOTOWNとWEARに広告でマネタイズする動きがジョインするタイミングですでに始まっていました。
前職で広告代理店にいたもののデジタル広告を使う側とそれを作る側と全く違うミッションの中でマネタイズのマの字もわからないなか学びながら沢山の人に助けてもらいながら前に進めていきました。通ずるものはありながらも同じ球技でも野球とハンドボールくらい全然違うものの感覚です。

R&D
WEARプロダクトの広告マネタイズを進めながらも別の案件もアサインしてもらいました。それがとあるサービス(機能)のR&D開発。結論この2020年のタイミングでまだ日の目をあびるとこまでもっていけませんでした。約1年の間に外部のパートナー企業と組みながら国内外のカウンターパートと一緒に新しい購買体験を提供出来ないか模索・開発をしていた。
次々に出てくる課題にぶち当たりながらも前に進みリリースこそ出来なかったがその技術に関して特許出願まで担当させてもらい今後の糧になる仕事をさせてもらった。当時下町ロケットの特許でもめたシーンが記憶に残っていたので弁護士事務所での協議や資料作りなどまるで自分がドラマに入り込んだかのように記憶に焼き付きました。

WEAR 
広告事業が一段落してからはWEARのサービスPMとしての時間を過ごしました。プロダクトの方針決めやユーザー獲得のためのデジマ出稿、機能開発、海外出張などかなり広い範囲を担当しました。AI?画像検索?と技術のぎの字もわからなかったが仕事を通じてたくさんのことを教えて頂いた。代理店を通しての広告出稿を担当したことでこれまでの広告の受注側から発注側に周りこれまた立場が変わることで考えることや見る視点がこんなにも違うのか、使う脳みそが全然違うなとハッとしたのが印象的でした。

ここには書けないこともまだまだあるがやってきたことはここいらで割愛。ZOZOという会社の看板や人やモノ・お金などビジネスに必要なリソースが贅沢にもあるなかでそれでも全部を成功させらなかったのは純粋に自分のビジネスマンとしての力がまだまだ足りないとも痛感しました。

ZOZOで感じたこと→いい人が楽しく働く

(図E)青山オフィス社内写真

ZOZOのコーポレートサイトから写真を引用


タレントや話題に事欠かないZOZOで働くなかで感じたことが3つある。
①会社にいい人が本当に多い
なぜなら会社の経営方針に「いい人をつくる」と掲げて、採用や評価など節々に出てくるからだろう。なにを持っていい人とするかは人によって解釈は違うだろうけど会社の中にはちゃんと定義がある。
損得や合理性だけではなく、人として付き合う人が多かった印象がある。人間的な魅力に溢れた人が多く、仕事以外のプライベートの時間でも居心地がよく大変よくしてもらった。
多くの人が会社が好き、カルチャーが好き、自分たちのプロダクトを愛している。

②楽しく働く
働くひとがいい人なだけでなく、みんな楽しそうに働いている。こちらも会社のWORKSTYLEとして「楽しく働く」が掲げられている。「楽しく働こうよ」という価値観の元でどうやって仕事を楽しむかを常々考えている。
スタッフ同士はニックネームで呼び合ったり、なぜかポップコーンの機械がオフィスに突然現れたり、オフィスで餅つきやったりと社内のイベント企画やオフィス環境やアイディアを考えるときなどあらゆるところに面白いものが転がっている。理念や行動指針がしっかりしているのでそれに向かって日々形になっていたのだろう。
100台のカメラで会社を観察するNHKの番組企画があったがそれを見るとその雰囲気も垣間見える。
こちらは新卒採用のページにアップされた「楽しく働く」についての動画。

③すごいところ
ZOZOSUITやZOZO ARIGATOなど世に一石を投じる企画や急に社員総出でTwitter上で採用活動が始まったり、急に創業社長が月に行くことを発表したかと思えば、急に辞任して買収される形でY!グループにジョインしたりその他大小問わず常に話題に事欠かずジェットコースターな日々でした。
鶴の一声で方針が変わることもあったがあの規模の会社になっても大きなビジョン実現のためにいい意味で朝令暮改で変化していくベンチャー気質が失われていない。それは強いビジョンや楽しく働くが根幹にあったからしんどいときでも楽しんで乗り越えられたのかもしれない。
その中で時代を変えている、社会にチャレンジしている実感がありました。

おまけ
フルリモートフルフレックスシックリーブなど楽しく働くための制度がいくつもあるがその中で書籍の購入制度が個人的に重宝しました。それはSlackで本のレビューを書くとその本の代金を会社が負担する書籍購入補助制度です。これがあったおかげで様々なプロジェクトを経験する中で知らないことは本を買って自学してどうにか追いつく習慣がつきました。(追い付けきれなかったものたくさんもあるが、、) 人生で習慣的にかつ継続的に大量の本をこんなにも読んだのは初めてです。

自分自身について気づいたこと→発見・反省・学び

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ZOZOの環境ではなく、自分自身に焦点を当てて振り返ったときに気づいたことが3つありました。
①(発見)いいチームをつくることに興味があることに気づいた
テクノロジーの力に興奮し、技術の力でファッションの課題解決の一翼を担うと同時にいいひとがあつまるZOZOの環境で世界をより良くするために最高のチームをどうやったらつくれるのか。いいチームとはなにで、どうやったら作れるのかに興味があることに気づきました。
働く中で気づけことは、いいチームをつくるためには「皆が同じ目標(ビジョン)を目指し、異なる得意分野をお互いに補完し達成に向かうこと」・「背中を預けて集中できること」が大事。
そんなのは当たり前だろと思うかも知れないがたくさんのイベントとチームについて本でインプットしながら自分の目鼻を通じて改めて実感をしました。


 大事なこと
・共通の目標をもつ
・優秀で多様な人材が集める(同じ人ばっかり集めてもだめ)
・お互いに裸になれる場所をつくる
・そしてその場を維持する努力をし続けることが極めて大事 

チームにこだわるのは自分一人ではなにもできないことを理解しているので組織の再現性や仕組みによるアウトプットでどうにかしたい気持ちとぬくもりや居心地を大事にしていたゆえかもしれない。 

②(反省)仕事であげられる成果と評判を区別できていなかった
会社の中には「評価される仕事」と「評価されない仕事」の2つがある。成果を出せたとしても出世/昇給につながるのは「評価される仕事」、つまりお金を稼ぐ仕事だ。営利組織にいる以上稼がないと評価はされない。評価されない仕事を頑張っても評判は良くなっても評価につながらないものがある。
評価されない仕事をしても評判はよくなっても大きい評価にはつながらない。まずは評価される仕事を見極めてボールを持つことが大事。 これまでは「頑張っているとき・成果がでるとき・評価されるとき」は時期がズレるものだから苦しくてもがんばろう!というのが新卒時に教えてもらったことでした。しかし仕事には種類がある。そもそもがんばっても評価される/されない仕事があることに気づき価値観がアップデートされました。
さらに言えば稼げるだけでもだめでその時々の組織の優先順位と価値観によってもっと評価される仕事が存在していることも覚えておかないといけない。
もちろん人は評価だけのために仕事をしているわけではない。評価高めるBotにだけなっても、意味がない。自分が思っている以上に人は人を見ている。仕事を抜きにした人と人とのつながりは目に見えて推し量れるモノ以外でもなりたっていることを忘れてはいけない。

 ③(学び)無力なサラリーマンでは戦いを選べない、変えられない
自身に力があれば勝つための戦いはもちろん「大義ある戦い」も「戦い方自体」も選べる。逆に己の力不足が故に不運を呼び込んだ不可逆的な構造がある。
そして結果を出さないと誰も守れない 。PMとしては嫌われてでもなんとしてでも結果を出して`チームに勝利`をもたらさないといけない 。自分自身がナイスな人で楽しく働こうという意識が強いあまり妥協したり、達すべきラインに引き上げができずに結果としてチームに勝ちをもたらすことが出来なかったときにそれをとても痛感した。
良好な関係値を作って楽しいチームの雰囲気をつくれるのがナイスなのではなく、仲間たちを勝利につれていけるのがナイスなビジネスパーソンである 

なぜやめるのか→グローバルな環境でチャレンジ

いろいろな思いや経緯があるが一言でいうと、よりグローバルな環境でチャレンジがしたかった。30代になりやれることが増えてきた一方であっという間にときが過ぎていく中で自分の社会への価値を最大限に出来るためには何が必要かを考えた。
ZOZOに転職をするきっかけになった金山さんとの面談時に抱いたあのワクワク感を持って仕事するためには自分の中で「グローバル」のキーワードが切っても切り離せなかった。

これから何をするのか? →BytedanceでPMM

これからはBytedanceに環境を変え、PMMとして本国のPMと連携して日本市場向けにプロダクト開発・商品企画をしていきます。
なぜそれをするのか? 
環境を変える
30代に入り自分の時間を改めて何に使っていくのかを考えたときに「グローバルにチャレンジ」というキーワードがどうしても切り離せませんでした。グローバルなチャレンジはもちろんZOZOでもできるが、時間軸が自分の時間軸と合いませんでした。かつ強制的な英語環境に身をおいて仕事をしたかった。そんなにグローバルにチャレンジしたかったら海外の企業に飛び込めば!?と出てこなくもないが日々スポットで英語をビジネスで使うことがあっても定常的に使うことはありませんでした。そんな自分にとってはその環境にいきなりとびこむのは清水の舞台から飛び降りるに等しくちょっとチキったと言えばチキったかもしれないです。
②お金のことを一切期にしないで全力で課題に向かいたい
プライベートでは結婚して一人の生活ではなくなったことで安定した生活のための「お金」というキーワードが常にあった。だからこそ次の環境では憂いなく働く環境を用意してもらったので全力で課題解決に取り組みたい。
③PMMというロール
自分はどこに専門性をもたせるのか。今後は「グローバル×プロダクト×マーケティング」のかけ合わさった部分をやる。PMは幅広い業務を担っていくがPMMはその中でもより「ビジネス」や「マーケット」に向き合うことに集中するロール。 これまでキャリアを考える上で「マーケティング」か「プロダクト開発」と迷っていたがそれらをすべて掛け合わせてできる環境が目の前に現れたのでそれに精一杯チャレンジしたい。
今後日本でも働く環境がメンバーシップ型ではなくジョブ型にシフトしていく中でA or Bではなく、A and BだからCという選択肢をとる。様々な経験をしてきたから出てきたこの選択肢を選び常に誰かの背中を追うのではなく、自分の手で紡いでいく。
SmartHRの方がPMMについてわかりやすく解説をしくれている記事があるので詳しくはこちらを。


おわりに 

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つらつらと備忘録のためにこれまでの振返りと思考の整理をしたが、改めてZOZOはいい人がたくさんいて、楽しく働くためにもってこいの場でした。
VSOPのS(専門性)の30代に入り世の中に対してどんなポジティブインパクトを起こせるのか自問自答する中でZOZOの
「Be unique, Be equal(みんなちがうけどみんないっしょ)」
の思想に心から共感をしています。
坂本龍馬のように命に代えてでも◯◯をする!と究極の使命は見つけられていないですが人々の幸福量を増やしていけるように「技術の力をテコにBe unique, Be equalな社会とは何かを問いつづけ、社会実装する」仕事をしていきます。よりよい未来のためにはこんなことが大事なのではないかとざっくり考えています。

 世界はより豊かに便利なっていく中で 
より早く世の中が便利に、面白くなるようにする。
社会実験を通じて、変わりゆく社会の中で
ひとりひとりの幸せの総量を増やす。

 一方で、「便利になったら世の中=豊か/幸せ」ではない。
人々が自己決定による日々の生活・行動をし、納得感のある日々を
過ごせるようにするアプローチを模索する。

人が自分で問いを立てて、自分なりのアプローチをし、
自分で答えにたどり着く。
そうすることで“自分らしく生きる力”が育まれる。

個別性(自分が他人と違うことが面白い)と
多様性(他人が自分と違うことが面白い) が共存した
Be unique, Be equalな社会とはなにかを問い続ける。

”自己肯定感の醸成”と”異なる価値観の承認”が
これからの世の中を生きていくためには必要である。

本当のおわりに

長くなりましたが、改めて社内も社外も関わっていただいたすべての皆さんに、心からの感謝をお伝えさせてください。
本当に本当に、ありがとうございました。
そして今後ともどうぞよろしくお願いします。
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