教育現場でAIを活用する新たな道へ〜さいたま市の先生方とのChatGPT勉強会サポート〜
AIと教育の新たな時代にどのように活用できるかを探るため、現役の先生と、ChatGPTを活用したオンライン勉強会を開催しました。AIが教育現場でどのように活用できるのか、その可能性を探る一助となることを期待しています。
1. ChatGPT勉強会の背景
この記事では、埼玉県さいたま市の学校の先生を対象に実施したChatGPTを活用した勉強会の内容をレポートします。この勉強会の目的は、先生方がChatGPTをどのように教育現場で活用できるかを考えるきっかけを提供し、具体的な活用方法を知ってもらうことです。
事前の参加者としては、ChatGPTを使っているのは先生のうち7名で、使っていないのは1名だけでした。有料契約は、1名のみという状況でした。
2. ChatGPTの紹介
文部科学省から発表された「生成AIガイドライン(暫定版)」 にはもちろん触れ、今後学校の先生の校務改善に向けてパイロット的な取り組みから開始していくと前向きに進めていく方向であることを確認しました。
ChatGPTは、大量のテキストデータから学習した大規模言語モデルで、人間が得意な会話スタイルでの入力が可能です。
そして何よりコンピュータなので、24時間365日、どこからでもアクセス可能なパーソナルアシスタントとして活用できます。
ChatGPTの活用は、手間のかかる作業の時間削減、自分の専門知識外の知見の取得、自分の思いついたアイディアの拡大など、多岐にわたります。
3. 学校で使えそうな事例紹介
校務や授業で使えそうな事例をたくさんご紹介したのですが、ここでは一部抜粋してご紹介します。
生徒向けとして、地域活動をする場合にPBL(Project Based Learning)で何を次にすれば良いかなどのアドバイスをする際に使うと効果的というお話をしました。
次に先生の公務として、テストの分析のご紹介をしました。事前アンケートでも興味があるお話とのことでした。
平均点や標準分散、各科目間の相関関係などをExcelなどの計算ソフトを使わなくてもすぐにできることをご紹介しました。もちろん、計算精度を担保したいので、「Code Interpreter」を使っての分析です。
また、大学でも論文作成などに使っているところもあると思いますが、同様に教育研究資料の作成支援も大変そうだな感じたので、アイディア出しや資料作成支援の用途にも使えることを伝えました。
もちろん、下記の2つの事例についてもご紹介しました。
4. 先生からの質問
事前アンケートで下記の内容に興味があるのとことでしたので、勉強会では全て方法をご紹介しました。
テストの問題作成
テストの結果分析
授業の教材作り
研修資料の作成
講話での文案作成
理科の先生からは、プラグイン「Wolfram」が興味があるとのコメントをいただきました。合わせて、原子のイオン化についての説明をしたいとのことでしたので、実演しました。
また、具体的な使い方として、英語の方が精度が高いため、常に英語に翻訳して使っているのかという質問がありました。GPT-4では日本語でも十分な精度が出ているため、英語にせずに使っていると回答しました。実際にする際にも英訳自体もDeepLを使わなくてもChatGPTで実施できることもご案内しました。
5. これからの学校での生成AIの活用について
埼玉県さいたま市では、生徒はChatGPTの使用が禁止されていますが、先生はMicrosoftのBing Chatなら使用可とのことでした。ただし、登録が必要とのことです。
実際にこれから使ってみて事例がどんどん増えていくので、学校の先生間でもChatGPTの活用方法を探して、共有することが期待されています。それに向けて、この勉強会では、ChatGPTの活用方法を学び、具体的な活用例を共有できたので、その助けになればと思います。