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Shukto (シュクト )| 優しくて丁寧なベンガルのミルクシチュー| #West Bengal 【インド100のレシピ集】

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西ベンガル料理のターリーレシピです。まず初めは苦いけどしみじみ美味しいShukto(シュクト)から。伝統的にベンガル料理は苦いものを最初に食べるという考え方があり、ベンガルを象徴する料理でもありますが、多くの種類の野菜を使い調理も手間がかかるので家庭ではあまり作られなくなってきているそうです。特にランチで食べられることが多く、家庭料理や祭りの際にも食べられます。

この料理の根底にあるのは、食材の本来の味を生かし、体に良いとされる苦味を積極的に取り入れるというベンガル人の食習慣・思想です。苦味を出すためにゴーヤ、ニームの葉、フェヌグリークなどが使われます。牛乳が入ったものやマスタードを多く使ったものなど多くのバリエーションがあり、伝統的にはたくさんの野菜を使いますが、パパイヤなど一種類に野菜の種類を絞る場合もあります。

西ベンガルのレシピを5品連続でアップするので、その通りに作るとベンガルターラが完成するはずです。

西ベンガルターラ完成図

西ベンガル料理とは

そもそも西ベンガル料理とはなんぞやという話は、後日更新されるまとめnoteをご参考ください。

ベンガル料理は最近日本でも知名度が上がってきていますが、食べられるお店はまだまだ少ないですね。日本ではバングラデシュ料理のお店は増えていますが、西と東でちょっと違ったりします。「ベンガル料理」といったときには基本的には今でいう西ベンガル州周辺とバングラデシュを含むベンガル文化圏一帯で食べられている郷土料理を指すのですが、歴史的な分断もあり西ベンガル州と現在のバングラデシュでは調理法がかなり違います。

西ベンガル州の調理法はバリエーション豊かで、食材を焼く、蒸す、揚げる、等様々な方法で調理します。また、マスタードオイルやマスタードペースト、砂糖、ポピーシードを多用し、ノンベジ食の比率も高く、米と魚をよく食べる文化です。対してバングラデシュ側はストレートな調理法が多く、ニハリやビリヤニなどムスリム文化圏でよく食べられる料理も多いです。

コルカタのヒンドゥー家庭にホームステイしてきたときの記録はこちら。

西ベンガル州の首都コルカタでは色々な料理が食べられていました。現在では東インド最大の都市ですが、元々は小さな漁村がいくつかあっただけの地域でした。1690年にイギリスの東インド会社が拠点を置いてから発展を遂げ、1911年に首都がデリーになるまでは植民地時代のインドの首都として栄えてきた歴史がある古都です。"City of Joy"とも呼ばれ、独特の空気感が流れています。

マスタードオイルについて

マスタードオイルは日本で買えるものは加熱して処理されているため、独特の刺激臭が生まれ、苦手だという話もたまに聞きます。
日本では川越にあるカラシ屋さん【筋野商店】様が販売しているマスタードオイルはコールドプレスのため刺激臭が少なくまろやかで、とてもオススメです。

今回はそんな西ベンガル料理の中でも定番のシュクトをご紹介します。シュクトはベンガル語でゴーヤの葉を意味するシュクタという単語に由来しており、その名の通りゴーヤをはじめとした様々な野菜を牛乳で煮込んだシチューです。シンプルながら苦みも含んだ優しい味わいで、非常に食べやすい一品です。

今後、各地域別の料理をマガジンにまとめていきます。

Shukto(優しくて丁寧なベンガル風ミルクシチュー)

それでは実際に作ってみましょう。

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