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【北東インド メガラヤ旅行記】②メガラヤ州ってどんなところ?

2021年12月に訪れた、北東インド・メガラヤ州の旅の記録です。
本記事では、メガラヤ州の概要に触れてみたいと思います。

メガラヤ州は、北東インドの7州のひとつで、北東インドのアッサム州やバングラデシュと国境を接しています。メガラヤ州の特徴4つを、以下に紹介していきます。

特徴①世界で最も降水量が多い

「メガラヤ」とは、ヒンディー語/サンスクリット語の「雲のすみか」に由来しており、州南部の地域・チェラプンジは、世界で最も年間降水量が多いことで知られています。

同州のほぼ全域が、標高1000メートル以上のシロン高原に位置しています。州の南部は切り立った崖のようになっており、ベンガル湾方面からのモンスーンが直撃することが多いため、世界有数の降水量を記録するそう。メガラヤ州の土地の多くは森に覆われており、豊かな自然の中で様々な野生動物が生息しています。

メガラヤ州の風景は、透きとおる美しい河、多量の水が流れる雄大な滝、緑が生茂るジャングルで溢れています。

世界一降雨量が多い、メガラヤ州チェラプンジ


特徴②さくらの名所

メガラヤ州の州都シロンは、(おそらく)インドで唯一の桜の名所です。
桜の開花が満開を迎える毎年11月下旬頃には、同地で「桜まつり(Cherry blossom festival)」が開催され、州内外から多くの市民や観光客が、さくら見物に訪れます。

桜を愛でる文化があるのは、日本に次いで世界の中でもメガラヤ州のみだそうです。メガラヤ州では、日本では桜が特別な木であることを知っている人も多く、メガラヤ旅行中には、日本のさくらやお花見文化に詳しい人々にも多く出会いました。

先述の桜まつりでは、メガラヤ出身のシェフが作るラーメン店などが露店として出店し、大盛況だったようです。

私が訪れた12月頃は、ちょうど桜の開花時期で、州都シロンのあちこちで、満開の桜を見かけました。

メガラヤ州・シロンの桜


特徴③母系社会のカシ族

メガラヤ州の主要民族はカシ族とガロ族です。このほかに土地固有の少数民族、バングラデシュ、ネパールからの移民がいます。

カシ族の母語であるカシ語は、インドシナ半島と周辺地域のモン・クメール語派の一部とされており、カンボジアやベトナム南部で話されているクメール語に近いと言われています。

メガラヤ州で見かけるカシ族の人々は、カンボジアやベトナム南部の人々の顔立ちに似ている人が多い印象でした。

カシ族の特徴は「母系社会」であること。各家庭の土地や財産の所有権は、基本的に女性に属します。土地や財産を相続するときは、娘(娘が何人かいる場合は、末娘)に引き継がれるそうです・

また男性は結婚したら、原則的には、女性の家庭に婿入りします。
男性が結婚相手を見つけ、両親に相手を紹介して結婚の許可を得るとき、基本的には母親の了承を得ることになっているそうです。

特徴④州人口の半数以上がキリスト教

メガラヤ州では、インドの英国植民地時代にキリスト教が根付き、現在では州の人口の約75%(※1)がクリスチャンとなっています。次いでヒンドゥー教(10%)、部族宗教(8%)です。メガラヤ州の最大宗派は、ローマカトリックです。

インドの国全体では、人口の約80%がヒンドゥー教、クリスチャンはたった約2.5%です。メガラヤ州の宗教構成がとてもユニークであることが分かると思います。

人口におけるクリスチャンの割合が高い州は、メガラヤ州は3番目。
ナガランド州(87%)、ミゾラム州(87%)の次に、メガラヤ州(75%)となります。すべて、北東インドの州です。

1900年代、ヨーロッパからやってきた宣教師がメガラヤ州で布教し始める前は、各部族の土着宗教が広く定着していました。土着宗教はアミニズムのような、自然の事象を崇拝する宗教です。メガラヤ州の最大民族である、カシ族とガロ族の大多数はキリスト教徒に改宗しましたが、州内の少数民族では、土着宗教が今も広く信仰されています。

(※1)2011年インド国勢調査のデータ

メガラヤ州の教会

特徴⑤環境保護×観光開発に力を入れている

メガラヤ州は、北東インド7州の中でも、以前から「観光地」として整備が進んでいる州です。

州政府が観光開発に力を入れており、メガラヤ州の観光庁は、観光客向けに役立つ情報をひとつにまとめたスマホアプリを提供。州内の観光スポットや、公共交通機関、州内をめぐるために車やガイドをアレンジしてくれるツアーオペレーター(旅行会社)などの情報が、アプリ上にひとつにまとまっています。


また州内の観光スポットも、よく整備されています。

メガラヤ州には、美しい自然を見れる場所が多いのですが、驚いたのが、
環境保護を促進しながら観光地をPRしていること。そして現地の人が積極的に観光開発に力を入れていることです。

州内の観光地の多くに「ゴミ箱」が設置され、露店で販売されている食品などは、エコフレンドリーな容器で提供されることがほとんどでした。多くの人が訪れる観光スポットでは、現地のボランティアの人々も参加して、「自然環境を守った観光」を促進しています。

「メガラヤ州は、州政府だけでなく、現地の人々が一丸となって観光を促進している。メガラヤの美しい自然を見てほしいから、ボランティアをする人や、観光整備への投資を支持している人が多いんだよ」
と現地の人に聞きました。


以上、メガラヤ州の特徴、魅力を5つまとめました!
次回以降の記事では、おすすめのスポットなどを紹介していきたいと思います。


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