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土に帰る

雨が降り続き、各地に豪雨の被害をもたらしている梅雨がそろそろ明けようとしています。

これから夏を迎えると、蝉の大合唱が始まります。

その時期に外を歩いていて、ときおり目にするのが道路に横たわる蝉の死骸です。

蝉の成虫の寿命は1週間とも1ヶ月ともいわれています。

いずれにせよ、とても短い命。

私は蝉の死骸がアスファルトの上に転がっているのを見つけると拾い上げて近くの土の上にそっと置くことにしています。

短い寿命をまっとうした蝉が車や人に踏みつぶされてぺしゃんこになっている姿を見ると悲しくなってしまいます。

土に帰って欲しい。そんな気持ちからです。

また、土の上に横たわる蝉の死骸に蟻が群がっているのを見ることもあります。

これには何もしません。蟻の餌になるという形で「土」へ帰ってゆく。

「良かったね」という気持ちになります。

その蟻たちもいずれは土に帰り、再び生命を得て蘇る。

木として、草として、或いは何か他のものとして。

毎年この時期に感じることです。