見出し画像

双極性障害のこと 【二つの症状】

今から20年ほど前に発症した私の双極性障害。

思い返してみると、この間に大きく二つの症状があるように思います。

一つは抑うつ状態。
この疾患だけでなく、うつ病などの精神疾患に現れる症状です。
何もする気になれない、好きなことにすら意欲が湧かない、などなど。

もう一つが、医者の言葉を借りれば、「頭重感(ずじゅうかん)」という症状。
医者のいうこの症状が私のそれと同じかどうかは分かりませんが、頭が重くて重くてならない。
額に厚さ1センチくらいの鉛の板が張り付いたようになって、その重さのために何もする気になれない、という症状です。

そして、全体を通して、抑うつ状態が主な症状だった前半と頭の重さが主だった後半の二つの時期があったように思います。

この境目がいつだったのかはっきりとは分かりません。
また、症状がはっきりと切り替わったわけではなく、後半は抑うつ状態はありながらも、頭の重さのほうが中心となっていたという感じです。
この時期の「抑うつ」は前半から続いていたものと同じなのか、或いは、頭の重さが辛いがための「抑うつ」だったのかもはっきりしません。

今現在、これらの症状が劇的に改善し、元気に日々を送っていますが、それが何故なのか。
何故、あれほど悩まされた抑うつや頭の重さがなくなったのか、これまたはっきりとは分かりません。

私が言うまでもなくありませんが、精神疾患はそもそも何も「分からない」。
何が原因なのか、分からない
何をすれば良いのか、分からない。
何をしなければ良いのか、分からない。

「分かりません」尽くしです。

私の場合も、何が原因でこの病気になり、そして、何が取り除かれたから元気になっているのか、分からない。
その「何か」が取り除かれたのかどうかも分からない。
だから、もしかしたら、明日また元の状態に戻るかもしれない。
またあの頭重さが襲ってくるのかもしれない。

とはいえ、症状が改善していることについて、その理由として思い当たることが四つあります。
一つ目は、ある人との出会い。
これまでに出会った誰とも違う人。
話していると心地良い。
なんの警戒心を持つことがなく、なんでも話せる。
それをすべて受け止め、受け入れてくれる。
こんなに安心感を与えてくれる人に出会ったことはありません。

二つ目は、長年のカウンセリング。
ずっとお世話になっているカウンセラーがいます。
いろんなことを試してくれています。
アドラーを教えてくれたり、バランスボールを試してみたり。

三つ目は、そのカウンセラーに紹介された「ゲシュタルト療法」という心理療法。

そして、四つ目が、意図しない断薬。
あるとき、2週間、薬なしで過ごさざるを得なくなりました。
不安で過ごした2週間でしたが、離脱症状が起こるどころか、それまで悩まされた頭の重さも抑うつ気分もなくなり、スッキリしたのです。

今、思っているのは第一期の症状はこの四つのうちの最初の三つが効いたのかもしれない。
そして、第二期の頭重感は断薬のおかげで改善したのではないか。
ということです。

第一期に適切なカウンセリングを受けていたら、もしかしたら第二期は来なかったかもしれないとも思っています。
第一期に薬に振り回されているうちに、頭が重いという症状が出てしまったのではないか。

そのため、頭重感は薬のせいだったために、それをやめたからなくなった。
こちらは何が取り除かれたかがはっきりしている。

一方、第一期の精神的な不安定はカウンセリング、出会い、ゲシュタルトが「何か」を取り除いてくれた。

依然として「何か」が何であるかは分からないので、明日はどうなるか分からないという不安を抱えたままです。

いったい何なのだろう。