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転院の検討

私が今のクリニックにかかり始めたのは、この「病気」を発症してから10年近く経ってからです。
それまでは「うつ病」との診断でしたが、このクリニックで初めて「双極性障害」という病名が告げられました。
私がこの病名を知ったのはこのときが初めてでした。
それまでの病院やクリニックではうつ状態にしか着目せず、「うつ病」の診断が下されていましたが、この先生は私が元気なときの状態にも着目し、その結果「これは元気すぎる」ということで「双極性障害」という診断をしました。

以後、それまでとはまったく異なる薬を処方され始めました。
非常に雑ぱくに言えば、「うつ病」では気分を持ち上げる薬を処方されるのに対し、「双極性障害」では、気分を持ち上げ過ぎず、落とさず、という目的で薬が処方されます。

余談になりますが、ときどき「うつ病に効いたから、あなたにもきっと効くよ」と、健康飲料などを勧めてくれる知人がいます。
しかし、まず、そもそも健康飲料で治るほど簡単な病気ではありません。
そして、百歩譲って「うつ病に効いた」としても、そういうものを私は飲む訳にはゆかないのです。
元気になり過ぎては困るから。

そうして、少しずつ気分が安定してきていたのですが、ここ数週間、気分の波が激しく、頻繁になってきています。
しかも、2日程度で回復するとはいえ、落ち込みの程度が酷くなっています。
私は「冬季うつ」と言われたことはありませんし、そのような自覚もありません。
しかし、このところの気分の変調の激しさは「ちょっと、なんとかして欲しい」という気持ちです。
このことを先日の診察で伝えたのですが、「2日くらいで回復するのなら、気分障害とは言えませんね」とのことでいつもと同じ30秒の診察で、いつもと同じ薬を処方されました。
「2日くらい」かもしれませんが、その辛さ、苦しみは何とも形容しがたい。
それをそういう簡単な言葉で片づけられてしまっては、いったい何を、誰を、頼ればいいのか。
辛いときにだけ飲む「頓服(とんぷく)薬」も処方されていますが、それも効かないことが増えてきています。

初めて「双極性障害」と診断してくれたことでこの先生を信頼してきましたし、むやみに薬を変えたくはありませんが、こういう状態では転院を検討しなくてはならないかな、と思い始めています。

ただ、転院は一つの賭けのようなもの。
精神疾患の場合は特にそうだと思いますが、医師との相性、その医師が処方する薬と自分との相性など、不確定な要素がいくつかあるからです。

転院先の医師が必ずしも自分に合うとは限らない。
今は気分の波が酷くなっているとはいえ、一時は安定していたこの状態を崩されてしまうかもしれません。
ですから、安易に転院はしませんが、何らかの方法で信頼できそうなお医者様を探そうと思っています。