双極性障害【揺れる気持ち】
私を苦しめている頭の重さの正体は分かった。
鉛くん。
しかし、ほんの小さなことで気持ちが揺れ動くのを止めることはまだできない。
今もつまらないことで気持ちが揺れている。
そうすると「鉛くん」が出てきそうになる。
気持ちを落ち着けるために注意を外に向けてみる。
「見えるものの中で気になるものは?」
工事現場の赤い円錐形のパイロン。
黄色く色づいた銀杏の木。
通りの向かいの喫茶店。
今いる喫茶店の、天井から下がっている電灯。
外に見える赤い車。
「聞こえるものは?」
喫茶店に流れるBGM。
外を走る車の音。
空調のうなり音。
店員さんたちの声。
自動ドアの音。
「においは?」
ホットサンドが焼ける匂い。
排気ガスのにおい。
今飲んでいるコーヒーの香り。
「味は?」
食べたばかりのホットサンドの残り味。
コーヒーの苦い味。
「感じるものは?」
自動ドアが開くたびに流れ込んでくる冷たい外気。
軽い頭の重さ。
気管支炎による胸の息苦しさ。
少し気持ちが落ち着いたけど、そのつまらないことへのこだわりは無くならない。
何故、考えてもしようのないことをいつまでも引きずっているのか。
もっと堂々としていられないものか。
人の言動にいちいち左右されるのを止めることはできないのか。
一つ一つのことを考えすぎることも「頑張り過ぎ」につながっているのだろうか。
楽になりたい。